住宅ローンの本審査・事前審査を複数の銀行に申し込むべき4つの理由
監修者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)
- 住宅ローンの審査は複数申し込んでも問題ない
- 3社~4社への申し込みが目安
- 購入自体をキャンセルすると手付金が返却されないことも
「第1希望の住宅ローンに落ちた場合に備えておきたい」
「複数の銀行から一番お得な住宅ローンに申し込みたい」
このような理由から、「複数の金融機関に住宅ローンの審査を申し込んでも良いの?」とお悩みですね。
結論からお伝えすると、住宅ローン審査は複数申し込んでも全く問題ありません。
実際に既に住宅ローンを組んでいる323名にアンケート調査をしたところ、18%以上の方が2社以上に住宅ローン審査を申し込んでいます。
約4人に1人が、2社以上に審査を申し込んでいることがわかりますね。
とはいえさすがに何十社も申し込んでしまうと、金融機関の担当者から警戒され、審査に通りづらくなる可能性もないとは言えません。
住宅ローンの複数申し込みをする場合は、3社~4社にしておきましょう。
当ページでは、以下の内容について分かりやすく解説していきます。
この記事で解説していること
解説している内容を踏まえて、住宅ローンの複数審査を上手に活用してくださいね。
この記事を執筆・監修している専門家
白坂大介
ジョインコントラスト株式会社 代表取締役
保有資格・検定
2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種
お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
【結論】住宅ローンの事前審査・本審査は複数申し込みOK
住宅ローンの審査は複数申し込んだとしても問題ありません。
事前審査でも、本審査でもどちらの場合でも複数社に申し込んで大丈夫ですし、審査通過後にキャンセルをしてもOKです。
金融機関の目線で考えてみれば本審査を通過するまではあなたに住宅ローンを貸せるのかどうかが分からないので、複数審査をNGにする理由はないのです。
もしどうしても心配なのであれば、申し込みをしようと考えている金融機関に問い合わせてみると良いでしょう。「複数申し込みしても問題ない」という返答を得られますよ。
3社~4社への複数申し込みがオススメ
複数申し込みしてもOKと伝えると、「何社までなら大丈夫なの?」という質問をよく受けます。
厳密に◯社までなら大丈夫というルールが決まっているわけではありませんが、筆者としては3社~4社をオススメしています。
3~4社をオススメする理由
- 審査には必要書類の提出など一定の手間がかかること
- 金融機関の担当者への心証
金融機関の担当者の目線で考えてみれば、他の銀行に何十社も審査中の人から申し込みがあると「この人は本当にうちの銀行で借りる気があるのかな…?」と考えるのが自然ですよね。
住宅ローンの審査では金融機関の担当者に対する心証も大切です。
そのため、住宅ローン審査の複数申し込みは3社まで、多くても4社にしておきましょう。
借り換えの場合も複数の審査に申し込んでOK
住宅ローンの借り換えを検討している場合で、複数の金融機関の審査を申し込むことをおすすめします。
「新規の申し込み時に審査に通ったんだから、借り換えの審査も大丈夫だろう」と思っていると、想定外に審査に落ちてしまうケースも少なくありません。
借り換えの審査は厳しい
新規借入時と比べると「物件の価値が下がっている」「資産状況などに変化がある」などの理由から、借り換えの審査は厳しく見られることが多くなっています。
そのため、複数の住宅ローンの審査に申し込んでおいて、審査に通った金融機関の中から条件のいい住宅ローンに借り換える方法がおすすめです。
同じ金額を借りたとしても金融機関によって返済額が異なるので、ぜひシミュレーションツールも活用してみてください。
住宅ローン審査の複数申し込みをおすすめする理由
住宅ローン審査の複数申し込みをおすすめする理由は3つあります。
複数申し込みがおすすめな理由
それぞれの理由を詳しく見てみましょう。
理由1:借り換えを早く進められる
複数の住宅ローンに審査を申し込むことで、借り換えのスケジュールが大きくずれることを防げます。
ひとつめの住宅ローンに本審査に落ちてから次の住宅ローンで審査をやり直す場合、2つ目の住宅ローンの本審査結果が分かるのは約2ヶ月先です。
審査に落ちてしまうと事前審査からやり直す必要があるため、1社しか申し込んでいない状態では借り換えのスケジュールが大きくずれてしまう可能性があるのです。
審査で2ヶ月も掛かっていてはマイホームを購入する時期も大きくずれこんでしまいますし、適用される金利も当初の想定と変わっている可能性もあります。
