• 2021.07.12

年収400万円の住宅ローンはいくらまで?借入限度額と無理なく返済できるプラン

監修者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)
年収4000万円住宅ローンの適正金額
日本人の平均年収は、令和2年9月に国税局が発表した民間給与実態調査によると、436万円。つまり、年収400万円は日本人の平均といえます。
では、年収400万円の人が住宅ローンを組もうと思った場合、いくらまで借りることができるのでしょうか。
結論から言うと、年収400万円の人の場合、金融機関によっては約3,935万円まで住宅ローンを借りることが可能です。
ただし、この上限ギリギリまで住宅ローンを借りてしまうと、手取り収入の半分近くを住宅ローン返済に充てなければならなくなってしまうので、現実的な借入額とは言えません。
住宅ローンを組む条件にもよって異なりますが、目安として年収400万円の場合、2,200万円以内の住宅ローンが理想的です。
この記事では、年収400万円の場合の住宅ローン借入額のシミュレーションや、借入額を考える際のポイントについて解説します。
  • 年収400万円なら、約3,935万円まで住宅ローンを借りることが可能
  • ただし、上限まで借りると返済が厳しいため、理想的な借入額は2,200万円以内
  • 金利タイプや借入期間、ライフプランによっても返済可能な借入額が変わる
  • 年収400万円の場合、住宅ローン控除を受けられる額が少ないので要注意
※当記事内での「年収」とは、税金や社会保険料を含めた「額面年収」を指しています。
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この記事を執筆・監修している専門家

監修者

白坂大介

ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種

お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。

執筆者

岡田 莉緒

ナビナビ住宅ローン編集部

保有資格・検定

3級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士

3級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士。住宅購入は多くの方にとって、一生に一度の大きな買い物です。不安や後悔なく幸せなマイホームを手に入れられるよう、住宅ローンの情報をわかりやすく、正確にお伝えすることを心掛けています。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

年収400万円の理想的な住宅ローン借入額は2,200万円以内

結論から言うと、年収400万円の場合、住宅ローンの借入額は2,200万円以内に抑えるのがおすすめです。
住宅ローンの借入額は、手取り収入の25%以内に抑えるのが理想的だといわれています。
年収400万円の場合、手取りの収入は約312万円。ボーナスなしの場合、手取り月額は26万円程度です。
つまり、理想的な月々の返済額は以下のように考えることができます。

理想的な月々の返済額

  • 理想的な返済額は、手取り月収26万円の25%以内
  • つまり26万円×25%=6.5万円/月 に抑えるのがおすすめ

借入額別:月々の返済額と手取りに占める割合

では、住宅ローンの借入額がいくらまでなら、月々の返済額を6.5万円以内に抑えられるのでしょうか。住宅ローンの借入額ごとに一覧で見てみましょう。
借入額 月々の返済額 手取り月収(約26万円)に占める割合
2,000万円 59,296円 22.8%
2,100万円 62,261円 23.9%
2,200万円 65,226円 25.1%
2,500万円 74,121円 28.5%
3,000万円 88,945円 34.2%
3,500万円 103,769円 39.9%

※金利1.3%の全期間固定金利、35年返済、元利均等返済の場合で試算

住宅ローンの返済額は借り入れの期間や金利によって異なりますが、今回の条件の場合、2,100万円~2,200万円が返済負担率25%の境界になっていることがわかります。
安定して住宅ローンを返済するには、借入額を2,200万円以内に抑えるといいことがわかりますね。

家賃と同額の住宅ローンを組むのは危険!

月々の返済額は6.5万円以内がおすすめと聞いて、
「今、賃貸でもっと高い家賃を払っているのだから、もっと返済額を増やしても大丈夫なのでは?」
と感じる方もいるでしょう。
ですが、家賃と同額の住宅ローンを組むのはとても危険です
なぜなら住宅を購入すると、固定資産税や修繕費など、賃貸の時にはかからなかったさまざまな出費が発生するからです。

住宅の維持にかかる費用(年間)

