• 2021.09.17

20年固定で借りる前に読むべき!10社の住宅ローンを比較して分かった損をしない選び方

監修者: 中野良唯 (ジョインコントラスト株式会社)
20年固定タイプのおすすめ住宅ローン

20年固定金利の住宅ローンは、全期間固定金利より低金利の金利タイプであることと、当初20年間は金利が変わらない安心感が大きな特徴です。

20年固定金利のポイント

  • おすすめはauじぶん銀行」「新生銀行」「ソニー銀行の住宅ローン
  • 20年固定の住宅ローンを選ぶときのポイントは、①借入時の金利 ②21年目以降の金利優遇幅 ③付帯サービスの3つ
  • 20年固定の住宅ローンがおすすめな人は、①20年以内など早めの完済を計画している人 ②20年後に金利が上がっても無理なく返済できる人

しかし、20年固定金利は金融機関による違いが大きく、当初20年の金利だけで選んでしまうと損をする可能性も否めません

選んだ住宅ローンによっては、固定期間終了後に大きく金利が上がり、返済が苦しくなってしまう可能性も。

そこで本記事では、当初金利・21年目以降の金利優遇幅・事務手数料から、20年固定金利で借りるべきかの判断ポイントまで徹底的に比較した上で、20年固定金利のおすすめ住宅ローンを解説していきます。

執筆・監修している専門家

監修者

中野良唯

ジョインコントラスト株式会社

保有資格・検定

AFP、宅地建物取引士

大手ハウスメーカーでの営業所長を経て、生命保険会社へFPとして転職。 その後、独立系FPとしてコンサルティングの幅を広げるためジョインコントラスト株式会社へ移籍。 現在は「家計教師.com」に所属するFPとして、家計の個別コンサルティングや各種セミナー、企業や学校などで講演会なども行なっています。

執筆者

中澤悠生

ナビナビ住宅ローン編集部

保有資格・検定

3級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、住宅ローンアドバイザー、

住宅ローンアドバイザー、3級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士。「家を買いたいけど、ローンをどう選べば良いかわからない」「不動産屋さんに勧められるままにローンを契約したけど後悔している」などの悩みを持っている方が多くいらっしゃいます。このような悩みを解決するべく、当サイトではどこよりも分かりやすい住宅ローン情報を届けることをモットーに執筆・編集をしています。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

この記事の目次

20年固定金利の住宅ローンを徹底比較!人気銀行を3段階でランキング

20年固定の住宅ローン選びで後悔しないためには、以下の3つの点で住宅ローンを比較する必要があります。

  • 借入時の金利
  • 21年目以降の金利優遇幅
  • 付帯サービス

とくに見落としやすいポイントとして、金融機関によっては固定期間終了後に返済額が大きく上がってしまうことがあるので注意しましょう。

上記のポイントをふまえ、人気10社の20年固定金利住宅ローンを徹底的に比較し、それぞれA~Cの3段階で評価していきます。

住宅ローン商品の評価基準について

以下の内容を基準に評価しています

借入時の金利

1.2%以上…★3
1%以上1.2%未満…★4
1%未満…★5

21年目以降の金利優遇幅 

1%未満…★4
1%以上…★5

諸費用

事務手数料2.2%(税込)…★4
事務手数料が10万円以下…★5

団信

一般団信のみ…★3
一般団信のほかに1つ保障が付帯…★4
一般団信のほかに3つ以上保障が付帯…★5
金融機関 適用金利 事務手数料
(税込)
保証料 無料団信
当初20年 期間終了後*
A評価auじぶん銀行
0.765%

2021年09月適用金利

当初期間引下げプラン

au金利優遇割の場合

審査結果によっては異なる金利となることがあります。

▲0.8%

2021年9月時点

固定期間終了後に変動金利を選択した場合

借入金額×2.20% 無料
※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。
・がん50%保障団信
・全疾病保障
・月次返済保障
A評価新生銀行
0.800%

