• 2021.01.15

【図解】住宅ローンの仕組みや種類をわかりやすく解説!

執筆者: 政所温也 (株式会社Choices 代表取締役)
住宅ローンの仕組みを解説

「そろそろマイホームを買いたい」と検討し始めた時、避けては通れないのが住宅ローンの利用です。

しかしながら

  • 住宅ローンは仕組みがよくわからない
  • 何からどう考えればいいかわからない

という人も多いのではないでしょうか。

確かに住宅ローンの仕組みは複雑です。

だからといって理解不足のまま借入れしてしまうと、お得なプランの見落としや返済破綻の恐れが出てきます。

人生の大半を費やすほどの大きな買い物ですから、基本的な知識を抑えておくことが大切ですよ。
 
今回は住宅ローンの仕組みや種類など、基本的な知識をわかりやすくお伝えします。

それぞれの特徴を理解し、ベストな選択のための判断力を養っていきましょう。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2020年9月現在で、1,700記事以上の執筆実績がある。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

住宅ローンとは

住宅ローンとは、マイホームの購入資金を金融機関から借りることです。

お金を借りる人は金融機関に対し、借りた金額(ローン元金)とは別に「利息」を支払う必要があります。

この元金と利息の合計額を、毎月少しずつ返済していくのが住宅ローンです。

住宅ローン返済額の仕組み

ローン元金(借入金額)+利息=返済額

利息を計算する際に使われるのが、住宅ローンの「金利」です。

金利とは

お金を借りた人が元金に対して支払う利息の割合。

金利にはいくつかのタイプがあり、また金融機関によって金利は異なります。

金利は「とにかく低くしたほうがお得」と思うかもしれませんが、一概に低金利がいいとは言えません。

なぜなら、金利が低くても諸費用が高かったり、途中で金利が上がるリスクがあったりすることがあるからです。

詳しい仕組みは次項で解説していきますので、金利だけで住宅ローンを選ばないように気をつけてくださいね。

金利の仕組み

住宅ローンには、以下3つの金利タイプがあります。

  1. 固定金利
    返済期間中、金利は変わらない
  2. 変動金利
    半年に一度、金利の見直しがある
  3. 固定金利期間選択型
    選択した期間中(借入れ当初5年など)の金利が固定される

金利タイプによって仕組みは異なります。

それぞれメリット・デメリットをふまえて解説していきましょう。

固定金利

借入れ当初から返済期間終了まで、金利の変わらない金利タイプが固定金利です。

固定金利のメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので、ご覧ください。

固定金利のメリット

  • 毎月の返済額が一定なので、返済計画の見通しを立てやすい
  • 金利変動を気にしなくていいので、精神的な不安がない

固定金利のデメリット

  • 他の金利タイプと比べると、金利は高めに設定されている

固定金利の特徴は、金利も返済額もずっと一定という「わかりやすさ」と「安心感」にあります。

また金利が高めに設定されているとはいえ、現在、過去に例を見ないほど金利が下がっています。

返済期間の長さを考えると一概に「固定金利は高い」とは言えないでしょう。

変動金利

借入れ時点の金利が、半年に一度見直される金利タイプが変動金利です。

変動金利のメリット・デメリットを以下表にまとめましたので、ご覧ください。

変動金利のメリット

  • 他の金利タイプと比べて、金利がかなり低く設定されている
  • 契約者の返済負担を抑える「5年ルール」や「125%ルール」がある(※1)

変動金利のデメリット

  • 半年に一度金利の見直しが行われる(※2)
  • 借入れ時点では総返済額がいくらになるかわからず、先の見通しを立てにくい

※1 元利均等返済方式の場合のみ
※2 見直しの結果、必ず金利が変わるわけではありません

変動金利は3つの金利タイプのうち、最も低金利に設定されています。

ただし、金利は半年に一度見直されるため変動金利の金利が約束されているのは、借入れ当初半年間だけです。

常に金利上昇の不安がつきまとう点は、変動金利のデメリットと言えるでしょう。
 
こうした金利上昇の不安に備えて、変動金利には以下2つの仕組みが用意されています。

  1. 5年ルール
    金利が上がっても、5年間返済額は変わらない(据え置きになる)
  2. 125%ルール
    返済額の上昇は、前回の返済額125%までに抑える(据え置きになる)