  • 固定資産税…十万~数十万円
  • 火災・地震保険料…数千~数万円
  • 住宅のメンテナンス費用…数十万円

もし家賃と同額の返済額のローンを組んでしまうと、ローン返済に加えて上記のような費用がかかるので、これまでより住居費の負担が大きくなってしまいます

借入額を決める際には、上記のような支出を考慮して、余裕を持った借入額を選ぶようにしましょう

返済額の考え方

  • 現在の家賃・管理費が9万円/月の場合、年間で住宅にかかっている費用は108万円
  • ローン返済以外の支出が35万円/年*とすると、108-35=73万円を住宅ローン返済に充てられる
  • つまり、負担を増やさずに返済できるのは、約6.1万円/月となる

*住宅ローン関連費:固定資産税10万円+火災・地震保険料1万円+管理費・修繕積立代24万円と想定

年収400万なら3,935万円まで借りられるが、おすすめしない

冒頭でも触れたように、年収400万円で組める住宅ローンの上限は、3,935万円です。

※全期間固定金利、金利1.3%、返済期間35年、元利均等方式で借り入れを行った場合
※住宅金融支援機構のシミュレーションを使って試算

金融機関によって異なりますが、住宅ローンを借りられる上限の目安は返済負担率が35%以内かどうかで、これをもとに計算すると3,935万円が上限となるのです。

POINT

前年の年収に対する年間返済額の割合のことを「返済負担率」や「返済比率」と言います。

ただし、これはあくまで借り入れ可能な額であって、ギリギリまで借り入れるのはおすすめできません

「借りれ限度額=返済できる額」ではない

年収400万円なら最大3,935万円の住宅ローンを組めますが、限度額まで住宅ローンを借りるのはとても危険です。

なぜなら、ギリギリまで借り入れてしまうと、手取りの手取り収入の半分近くを住宅ローン返済に充てなければならなくなってしまうからです。

年収400万円で3,935万円のローンを組むと……

  • 毎月の返済額は約11.7万円
  • 手取り(月額約26万円)に占める割合は44.9%

もちろん、これまでお伝えしたように、住宅を購入すると上記の返済に加えて固定資産税などの支出が増加します。

住宅ローンの返済は、長期間にわたって続くもの。返済負担の大きすぎる住宅ローンを組んでしまうと、最悪の場合「住宅ローン破綻」に陥りかねません

無理にギリギリの借り入れをするのではなく、安心して返済できる借入額を選ぶことをおすすめします。

【注意】他に借り入れがあると、住宅ローンの借り入れ上限が下がる

もし、住宅ローン以外にも借り入れがある場合には、それもすべて返済負担率の計算に含まれます

借り入れの例としては、以下のようなものが代表的です。

  • 自動車ローン
  • 奨学金
  • スマホの分割購入代金
  • クレジットカードのリボ払い

上記のような借り入れがある場合、その分、借りられる住宅ローンの額は少なくなります。

また、返済負担率が高い場合、住宅ローンの審査に影響が出てしまう場合もあるので、審査の前にできるだけ他の借り入れを完済しておくことをおすすめします。

住宅ローンの借入額を決める4つのポイント

ここまで、住宅ローンの理想的な借入額は2,200万円以内、借り入れ可能な限度額は3,935万円であるとお伝えしました。
しかし、これはあくまで「目安」であり、実際に住宅ローンを借りる金利や返済期間、借りる人のライフプランなどによって住宅ローンの適正な借入額は異なります
この章では、自分がどの程度の額の住宅ローンを組めばいいのかを考える際にポイントとなる、以下の4つについて解説します。
しっかりチェックして、自分にとって無理のない住宅ローン借入額がいくらなのか、シミュレーションしてみてくださいね。

【金利タイプ】金利変動のリスクを考慮しよう

住宅ローンの金利タイプは、主に「変動金利」「固定期間選択型金利」「全期間固定金利」の3つに分けられます。
それぞれの特徴と、借入額を考える際の注意点は以下の通りです。
金利タイプ 特徴 注意点
変動金利 ・現時点では最も金利が低い
・今後、金利が上昇するリスクがある
金利が上昇しても返済ができるように、返済額を抑えたり余裕をもって貯蓄をしたりする必要がある
固定期間選択型金利 ・一定期間金利を固定できる
固定期間終了後は金利が上昇する可能性がある
固定期間終了後の返済負担率を考慮して借入額を決める必要がある
全期間固定金利 ・借入の全期間、金利を固定できる
金利が高い傾向がある
他の金利タイプと比較して金利が高いので、同じ借入額でも返済負担率が高くなる
この注意点をふまえて借入額を考えると、理想的な借入額はそれぞれ以下のようになります。