2021年09月適用金利

自己資金10%以上

▲0.9%

固定期間終了後に変動金利(半年型)タイプを選択した場合

・変動フォーカス:
借入金額×2.20%
・その他:5.5万円~
無料 一般団信
A評価ソニー銀行
1.070%

2021年09月適用金利

固定セレクト

新規購入で自己資金10%以上

▲0.6% ・固定金利:4.4万円
・変動金利:
借入金額×2.20%
無料 がん50%団信
B評価三菱UFJ銀行
1.000%

2021年09月適用金利

▲1.7% 借入金額×2.20% 支払い方法により変動 一般団信
B評価三井住友信託銀行
0.870%

2021年09月適用金利

▲1.45% 借入金額×2.20% 3.3万円(税込) 一般団信
C評価住信SBIネット銀行
※当初引下げプラン
1.110%

2021年09月適用金利

▲0.7% 借入金額×2.20% 無料 全疾病保障付き団信
C評価SBIマネープラザ
1.130%

2021年09月適用金利

▲0.7% 借入金額×2.20% 無料 全疾病保障付き団信
イオン銀行 固定20年金利の取り扱いなし
楽天銀行 固定20年金利の取り扱いなし
三井住友銀行 固定20年金利の取り扱いなし

※▲:基準金利から引き下げる優遇金利幅
※固定期間終了後に変動金利タイプを選択した場合の優遇幅を記載
※期間終了後の優遇幅は、最大引下げ幅を記載
※一般団信とは、ローン契約者が死亡もしくは高度障害状態になったときに残った住宅ローンが完済される団信保障

[A評価]新生銀行住宅ローン 当初固定金利タイプ20年

新生銀行住宅ローンの特徴解説

[A評価]新生銀行
評価項目 編集部の評価
総合評価 4.3★★★★☆
借入時の金利 5.0★★★★★
21年目以降の金利優遇幅 4.0★★★★☆
諸費用 5.0★★★★★
団信 3.0★★★☆☆
当初20年固定金利
新規 借り換え
0.800%

2021年09月適用金利

自己資金10%以上

0.850%

2021年09月適用金利

新生銀行住宅ローンは金利と事務手数料の両方が低く、トータルコストを抑えやすい商品です。

特に事務手数料は「55,000円(税込)~」となっていて、一般的なネット銀行の「借入金額×2.2%(税込)」と比べると数十万円以上もの差が生まれます

ただし、付帯する保障は「所定の要介護状態が180日以上継続した場合」もしくは「要介護3以上に認定された場合」でないと受けられないため、保障を受けられる条件がやや厳しめな点には注意しましょう

20年固定金利を検討していて、とにかくコストを抑えたい方におすすめの住宅ローンです。

新生銀行の公式サイトへ

[A評価]auじぶん銀行住宅ローン 当初期間引下げプラン20年

auじぶん銀行住宅ローンの特徴解説

[A評価]auじぶん銀行
評価項目 編集部の評価
総合評価 4.5★★★★★
借入時の金利 5.0★★★★★
21年目以降の金利優遇幅 4.0★★★★☆
諸費用 4.0★★★★☆
団信 5.0★★★★★
当初20年固定金利
新規 借り換え
0.765%

2021年09月適用金利

当初期間引下げプラン

au金利優遇割の場合

審査結果によっては異なる金利となることがあります。

0.765%

2021年09月適用金利

当初期間引下げプラン

au金利優遇割の場合

審査結果によっては異なる金利となることがあります。

auじぶん銀行では当初20年間の金利が業界トップクラスに低く、無料で付帯する団体信用生命保険(団信)が充実している住宅ローンを取り扱っています。

auじぶん銀行住宅ローンの団信保障

  • 「がん50%保障団信」
    がんと診断されると住宅ローン残高が50%になる
  • 「全疾病保障」
    すべてのケガ・病気*で180日以上継続して入院すると住宅ローン残高が0円になる
  • 「月次返済保障」
    すべてのケガ・病気*で連続して31日以上入院し、以降に入院が継続して30日に達するごとに毎月返済額が保障される

*精神障害を除く

上記の充実した保障を保険料0円で付帯できる金融機関は少なく、auじぶん銀行の強みとなっています

働けなくなった時のことも考えた上で住宅ローンを選んでおくと、もしもの場合でも家族への負担を抑えやすいでしょう。

21年目以降の金利優遇幅は少ないため、早めに住宅ローンを完済させようと考えている人に向いています。

auユーザー以外も申込みできる!

auじぶん銀行の公式サイトへ

[A評価]ソニー銀行 固定セレクト住宅ローン20年

ソニー銀行住宅ローンの特徴

[A評価]ソニー銀行
評価項目 編集部の評価
総合評価 4.3★★★★☆
借入時の金利 4.0★★★★☆
21年目以降の金利優遇幅 4.0★★★★☆
諸費用 5.0★★★★★
団信 4.0★★★★☆
当初20年固定金利
新規 借り換え
1.070%