※元利均等返済方式にのみ適用

5年125%ルール

上記の仕組みがあるため、変動金利でも急激に返済額が上がることはありません。

ただ、これらのルールを超えて上昇した利息が、無かったことになるわけではありません。

支払い切れなかった金額の利息は、未払い利息として繰り越されることになるのです。

変動金利の低金利は非常に魅力的ですが、仕組みは少し複雑なので、よく理解したうえで利用することが大切です。

固定金利期間選択型

借入れから一定期間だけ金利が固定されるタイプが、固定金利期間選択型です。

金利が固定される期間は2年、3年、5年、10年などがあり、ご自身のライフプランにあわせて選べます。

メリット・デメリットを以下表にまとめましたので、ご覧ください。

固定金利期間選択型のメリット

  • 固定期間がはっきりしているため、「一定期間だけ支出を抑えたい」などライフプランにあわせた返済が可能 

固定金利期間選択型のデメリット

  • 固定期間終了後は金利タイプを選び直さなければならない
    (変動金利or固定金利期間選択型)
  • 契約者の返済負担を抑える「5年ルール」や「125%ルール」は適用されない

固定金利期間選択型は、変動金利と固定金利の良い部分を掛け合わせた金利タイプです。

金利の固定期間を任意で選択できるため、

「子育て期間中は返済額の負担を減らしたい」

といったライフプランにあわせて利用することができます。

ただし固定金利期間選択型には、変動金利にある「5年ルール」のような、契約者の負担を抑える仕組みがありません。

固定期間終了後に返済額が上昇しても対処できるよう、計画的に返済していくことが大切です。

返済方法の種類

住宅ローンは、元金と利息の合計額を毎月少しずつ返済していくものです。

この「元金と利息」の返済方法には、以下の2つがあります。

  1. 元利均等返済
    毎月支払う返済額が一定
  2. 元金均等返済
    返済が進むにつれて、返済額が減っていく

それぞれ何がどのように異なるのか、詳しくご説明していきますね。

元利均等返済 

元金と利息の割合は変化していきますが、返済額が一定になるのが元利均等返済です。

家計の見通しを立てやすく返済額も変わらない安心感があるため、一般的にも元利均等返済を選ぶ方が大半です。
 
ただ、後述する元金均等返済と比べると、元利均等返済のほうが住宅ローンの総返済額は高くなります。

元金均等返済

元金均等返済は、一定の元金を払っていく返済方法です。図のように元金の残高に応じて利息が変わっていくため、毎月の返済額は少しずつ減っていきます。

元金の減りが早いため、元利均等返済よりも住宅ローンの総返済額は少なくなるというメリットがあります。

ただし、住宅ローンの組み方によっては数万円しか変わらないこともあります。

コスト面で元金均等返済を選ぶ際は、以下のデメリットを理解したうえで検討してくださいね。

元金均等返済のデメリット

  • 借り入れ当初の負担が大きくなる
  • 5年ルールや125%ルールなど、返済額の負担を抑える仕組みがない

元金均等返済方法にはこれらのデメリットもあります。

メリットである「総返済額の差額」がどれくらいなのかを確認し、デメリットとバランスを取りながら検討していくことが大切ですよ。

住宅ローンの種類

住宅ローンは販売機関の属性によって、以下3つの種類に分けることができます。

  1. 公的融資
    公的機関が提供している
  2. 民間融資
    民間の金融機関が提供している
  3. フラット35
    民間の金融機関と公的機関が共同で提供している

販売元が異なると商品の仕組みも違ってきます。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

公的融資

国や自治体など公的機関が提供している住宅ローンを、公的融資と呼びます。

公的融資の種類は、大きく分けて以下の2つです。

  1. 財形住宅融資
    勤務先の財形貯蓄制度で積み立てている人のみ利用できる融資制度
  2. 自治体融資
    各自治体が独自に行う融資制度

それぞれ簡単にご説明していきますね。

財形住宅融資

勤務先の財形貯蓄制度を通じて借り入れできる公的融資が、財形住宅融資です。

主な利用条件は、以下のとおりです。

  • 勤務先に財形貯蓄制度がある会社員または公務員である
    (自営業者は利用不可)
  • 財形貯蓄制度を1年以上継続している
  • 申込日時点で財形貯蓄残高が50万円以上ある