変動金利:借入額は1,900万円以内がおすすめ

年収400万円で、変動金利の住宅ローンを組む場合、借入金額は1,900万円以下に抑えるのが理想です
*金利年0.525%/返済期間35年/元利均等返済の場合

変動金利は他の金利タイプと比較して低い金利で住宅ローンを組むことができますが、将来的に金利が上がってしまうリスクがあります。

そのため、金利が上昇しても返済負担率が25%を超えないように住宅ローンを組むことが大切です。

借入から10年後に金利が2%上昇したと仮定した場合、返済負担率がどのように変化するのか見てみましょう。

月々の返済額 手取りに占める割合
1,900万円 【1~10年目】49,531円 約19.0%
【11年目以降】62,635円 約24.0%
2,000万円 【1~10年目】52,138円 約20.0%
【11年目以降】65,931円 約25.3%

※10年後時点以外に金利変動がなかった場合として算出。
※手取り金額38.3万円 / 返済期間35年 / 借り入れ当初の金利年0.525% / 元利均等返済の場合。
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

金利上昇を考慮した場合、借入時には手取りに占める返済の割合が低くても、将来的に返済負担が大きくなってしまう可能性があることがわかります。

将来的にどのように金利が変動するのかはわかりませんが、変動金利で住宅ローンを組む場合には「金利が上昇した場合でも余裕をもって返済ができるか」を意識して検討してくださいね。

固定期間選択型金利(10年固定):1,800万円以内がおすすめ

固定期間選択タイプは、借り入れ当初の固定期間だけ金利が固定されますが、固定期間終了後に金利が上昇してしまうリスクがあります。

固定期間選択型の注意点

  1. 当初固定期間が終わるタイミングで金利が上昇していると、住宅ローンの返済額が大きく跳ね上がってしまう可能性がある
  2. 1の際に変動金利の125%ルールが適用されない
  3. 多くの金融機関では固定期間終了後は金利の優遇幅が小さくなるため、金利上昇がなかった場合でも返済額が増える

そのため、固定期間終了後の返済負担率を考慮して返済額を決める必要があります。

10年固定で住宅ローンを組んだ場合、返済負担率がどのように変化するのか見てみましょう。

月々の返済額 手取りに占める割合
1,800万円 【1~10年目】47,525円 約18.2%
【11年目以降】62,941円 約24.2%
1,900万円 【1~10年目】50,165円 約19.2%
【11年目以降】66,438円 約25.5%

※10年後時点以外に金利変動がなかった場合として算出。
※借り入れ当初の金利年0.60% / 金利上昇がなかった場合の11年目以降の金利年1.025%
※手取り金額43万6,798円 / 返済期間35年 / 元利均等返済の場合。
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

今回の試算の場合、1,900万円の住宅ローンでも、11年目以降に負担率が25%を超えてしまうことがわかります。

固定期間選択型で借りる場合、「固定期間終了後の金利優遇幅」と「金利上昇による影響」をふまえて、返済可能な借入額をチェックするようにしてください。

全期間固定金利:2,200万円以内がおすすめ

年収400万円で全期間固定金利の住宅ローンを借り入れる場合、借入額は2,200万円以内に抑えるのが理想です。

全期間固定金利の場合、金利変動のリスクを考慮する必要がないため、借入時点で手取り収入の25%に収まっていれば問題ありません。

そのため、冒頭で紹介した2,200万円まで住宅ローンを借り入れても、今後返済額が上がってしまう心配はないのです。

ただし、期間固定金利はほかの金利タイプと比べて借入時の金利が高いため、借入時の月々の返済額や、将来的に金利が上昇しなかった場合の総返済額は高くなってしまいます

金利が上昇しなかった場合、総返済額に数百万円近くの差が出てしまうこともあるため、事前にシミュレーションをしたうえで自分に合った金利タイプを検討してくださいね。

【借入期間】期間が長いほど、返済負担率は下がる

住宅ローンの月々の返済額は、借入期間の長さによっても異なります。

借入期間を考えるうえで、ポイントとなるのが以下の2点です。

同じ金額の住宅ローンを組んでも……

  • 借入期間が長いほど、月々の返済額は減る
  • 借入期間が長いほど、総返済額は増える

同じ金額の住宅ローンでも、返済期間が長ければ、ひと月当たりの返済負担は少なくなります

一方で、借入期間が長くなればその分金利を払う期間が長くなるため、総返済額は増えてしまいます

例として、2,000万円の住宅ローンを借りた場合で比較してみましょう。

返済期間 月々の返済額・手取りに占める割合 総返済額
20年 94,680円(36.4%) 約2,272万円
30年 67,121円(25.8%) 約2,416万円
35年 59,296円(22.8%) 約2,490万円