2021年09月適用金利

固定セレクト

新規購入で自己資金10%以上

1.120%

2021年09月適用金利

固定セレクト

借り換え/新規購入で自己資金10%未満

ソニー銀行住宅ローンは、がん50%団信を0円で付帯できることが魅力です。

がん50%団信では、がんと診断されると住宅ローン残高の50%が保障されるため、「金利を上乗せしたくないけど、がんへの保障だけでも備えておきたい……」という方におすすめです。

また「ワイド団信」の上乗せ金利が低めに設定されているため、高血圧症や糖尿病など持病がある方が利用する場合でも負担を抑えることが出来ます*。
*健康状態によっては審査に通過できないこともあります。

ソニー銀行の公式サイトへ

[B評価]三菱UFJ銀行 プレミアム住宅ローン20年

三菱UFJ銀行住宅ローンの特徴解説

[B評価]三菱UFJ銀行
評価項目 編集部の評価
総合評価 4.0★★★★☆
借入時の金利 4.0★★★★☆
21年目以降の金利優遇幅 5.0★★★★★
諸費用 4.0★★★★☆
団信 3.0★★★☆☆
当初20年固定金利
新規 借り換え
1.000%

2021年09月適用金利

1.000%

2021年09月適用金利

三菱UFJ銀行プレミアム住宅ローンは、固定期間終了後の金利優遇幅が大きい商品です

ネット銀行では21年目以降の金利優遇幅は「年▲0.8%前後」がほとんどですが、三菱UFJ銀行は「最大年▲1.7%」となっています。*2021年9月時点

「ゆっくり返済していきたいから、固定期間終了後に返済額が増えてしまうのは困る……」と感じている方は、三菱UFJ銀行のように固定期間終了後の金利優遇幅が大きい住宅ローンが向いているでしょう。

ただし当初20年間の金利はやや高めの水準なので、必ず返済額のシミュレーションをしておいてくださいね。

三菱UFJ銀行の公式サイトへ

[B評価]三井住友信託銀行 固定プラン20年

三井住友信託銀行住宅ローンの特徴解説

[B評価]三井住友信託銀行
評価項目 編集部の評価
総合評価 4.0★★★★☆
借入時の金利 4.0★★★★☆
21年目以降の金利優遇幅 5.0★★★★★
諸費用 4.0★★★★☆
団信 3.0★★★☆☆
当初20年固定金利
新規 借り換え
0.870%

2021年09月適用金利

0.870%

2021年09月適用金利

三井住友信託銀行の固定プラン20年は、当初20年間の金利が低めになっていることと、窓口での対面相談ができることが特徴です

ネット銀行の住宅ローンは商品スペックは良いものの、対面相談をしづらい点がデメリットです。

対して三井住友信託銀行では対面で相談しながら、住宅ローンに関する不安を取り除いた上で申し込みができますよ。

三井住友信託銀行の公式サイトへ

[C評価]住信SBIネット銀行 当初引き下げプラン20年

[C評価]住信SBIネット銀行
評価項目 編集部の評価
総合評価 3.8★★★★☆
借入時の金利 3.0★★★☆☆
21年目以降の金利優遇幅 4.0★★★★☆
諸費用 4.0★★★★☆
団信 4.0★★★★☆
当初20年固定金利
新規 借り換え
1.110%

2021年09月適用金利

1.110%

2021年09月適用金利

住信SBIネット銀行の住宅ローンは、20年固定金利はやや高めです

全疾病保障が0円で付帯するなど金利以外の魅力も多い住宅ローンですが、20年固定金利で借りる場合は他の銀行のほうが有力でしょう。

住信SBIネット銀行の公式サイトへ

[C評価]SBIマネープラザ 当初引き下げプラン20年

SBIマネープラザの住宅ローンの特徴

[C評価]SBIマネープラザ
評価項目 編集部の評価
総合評価 3.8★★★★☆
借入時の金利 3.0★★★☆☆
21年目以降の金利優遇幅 4.0★★★★☆
諸費用 4.0★★★★☆
団信 4.0★★★★☆
当初20年固定金利
新規 借り換え
1.130%

