• 2021.07.14

年収1,000万円の適正な住宅ローン借入額は4,080万円!返済できなくなる事例も紹介

監修者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)
年収1,000万円の適正な住宅ローン

「年収1,000万円なら、どれくらいの住宅ローンを組めるんだろう?」
「世帯年収1,000万円の住宅ローンで注意することはある?」

結論から言ってしまえば、年収1,000万円で無理なく返せる住宅ローンの目安は4,080万円です

もしかすると想像よりも少なく感じた方もいる知れませんが、住宅ローン以外の関連費用を加味すると上記の金額が目安となります。

この記事では4,080万円を推奨する理由と借入金額を決めるときのポイントに触れたうえで、住宅ローンを借りてから返済で苦労しやすい事例についても紹介していきます

1,000万円の年収に見合った借入金額を知りたい方は、参考になさってくださいね。 

この記事を執筆・監修している専門家

監修者

白坂大介

ジョインコントラスト株式会社 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種

お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。

執筆者

政所温也

株式会社Choices 代表取締役

保有資格・検定

2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、損害保険募集人、損保自動車専門試験合格

2010年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立し活動中。過去に大手金融ニュースメディアや損保公式サイトでも執筆活動を行った実績があり、「読みやすく理解しやすいライティング」を得意としている。2020年9月現在で、1,700記事以上の執筆実績がある。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

年収1,000万円の人は住宅ローンを4,080万円程度に抑えよう

年収1,000万の方が住宅ローンを組む場合、借入金額は4,080万円までに抑えることをおすすめします

一般的に余裕をもって返済できる住宅ローンは、年間の返済額が手取り収入の20%以下に収まる金額と言われています。

年収1,000万円の手取り収入はおよそ730万円なので、20%をかけると年間の返済額の上限は146万円。
ボーナス払いなしの場合、毎月の返済額は146万円÷12ヶ月で約12.1万円となり、35年返済が可能である前提として「金利年1.3%/返済期間35年/元利均等返済」で計算すると、約4,080万円が上限となるのです

手取りから借入目安を計算する方法

  1. 年収1,000万円の手取り年収730万円(※1)×20%
    =年間の返済額146万円
  2. 146万円÷12か月
    毎月の返済額12.1万円(※2)
  3. 毎月の返済額から借入可能金額を計算
    =4,081万円=約4,080万円

※1:実際の手取り年収は個々の所得控除額によって異なります
※2:小数点第2位以下切り捨て
※3:金利年1.3%/35年返済/ボーナス払いなし/元利均等返済方式の場合

上記の計算は固定金利タイプを想定していますが、変動金利タイプなどの金利では金利上昇を考慮する必要があるため、借り入れ可能額はやや少なくなります。

変動金利では当初の金利は低いものの、金利状況によっては固定金利よりも返済額が大きくなってしまう可能性があることは知っておきましょう。

住宅ローン返済額を手取りの20%以下に抑えるべき理由

住宅ローンの返済額を手取りの20%以下に抑えるべき理由は、マイホームを購入すると、住宅ローン以外にも年間数十万円が必要になるためです

固定資産税や火災保険料、住宅の修繕積立金、マンションであれば管理費や駐車場代などがかかり、金額はおよそ手取り収入の5%~10%と言われています
年収1,000万円の手取り月収はおよそ61万円なので、3万円~6万円ほどが住宅関連費としてなくなると考えておくと良いでしょう。

マイホームを購入する方の多くが、これから教育費や老後資金の積立など、将来に向けた貯蓄も考えているかと思います。

住宅ローンを余裕を持って返済し、かつ将来に備えるためにも手取りの20%程度に抑えておくことをおすすめします

年収1,000万円の借り入れ上限額は8,000万円

実は金融機関の住宅ローンのシミュレーションツールを使って、年収1,000万円で借り入れられる金額を計算すると、最大8,000万円という結果が出ます*。
*年収1,000万円/金利年1.3%/35年返済/ボーナス払いなし/元利均等返済の場合

しかし、8,000万円はあくまでも借り入れの上限額であり、年収1,000万円の方が実際に借りるのは無謀でしょう

なぜ無謀だといえるのか、具体的な計算結果とともに解説していきます。

手取りの約40%が住宅ローンだけで消えてしまう

8,000万円の住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は約23.8万円です。
*年収1,000万円/金利年1.3%/35年返済/ボーナス払いなし/元利均等返済の場合

ボーナスを考慮せずに年収1,000万円の毎月の手取りを計算すると約61万円なので、23.8÷61=39.0%となり、手取りの約40%が住宅ローンの支払いだけで消えていくことになります

さらにマイホームの購入後には、住宅ローンとは別で固定資産税などの住居関連費も必要です。 これらの費用も踏まえると、手取り収入の約半分が住居費だけて消えてしまうでしょう。