出典:「財形住宅融資」(住宅金融支援機構)

一定の利用条件を満たせば、低金利で住宅融資を受けられるのが特徴です。

ただし最近では、民間の金融機関も軒並み金利を引き下げているため、財形住宅融資の金利が特別低いとは言えない状況になっています。

また金利は5年ごとに見直しがあり、勤務先を通じての利用となるため安易に転職しにくいというデメリットもあります。

自治体融資

自治体融資各地方自治体で独自に用意されている住宅ローンで、特定の民間金融機関と提携し、低金利の融資を提供する形が一般的です。

例えば東京都荒川区では、「街づくりの協力者」を対象に、ろうきん(労働金庫)と提携した低金利の住宅融資事業を行っています。

ただし、制度の有無や内容、利用要件は各自治体により異なります。

利用時には条件をよく確認し、民間金融機関の条件と比較しつつ検討しましょう。

出典:「自治体提携制度(住宅)」(中央労金ホームページ)
 荒川区
 東京都

民間融資

ネット銀行、地方銀行、メガバンクといった多くの金融機関が提供する民間融資は、利用者にとって一番馴染みのある住宅ローンといえるでしょう。

民間融資のうち、不動産会社やハウスメーカーと金融機関が提携して提供する商品を「提携ローン」それ以外を「非提携ローン」と言います。

それぞれの詳細は下記のとおりです。

提携ローンと非提携ローンの概要

  1. 提携ローン
    公式ホームページ上で案内されていない独自のプラン。
    不動産会社などが金融機関との間に入って手続きをしてくれるため審査に通りやすく、利便性は高い

  2. 非提携ローン
    一般販売されており、ホームページ上でも詳細を確認できる。
    提携ローンのように第三者が間に入ってくれることはないので、利用者自身で選ばなければならない。
    選択肢が多いので、より良い条件の住宅ローンを見つけられる可能性もある

提携ローンは利用しやすいのがメリットですが、提携しているからといって金利や諸費用が一番低いわけではありません。

非提携ローンの中からご自身にとって好条件の住宅ローンを選ぶことも可能ですよ。

ただし、提携ローンのように不動産会社が仲立ちしてくれるわけではないので、利用時はよく比較検討するようにしましょう。

フラット35

民間金融機関と住宅金融支援機構が提携し提供する、ハイブリッド型の住宅ローンをフラット35と言います。

フラット35の特徴は、以下の5つです。

  1. 質の高い住宅への融資を目的としているため、独自の物件検査に通る必要がある
  2. 契約者の年収や職業基準が優しく、自営業、非正規雇用者でも利用しやすい
  3. 全期間固定金利なので、返済期間中は金利が一定
  4. 「買取型」と「保証型」があり、それぞれ仕組みは異なる
  5. 買取型の場合、団体信用生命保険(団信)の加入が任意

一般的なフラット35は、民間金融機関が販売し、住宅金融支援機構が債権者になる「買取型」の仕組みを採用しています。

買取型の場合、基本的な商品性はどの金融機関で申し込んでも同じです。

一方、少数の金融機関でしか取扱いのない「保証型」では、債権者が民間金融機関になります。

商品内容に関しても金融機関によって大きく異なるので、利用する際は利用条件や金利等をしっかり確認しておくことが大切ですよ。

お得に住宅ローンを組むために

住宅ローンのお得度は、金利面だけでは測れません。

なぜなら住宅ローンには金利以外にも様々な要素が絡んでくるからです。

特に注意すべきポイントは、以下の3つです。

  1. 融資手数料などの諸費用
  2. 住宅ローンに付随して検討すべき保険
  3. 住宅ローン控除などのお得な制度

それぞれ住宅ローンを組む上で欠かせないポイントです。

わかりやすく解説していきましょう。

融資手数料など借入機関によって異なる諸費用

住宅ローンを借りる金融機関によって、融資手数料や保証料などの諸費用の金額は異なります。

主な諸費用は以下のとおりです。

住宅ローンの主な諸費用と相場
比較項目 地方銀行
都市銀行
フラット35
ネット銀行
融資手数料
(事務手数料)
3万円+消費税 借入金額×2%+消費税
保証料 借入金額によって変動する
(フラット35のみ)
物件検査手数料
検査機関や物件によって変動するが
3万円~10万円程度