2021年09月適用金利

1.130%

2021年09月適用金利

SBIマネープラザは、上で解説した住信SBIネット銀行の「ミスター住宅ローンREAL」を取り扱っています。

ただし、住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンとは、適用される金利が若干異なるため注意しましょう

SBIマネープラザでは店舗での対面相談ができることが強みですが、やはり20年固定金利では高めの利率となっています。

SBIマネープラザの公式サイトへ

[評価なし]20年固定金利を取り扱っていない銀行

下記の銀行は20年固定金利を取り扱っていないため、この記事では「評価なし」として記載しています。

  • イオン銀行
  • 楽天銀行
  • 三井住友銀行

20年固定金利で借りるべきか判断するポイント

20年固定金利がおすすめなのは、以下のどちらかにあてはまっている人です。

20年固定金利で借りるべきかの判断ポイント

  • 20年以内など早めの完済を計画している
  • 金利上昇後でも無理なく返済を続けられる

20年固定では固定期間終了後に金利が上がり、返済負担が増えてしまう可能性が高いです(詳細は後述)。

そのため、20年の固定期間の間に完済するか、もしくは21年目以降でも余裕を持って返済を続けられることが重要になるのです。

金利が上がった際の返済額

次の表は20年間の固定期間中の金利上昇幅によって、21年目以降の毎月返済額にどれくらいの影響が出るのかを表にしたものです

この表を見ると、金利が4%上昇した場合では、毎月返済額は約2万6000円ほど高くなることが分かりますね

※借り入れ当初20年間の金利は年0.95%、金利変動がなかった場合の21年目以降の金利は年0.65%として計算しています。

金利上昇時の21年目以降の毎月返済額
金利上昇 21年目以降の
金利
21年目以降の
毎月返済額
なし 0.65% 82,147円
+0.50% 1.15% 85,230円
(+3,083)
+1.00% 1.65% 88,385円
(+6,283)
+1.50% 2.15% 91,614円
(+9,467)
+2.00% 2.65% 94,914円
(+12,767)
+2.50% 3.15% 98,287円
(+16,140)
+3.00% 3.65% 101,731円
(+19,584)
+3.50% 4.15% 105,246円
(+23,099)
+4.00% 4.65% 108,831円
(+26,684)

※借入金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済として計算
※21年目以降の基準金利1.55%、期間終了後の引下げ幅は-0.9%として計算

つまり、毎月3万円以上の貯蓄をできる人や、20年間で毎月の収入が3万円以上増える見込みがある人であれば、金利が4%上昇したとしてもローンを返済していけるということになります。

徐々に金利が上昇していく可能性を考えた上で、無理なく返済を続けられるのかを判断基準として20年固定金利を利用してくださいね。

将来の金利が心配なら全期間固定がおすすめ

上で解説した内容を踏まえても金利上昇が不安な場合には、全期間固定金利を選ぶほうが安心です。

「もし金利が上昇したらどうしよう……」と考えながら返済を続けていくのは、精神的なストレスも大きいもの。
全期間固定金利では、完済まで金利が変わらないため、将来の金利変動への心配がなくなります