「借り換えを少しでも早く進めたい」「金利が変わるかも知れないと不安になる」という方は、複数の金融機関で審査を申し込んでおくと良いでしょう。
理由2:住宅ローンの審査結果には有効期限がある
住宅ローンの審査結果には、仮審査・本審査ともに有効期限があります。
まず1つの住宅ローンの審査に申し込んで、結果を待ってからほかの住宅ローンの審査にも申し込んで、それから別の金融機関の住宅ローンも調べてみる……。
といったことをしているうちに審査の有効期限が過ぎてしまい、またイチから審査をやり直すということにもなりかねません。
仮審査有効期限 | 本審査有効期限 | |
---|---|---|
auじぶん銀行 | 180日 | 180日 |
新生銀行 | 仮審査なし | 180日 |
住信SBIネット銀行 | 180日 | 180日 |
ソニー銀行 | 60日 | 60~90日 ※新築の場合は最大180日 |
イオン銀行 | 90日 | 270日 |
二度手間になることを避けるためにも、申し込みをする住宅ローンの目星をつけたら早めに事前審査に申し込んでおきましょう。
WEB申し込みに対応している金融機関なら、店舗に行かなくても自宅で手続きをできるので数分で申し込みできますよ。
理由3:事前審査までに悩む時間を短くできる
3つめの理由として、事前審査への申し込みが早くなることが挙げられます。
事前審査を申し込む段階から「どの住宅ローンに申し込もうかな……」とじっくり時間をかけて悩んでいると、それだけで何週間も過ぎてしまいます。
審査に落ちてしまえばさらに時間はかかりますし、最悪のケースでは目当ての物件を別の人に購入される可能性だってありえます。
住宅ローンを取り扱う金融機関は1,200を超えていて、事前審査の段階でひとつだけに絞り込むのは正直言って難しいです。
そのため、事前審査では3~4社に申し込んでおいて、その中から条件の良い住宅ローンで本審査を申し込みましょう。
理由4:本審査通過後にキャンセルしても問題ない
住宅ローンの審査は銀行と正式に借入の契約をしていないうちであれば、本審査が通った後であってもキャンセルは可能です。
本審査後にキャンセルをしても、いわゆるブラックリストなどと呼ばれる個人信用情報にも影響はありません。
住宅ローン契約を結ぶ前であれば金融機関にキャンセルを申し出ることができますが、心配な場合はいつまでにキャンセルできるのかを確認しておくと良いでしょう。
しかし、マイホームの売買契約ではローン特約の条件以外で契約キャンセルをすると手付金が戻ってこない等のデメリットがあります。
次の章で詳しく解説していきましょう。
【デメリット】住宅の購入自体をキャンセルする際は手付金に注意
自己都合でマイホームの購入自体をキャンセルする場合、手付金は返却されないため注意しましょう。
手付金とは
売買契約では住宅ローンの審査が通らなかった場合に売買契約自体を白紙撤回でき、手付金も全額返還してもらえる「ローン特約」という条項を付けることができます。
しかし、この特約はあくまでも本審査を通過できなかった場合にのみ適用されるもの。
「第一希望の銀行で審査に落ちたからマイホームの契約自体をやめたい」となっても、手付金は返却されないのです。
3,000万円の物件では手付金は150万円~600万円にもなるため、手付金が返ってこないなんてことはなんとしても避けたいですよね。
複数の金融機関に審査を申し込む際は、手当り次第に申し込むのは避けて、ご自身が借りても良いと思える金融機関をピックアップしましょう。
また、ローン特約によっても様々なケースがあるため、契約撤回となる条件は事前に確認しておきましょう。
複数申し込みをするなら事前審査が早い住宅ローンを
いざ複数に申し込みしようと思っても、どの金融機関にすれば良いか迷ってしまうかと思います。
そこでここでは事前審査の期間が短く、金利や保障の条件も良い金融機関を4つ紹介します。
事前審査の期間が短い住宅ローン
auじぶん銀行住宅ローン<最短当日>
『auじぶん銀行住宅ローン』の事前審査の日数は「最短当日」です。
auじぶん銀行は審査スピードを重視している金融機関で、借り入れまで「最短約2週間」という早さが魅力です。
もちろん審査の早さだけでなく、金利の低さや、団信の内容などの基本的なスペックが高いのも特徴です。
変動金利、10年固定金利、20年固定金利が低金利に設定されているため、これらの金利タイプを検討している方は、申込みの候補に挙げておいて損はないでしょう。