諸費用の中で最も大きな割合を占めているのは、融資手数料と保証料です。

したがっていくら金利が低くてもいずれかの諸費用が高額に設定されている場合、総返済額が割高になる可能性もあります。

毎月の返済額と諸費用も含めた総返済額を比較したうえで、本当にお得な住宅ローンかどうかを判断しましょう。

住宅ローンを組むにあたって検討すべき保険

住宅ローンを組む際は、以下の保険を検討しなければなりません。

  1. 団体信用生命保険(団信)
    契約者に万一のことが起きたとき、その時点の住宅ローン残高が保険金で保障される制度。
    民間金融機関では、原則として加入が義務付けられている。
    フラット35(買取型)の場合は任意加入となる
  2. 火災保険、地震保険
    火災や地震など、住宅が自然災害にあったときに備えて加入する保険(※地震保険は単独での加入はできず、火災保険にセットで加入する)。
    火災保険は、原則として住宅ローンとセットでの加入が必要

    団信の加入先によって保障内容は異なります。

    また保障の内容は近年多様化していますので、しっかり確認しておかなければなりません。

    家族とよく話しあって必要な保障に優先順位を付け、保険料を比較しつつ検討してください。

    住宅ローン控除などの制度を利用しよう

    住宅ローンを組むと、契約者によっては住宅ローン控除やすまい給付金といったお得な制度を利用できます。

    • 住宅ローン控除
      住宅ローンの残高に応じて、契約者の所得税と住民税が10年~13年間軽減される税優遇制度。
      毎年の年末時点の住宅ローン残高を基準に計算されるため、節税効果が高い。
      住宅ローンの借入金額や税金額が高い方ほど、節税額は大きくなる。

    • すまい給付金
      住宅購入時に数十万円の給付金を受け取れる制度。
      給付金の支給は一度きりで、契約者の所得額に応じて給付金額が異なる。

    いずれも期間限定の制度であり、利用するためには一定の条件を満たさなければなりません。

    お得に住宅ローンを組むためにも、以下の記事で内容をよく確認した上で利用なさってください。

    まとめ

    住宅ローンの仕組みは複雑ですが、基本のポイントさえ理解しておけば、ご自身に合った商品を選びやすくなります。

    特に重要なポイントは以下の3点です。

    • 金利タイプ
      金利の変わり方によって、「変動金利」「固定金利」「固定金利期間選択型」の3つがある。
      将来的な金利変動によって総返済額も変化するため、現時点で何がお得になるかはわからない
    • 返済方法
      元利均等返済と元金均等返済がある。
      総返済額が少ないのは元金均等返済だが、返済額が一定で使いやすいのは元利均等返済
    • 種類
      大きく分けて「公的融資」「民間融資」「フラット35」の3種類がある。
      公的融資は使える人が限られており、広く一般的に利用しやすいのは民間融資とフラット35

    住宅ローンの選び方に明確な正解はありません。

    ご家庭のライフプランや価値観にあわせて優先順位をつけ、使いやすいものを選ぶようにしましょう。
    保険相談
    スポンサーリンク
    住宅ローン シミュレーション
    新生銀行
    おすすめ住宅ローン
    新生銀行
    満足度
    4.1
    新生銀行
    最低金利
    0.450%

    2021年01月適用金利

    変動金利

    総合人気ランキング
    1位 auじぶん銀行
    満足度
    4.7
    auじぶん銀行
    最低金利
    0.310%

    2021年01月適用金利

    変動金利

    全期間引下げプラン

    au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始)

    2位 住信SBIネット銀行
    満足度
    4.5
    住信SBIネット銀行
    最低金利
    0.380%

    2021年01月適用金利

    変動金利

    借り換え金利

    3位 新生銀行
    満足度
    4.1
    新生銀行
    最低金利
    0.450%

    2021年01月適用金利

    変動金利

    総合人気ランキングを全て見る

    おすすめの記事ランキング

    新着記事

    • 国税庁
    • 国土交通省
    • 住宅金融支援機構
    • フラット35
    たった1分 住宅ローン シミュレーション