全期間固定は金利が完済まで固定

ただし金利が上がった場合でも、金利の上昇幅やタイミングによっては20年固定金利のほうがお得になるケースもあります(後述)。

金利が上がると返済額がどれくらい上がるのかを確認した上で、金利タイプを検討してみて下さいね。

20年固定金利の3つのデメリット

20年固定金利は変動と固定のメリットをバランスよく受けられる点にありますが、言い換えれば「どちらのメリットも中途半端である」という事でもあります。

ここでは20年固定金利のデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

20年固定金利のデメリット

  1. 固定期間終了後に返済負担が大きくなる可能性がある
  2. 変動金利や10年固定よりも金利が高い
  3. 固定期間終了の時期を忘れやすい

デメリット1:固定期間終了後に返済負担が大きくなる可能性がある

20年固定金利のもっとも大きなデメリットは、金利状況によっては固定期間終了後に返済負担が大きくなってしまうことです

固定期間選択型の住宅ローンでは、固定期間が終わったあとは基本的に変動金利へと移行します。

そのため借り入れから20年の間で金利が上昇していた場合は、21年目以降の返済負担が大きくなり、想定以上に家計を圧迫してしまう可能性も考えられます

さらに20年固定金利では、「変動金利の125%ルール」が適用されないことにも注意が必要です。

20年固定では125%ルールが適用されない

変動金利の住宅ローンには「金利が上昇した場合でも、直前の毎月返済額の125%までしか返済額が増加しない」というルールがあります。

しかし、20年固定を含む固定期間選択型の住宅ローンでは、この125%ルールが適用されません

そのため、借り入れから20年間の金利状況によっては、21年目以降の返済額が大幅に増加してしまう可能性があるのです。

5年125%ルール

20年固定金利で住宅ローンを借りる際は、「金利が上昇した場合でも無理なく返済を続けられるかどうか」を判断ポイントのひとつとしておきましょう

125%ルールについては、下記の記事で詳しく解説しています。

デメリット2:変動金利や10年固定よりも金利が高い

20年固定金利は、変動金利や10年固定金利と比べると利率が高めに設定されています

金利が高ければ毎月の返済額や完済までの総返済額も大きくなってしまうため、20年固定金利のデメリットのひとつです。

例えば変動金利「年0.525%」と固定20年「年0.900%」で、3,000万円の住宅ローンを返済期間35年で組んだ場合では、総返済額では200万円以上のが生まれます

  毎月の返済額 総返済額
変動金利
年0.525%
7万8,207円 3,284万6,960円
20年固定金利
年0.900%
8万3,294円 3,498万3,630円
差額 5,087円 213万6,670円

ただし、上記表はあくまでも返済中に金利変動がなかった場合の例です。

変動金利では半年に一度の金利見直しがあるため、金利状況によっては変動金利のほうが返済負担が大きくなる可能性ももちろんあります。

金利の低さと安心感はトレードオフになっているため、「金利の低さ」と「金利上昇に対する安心感」のどちらを優先したいのかを考えた上で金利タイプを選びましょう

デメリット3:固定期間終了の時期を忘れやすい

多くの金融機関では固定期間終了後の「金利優遇幅」が小さめに設定されているため、21年目以降の金利は高くなります。

21年目以降の金利の決まり方

20年後の基準金利 - 金利優遇幅 = 適用金利

そのため20年後の金利状況に合わせて住宅ローンの見直しが必要になるのですが、固定期間が20年と長期に渡るため、見直しをするタイミングを忘れてしまいやすいのです

将来の金利状況にもよりますが、見直しをしなかったことで適用金利と返済額が上がってしまう可能性も十分に考えられます。

「20年後に見直そう」と考えていると忘れてしまいやすいため、以下2つのポイントを日頃から意識しておくと良いでしょう

固定期間終了時に失敗しないためのポイント

  • 当初20年の間も金利状況をチェックする
  • 定期的に住宅ローンの見直しをする

20年固定金利の2つのメリット

デメリットを知ると「20年固定金利って微妙かも……」と感じてしまったかも知れませんが、もちろん20年固定金利にはメリットも多く存在します。

20年固定金利で借りるメリット

  1. 当初20年の金利が固定されるため安心感がある
  2. 全期間固定金利よりも利率が低い

一言で簡単に説明すると、低金利のメリット・固定金利の安心感の両方をバランスよく受けられる金利タイプと言えますね。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット1:当初20年の金利が固定されるため安心感がある

住宅ローンの借入当初から20年間は適用金利が固定されているため、市場の金利が上昇しても毎月の返済額は変わりません。

そのため具体的な返済計画が立てやすく、金利上昇のストレスがないことによる安心感も得られます

子どもの受験費用や仕送りなど、将来の支出に備えておきたい方は特にメリットを感じやすいでしょう。

20年固定_教育費などが落ち着く場合

メリット2:全期間固定金利よりも利率が低い

20年固定金利の住宅ローンは、全期間固定金利やフラット35と比べて金利が低く設定されています。

金利が低ければ毎月の返済額が少なくなり、以下の例では完済までに必要なトータルコストでは約260万円もの差が生まれています

20年固定と35年固定の総返済額の違い
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初20年間…0.90%
21年目以降…0.65%
当初20年間…8万3,294円
21年目以降…8万1,770円
3,470万9,103円
固定35年 35年間…1.30% 35年間…8万8,944円 3,735万6,564円
差額 当初20年間…5,650円
21年目以降…7,174円
264万7,461円