※全期間固定金利、金利1.3%、返済期間35年、元利均等方式で借り入れを行った場合

返済期間が短いほど総返済額は少ないものの、月々の返済負担が増えてしまうことがわかりますね。

借入額を検討する際には、自分の希望する借入期間であればどの程度の返済額になるのか、しっかりシミュレーションして検討しましょう。

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【配偶者の収入】一定期間収入が無くなっても、返済できる借入額に

共働き世帯は収入の柱が2つあるため心強いのですが、一方で、妻の育児期間中などには収入が減ってしまう可能性があります。

そのため、配偶者の収入ありきで住宅ローンの借入額を決めてしまうのは危険です。

もし、二人の収入を合算して住宅ローンの返済を考えているのであれば、一定期間収入がなくなった場合にも問題なく返済できる借入額を選ぶか、余裕をもって貯蓄をしておくようにしましょう。

また、次の章で解説するように、あらかじめライフプランを考え、返済のイメージを持っておくと安心ですよ。

関連記事住宅ローンを夫婦で借り入れる方法を徹底解説!メリット・デメリットも紹介

【ライフプラン】今後、どれだけお金が必要になるかを考える

住宅ローンは、長期間にわたって返済が続いていきます。

現時点では問題ないと思われる返済額であっても、今後の家族のライフプランによっては返済が厳しくなってしまうかもしれません。

そうならないためにも、長期的な視点でライフプランを考え、予期せぬ出費をできるだけ少なくすることが大切です。

例えば以下のような点から、今後どのタイミングでどの程度の費用がかかりそうか、あらかじめチェックしておくようにしましょう。

  • 子どもは何人授かる予定なのか
  • 子どもの学費はどのタイミングでいくら必要になりそうか
  • 旅行に行く頻度はどの程度か
  • 自動車の購入予定は何年後か

この記事では、理想的な住宅ローンの返済額について解説していますが、あくまでこれは一般的な例となります。

ライフプランによっては、住宅ローンにかけられる費用が多い人もいれば、少ない人もいるのです

自分たちのライフプランをしっかりイメージし、無理のない返済額がいくらになるのかをかならず確認してくださいね。

年収400万円だと、高所得者ほど住宅ローン控除の恩恵を受けられない

住宅ローン控除は、毎年年末のローン残高×1%相当額の所得税が還付される減税の制度です。

「ローン残高×1%相当額」とは、3,000万円の住宅ローンに対し、30万円まで所得税が返ってくるということですね。

ただし、世帯年収400万円で3,000万円の住宅ローンを組んでも、30万円がかえってくるわけではありません

年収400万円で受けられる住宅ローン控除

  • 住宅ローン控除で返ってくるのはあくまで「自身が納めた所得税分」だけ
  • 世帯年収400万円であれば、8万円~10万円程度になることが多い

同じ住宅ローン3,000万円でも、世帯年収400万円の方と世帯年収500万円の方では、納めている所得税額に違いがあるため、返ってくる還付額も違います。

高所得世帯と比べると税金軽減効果はそれほどないので、住宅ローン控除をあてにして借入金額を増やすのは避けましょう。

関連記事家を買ったら住宅ローン控除(減税)の申請をしよう!条件や申請方法を解説

まとめ

年収400万円の人の場合、金融機関によっては約3,935万円まで住宅ローンを借りることが可能です。
ただし、この上限ギリギリまで住宅ローンを借りてしまうと、手取り収入の半分近くを住宅ローン返済に充てなければならなくなってしまうため、返済がかなり苦しくなってしまう可能性が高くなります。
どのような金利タイプで借りるのかにもよって異なりますが、年収400万円の場合、理想的な借入金額の目安は以下のようになります。

【金利タイプ別】理想的な借入額

なお、上記の借入額はあくまで目安であり、安心して返済ができる金額は場合によって異なります。

以下のようなポイントを意識しながら、自分がどの程度の借入額であれば返済できるかをシミュレーションしてみてくださいね。

借入額を考える際のポイント

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