2021年01月適用金利 全期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始) 2021年01月適用金利 当初期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始) 2021年01月適用金利 当初期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始) 2021年01月適用金利 当初期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始)
変動金利
全期間引下げプラン 0.310% 当初10年固定
当初期間引下げプラン 0.430% 当初20年固定
当初期間引下げプラン 0.934% 当初35年固定
当初期間引下げプラン 1.313%
保証料 事務手数料 繰上げ返済
手数料 無料 借入金額×2.20%(税込) 一部無料あり※固定金利特約期間中の全額繰上返済は33,000円(税込)
審査期間 返済方法 来店 2週間程度 元利均等返済/元金均等返済 不要 固定期間 借入可能額 対応地域 2~35年 500万円~1億円 全国
住信SBIネット銀行住宅ローン<当日~3営業日>
『住信SBIネット銀行住宅ローン』の事前審査の日数は「当日~3営業日」です。
auじぶん銀行と同様に金利の低さや、無料で付帯する疾病特約などが魅力的な住宅ローン商品です。
特にフラット35(保証型)は従来のフラット35よりも金利が低く、フラット35や全期間固定金利を検討している方にとって、有力な候補となるでしょう。
2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 団信はもちろん、すべての病気・けがをカバーする全疾病保障が「保険料無料」「金利の上乗せもなし」で付帯! 働けなくなったら、月々の返済額を保障いたします。働けないまま12ヵ月経過したら、住宅ローンの残高が0円になります。 魅力的な金利と安心の保障がついた住宅ローンです! ※掲載の金利は所定の条件を満たした場合の金利です。
変動金利
ネット専用住宅ローン(通期引下げプラン) 0.410% 当初10年固定
ネット専用住宅ローン(当初引下げプラン) 0.580% 当初20年固定
ネット専用住宅ローン(当初引下げプラン) 1.140% 当初35年固定
ネット専用住宅ローン(当初引下げプラン) 1.460%
保証料 事務手数料 繰上げ返済
手数料 無料 借入金額×2.20%(税込) 無料 ※固定金利特約期間中の全額繰上返済は所定の手数料がかかります。
審査期間 返済方法 来店 最短1週間 ※時期により異なります。詳細は同社WEBサイトをご参照ください。 元利均等返済/元金均等返済 不要 固定期間 借入可能額 対応地域 2~35年 500万円~2億円 全国
ARUHI<最短即日>
『ARUHI』は銀行ではなく、住宅ローン専門の金融機関でフラット35を主に扱っています。
事前審査の日数は「最短即日」となっていて、ネット銀行と同様に審査日数が早い部類に入ります。
「ARUHIスーパーフラット」という独自のフラット35商品を扱っているので、フラット35を検討している方は、先ほど解説した住信SBIネット銀行と一緒にチェックしておきましょう。
2021年01月適用金利 自己資金30%以上 一般団信加入 2021年01月適用金利 自己資金10%以上 借入期間15年~20年の場合 機構団信加入 ARUHIは国内最大手の住宅ローン専門金融機関で、フラット35の実行件数シェアNo.1!全国140以上の店舗を展開しており、安心して相談ができます。 ※頭金が増えるほど従来のARUHIフラット35より金利が低くなるアルヒ独自の商品、スーパーフラット
フラット
ARUHI スーパーフラット 1.140% フラット
ARUHIフラット35 1.200%
保証料 事務手数料 繰上げ返済
手数料 無料 借入金額×2.20%(税込)※対象商品はweb割引で借入金額×1.10%(税込) 無料
審査期間 返済方法 来店 1週間程度 元利均等返済/元金均等返済 不要 固定期間 借入可能額 対応地域 ー 100万円~1億円 全国
まとめ
住宅ローンの審査は、事前審査・本審査問わず、複数申し込みしても問題ありません。
しかし極端に多くの銀行に審査を申し込んでいると、金融機関の担当者に良くない印象を与えてしまう可能性があるため、複数申し込みは3社~4社にしておきましょう。
また、ひとつの金融機関にしか審査に申し込んでいないと、審査に落ちた場合にマイホーム購入時期が大きくずれこんでしまうことも考えられます。
事前審査の申し込み先に迷っている間に、目当ての住宅を買われてしまった…なんてことを避けるためにも、上手に複数審査を活用してくださいね。
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