※金利変動がなかった場合として算出。
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。

上記はあくまでも金利変動がなかった場合の例ですが、200万円もあれば古くなってきた住宅のリフォームもできますし、家族旅行なども可能です。

繰り上げ返済を活用するなど、早い段階で完済する予定で考えている人にとって特に大きなメリットとなります

当初固定が選ばれる理由は「金利の低さ」

当サイトで当初固定金利タイプを利用している方に「全期間固定ではなく当初固定を選んだ理由」を聞いたところ、「金利の低さ」を理由とする人が65%と圧倒的でした

全期間固定金利のほうが安心感は上ですが、やはり金利の高さが気になる方は多いようです。

全期間固定ではなく当初固定金利を選んだ理由の割合グラフ

金利変動による返済負担額への影響

ここまでの説明をうけて「金利が上昇するかどうかが重要になっているな……」と感じているでしょう。

そこでここからは『借入金額3000万円・返済期間35年』で住宅ローンを借りた場合に、金利変動によってどれくらいの金額差が生まれるのかをシミュレーションをしてみましょう。

金利変動による返済負担額への影響

変動金利との比較

20年固定金利と変動金利を比べると、金利上昇による影響は以下のようにまとめられます。

※それぞれ金利上昇後に、再度金利変動がないものとして計算しています

【変動】金利上昇のタイミングが早い場合

次の表は返済開始から10年後に、金利が+1.5%された場合のシミュレーション結果です。

完済までの総返済額を見ると、10年後に金利が+1.5%された場合では20年固定金利のほうが約31万円安くなっていることが分かります

10年後に金利が1.5%上昇した場合
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初10年間…0.95%
11~20年目…0.95%
21年目以降…2.15%
当初20年間…8万3,988円
11~20年目…8万3,988円
21年目以降…9万1,614円
3,664万7,559円
変動金利 当初10年間…0.45%
11~20年目…1.95%
21年目以降…1.95%
当初10年間…7万7,214円
11~20年目…9万2,313円
21年目以降…9万2,313円
3,695万9,379円
差額 当初10年間…6,674円
11~20年目…▲8,425円
21年目以降…▲699円
▲31万1,820円

※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

【変動】金利上昇のタイミングが遅い場合

金利上昇のタイミングが遅く、20年後に1.5%上昇した場合では20年固定金利の方が高くなります
また、毎月の返済額についても完済するまで20年固定金利の方が高くなります。

20年後に金利が1.5%上昇した場合
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初20年間…0.95%
21年目以降…2.15%
当初20年間…8万3,988円
21年目以降…9万1,614円
3,664万7,559円
変動金利 当初20年間…0.45%
21年目以降…1.95%
当初20年間…7万7,214円
21年目以降…8万6,162円
3,404万491円
差額 当初20年間…6,674円
21年目以降…5,452円
260万7,068円

※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

【変動】金利が変動しなかった場合

変動金利はもともとの適用金利が低いため、金利が上昇しなかった場合は最終的な返済額では20年固定金利のほうが約250万円も高くなります

金利が変動しなかった場合
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初20年間…0.95%
21年目以降…0.65%
当初20年間…8万3,988円
21年目以降…8万2,147円
3,494万3,603円
変動金利 当初10年間…0.45%
21年目以降…0.45%
当初20年間…7万7,214円
21年目以降…7万7,214円
3,242万9,893円
差額 当初20年間…6,774円
21年目以降…4,933円
251万3,710円

※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

しかし、これからの35年間ずっと金利が変動しない可能性は、現実的に考えるとかなり低いでしょう

下記はフラット35の金利推移のグラフですが、11年前(2008年)の旧団信金利は3%を上回っていました。

フラット35の金利推移

出典:https://www.aruhi-corp.co.jp/rate/transition/

現在の金利は1%を下回っているため、この11年で2%ほど金利が動いていることが分かります

10年足らずでこの金利変動なので、35年の返済期間中に大きな金利変動が起こる可能性も十分にありえます。

全期間固定金利との比較

20年固定金利と全期間固定金利を比べると、金利上昇による影響は以下のようにまとめられます。

※それぞれ金利上昇後に、再度金利変動がないものとして計算しています

【全期間固定】金利上昇のタイミングが早かった場合

金利上昇のタイミングが遅く、10年後に1.5%上昇した場合では20年固定金利の方が約70万円安くなります

10年後に金利が1.5%上昇した場合
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初20年間…0.95%
11~20年目…0.95%
21年目以降…2.15%
当初20年間…8万3,988円
11~20年目…8万3,988円
21年目以降…9万1,614円
3,664万7,559円
全期間固定 当初20年間…1.30%
11~20年目…1.30%
21年目以降…1.30%
当初20年間…8万8,944円
11~20年目…8万8,944円
21年目以降…8万8,944円
3,735万6,564円
差額 当初10年間…▲4,956円
11~20年目…▲4,956円
21年目以降…2,670円
▲70万9,005円

※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

【全期間固定】金利上昇のタイミングが遅かった場合

金利上昇のタイミングが遅く、20年後に1.5%上昇した場合では20年固定金利の方が約70万円安くなります

20年後に金利が1.5%上昇した場合
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初20年間…0.95%
21年目以降…2.15%
当初20年間…8万3,988円
21年目以降…9万1,614円
3,664万7,559円
全期間固定 当初20年間…1.30%
21年目以降…1.30%
当初20年間…8万8,944円
21年目以降…8万8,944円
3,735万6,564円
差額 当初10年間…▲4,956円
21年目以降…2,670円
▲70万9,005円

※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

お気づきの方もいるかと思いますが、先ほどの「10年後に金利が上昇したパターン」と金額差は同じです。

20年固定金利では、10年後に金利が上昇した場合でも返済額に影響が出るのは20年後です。

そのため10年後に金利が上昇した場合でも、20年後に金利が上昇した場合でも返済負担に違いは生まれません

【全期間固定】金利が変動しなかった場合

金利が上昇しなかった場合は、20年固定金利のほうが約250万円安くなります

全期間固定金利は利率が高いため、金利上昇がない場合には負担が大きくなってしまうのです。

金利が変動しなかった場合
  適用金利 毎月の返済額 総返済額
(諸費用は含めない)
固定20年 当初20年間…0.95%
21年目以降…0.65%
当初20年間…8万3,988円
21年目以降…8万2,147円
3,494万3,603円
全期間固定 当初10年間…1.30%
21年目以降…1.30%
当初20年間…8万8,944円
21年目以降…8万8,944円
3,735万6,564円
差額 当初20年間…▲6,774円
21年目以降…▲4,933円
▲251万3,710円

※固定金利20年の当初期間終了後は、基準金利より-0.9%で算出
※借り入れ金額3000万円、返済期間35年、元利均等返済の場合。
※変動金利は、基準金利より-1.1%で算出
住宅保証機構株式会社の住宅ローンシミュレーションを使用して算出。

ここまでの計算で分かるように年1.5%ほどの金利上昇であれば、いずれの場合でも20年固定金利のほうが安くなっています

年1.5%というのはあくまでも例になるので、ご自身でも金利上昇の影響を計算してみてくださいね。

20年固定金利についてよくある質問

20年の固定期間が終わった後はどうなるの?

基本的に変動金利へと移行します。

20年固定金利を含めた「固定期間選択型」の住宅ローンでは、固定期間が終わったその後は基本的に変動金利になり、以降の返済を続けていきます。
また金融機関によっては、変動金利に移行するか、固定期間選択型のまま返済をするか選べる場合もあります。

固定期間が終わった後にみんなが選んでいる金利タイプは?

変動金利を続ける人が多く、借り換えは少数派です。

当サイトで固定期間選択型の住宅ローンを利用している方にアンケートを実施したところ、「変動金利として返済をする」と回答した人は35%、「わからない」と回答した人は29%、「固定金利として返済する」と回答した人は27%となっていました。

 

まとめ

20年固定金利は、低金利と安心感のバランスの良い住宅ローンです。

20年固定金利で借りようか迷っている方は、以下2つのポイントから判断しましょう。

20年固定金利で借りるべきかの判断ポイント

  1. 20年以内など早めの完済を計画している
  2. 金利上昇後でも無理なく返済を続けられる

また、20年固定金利でお得な住宅ローンを見つけたい場合は、

  • 当初20年間の金利の低さ
  • 21年目以降の金利優遇幅の大きさ
  • 事務手数料の金額

という3つの費用を確認した上で比較していくことで、完済までのトータルコストが安い住宅ローンを見つけられますよ。

ただし将来の金利を予測するのは非常に難しいため、「金利が上昇した場合でも問題なく返済を続けられるのか」というポイントを忘れずに検討してみてくださいね。

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