住宅ローン以外の住居関連費の目安
費用名称 年間支払額 ひと月あたりの支払額
固定資産税 10万~20万円(※1) 8,000円~1万6,000円(※1)
火災保険料、地震保険料 1万~3万円(※2) 900円~2,500円(※2)
住宅の修繕費積み立て費用 15万~20万円 1万2,500円~1万6,000円
(マンションのみ)管理費 15万~30万円 1万2,500円~2万5,000円
(マンションのみ)駐車場代 6万~36万円 5,000円~3万円
戸建て合計
マンション合計
26万~53万円
47万~109万円
約2万2,000円~約4万4,000円
約4万円~約9万1,000円

※1 実際には年間払いか、分割払い(4期分)になります。また固定資産税は物件により大きく異なります。
※2 実際には月払いや年払い契約は稀で長期一括払い契約が大半です。保険料は契約プランや物件の種別で大きく異なります。

特に住宅ローンを組む世帯の多くは、子どもの教育費や、夫婦の老後資金を考えなければならないはずです。

将来の資金繰りも考慮して、借り入れ上限額ギリギリの住宅ローンを組むことは避けておきましょう。

年収1,000万円でも住宅ローンを返済できなくなる事例

年収1,000万円は、一般的には高年収層にあたります。

しかしながら高年収層でも、住宅ローンの組み方によっては返済できなくなる人もいます。

年収1,000万円でも返済が厳しくなる代表的な事例は以下の2つです。

年収1,000万円でも返済が厳しくなる事例

  1. 共働きから片働きになったケース
  2. 子どもの教育費負担が大きくなったケース

それぞれ具体的な事例の内容と対策について、解説していきましょう。

共働きから片働きになったケース

住宅ローンの借入時に夫婦共働きで、二人分の収入をあわせて年収1,000万円の世帯は特に注意が必要です。

子どもの成長にあわせてどちらかが仕事を辞めたり、時短勤務に切り替えたりした場合には、世帯での収入は大きく減少します

一般的な時短勤務での給与

基本給×(時短勤務での実労働時間÷所定労働時間)=時短勤務での給与

時短期間の労働時間が1日6時間であれば「基本給×(6時間÷8時間)」となり、基本給の8分の6が時短期間中の給与となります。

※勤務先によって異なる場合があります

基本給別の一覧表
月の基本給 6時間勤務での額面給与*
15万円 11万2,500円
17.5万円 13万1,250円
20万円 15万円
22.5万円 16万8,750円
25万円 18万7,500円

※1日の所定労働時間を8時間、時短勤務での実労働時間を6時間とした場合
※勤務先によって異なる場合があります

現時点では世帯年収が1,000万円だとしても、子育て期間の働き方によっては収入が変化する可能性は十分にあります。

可能であれば片方の収入でも返済していけるよう、住宅ローンの借入金額を抑えることをおすすめします。

子どもの教育費負担が大きくなったケース

子どもの成長に伴って、教育費の負担は大きくなります。

進学の時期にあわせて教育費を準備しておかなければ、住宅ローンとの支出バランスが崩れてしまうため注意しましょう。

大学卒業までに必要な教育費の目安は、以下表のとおりです。

幼稚園から大学までの平均教育費
  私立 公立
幼稚園 158万4,777円 64万9,088円
小学校 959万2,145円 192万6,809円
中学校 421万7,172円 146万2,113円
高等学校 290万4,230円 137万2,072円
大学(昼間部) 549万5,600円 266万6,800円
総額 2,379万3,924円 807万6,882円

【出典】幼稚園~高校まで:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
【出典】大学:日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」

表からも分かるように、私立か公立かによって教育費は数百万円以上もの差が生まれます

教育費の負担を可視化しつつ住宅ローンの返済額を考える際は、ライフプランの作成がおすすめです。

ライフプランニングで将来の支出を可視化しよう

ライフプランニングでは、「子どもは2人」「海外旅行は10年に1回」といった予定を書き出し、家族の将来に関わるイベントとお金の流れをまとめていきます。

10年後にはどのような費用が必要になり、貯蓄はいくらになっているのか、というように具体的な収入や支出の見込みを立てられるため、資金が不足していた場合でも早期に準備を始められます

将来のお金の流れが分かれば、住宅ローンの返済額がいくらまでなら許容できるのかも考えやすくなるので、ぜひ一度作成してみてください。

ライフプランはExcelで作成することも可能ですが、できればFPなどの専門家に作成してもらうと良いでしょう。

まとめ

高年収層であっても、働き方や教育費を考慮しつつ借入金額を設定しなければ、住宅ローンの返済で破綻する可能性も十分にあります。

年収1,000万円で無理なく返済していくためには、以下3つのポイントに気をつけてください。

年収1,000万円で無理なく返済していくためのポイント

  1. 毎月の返済額は、手取り収入の20%以内=毎月12万円程度で設定する
  2. 毎月12万円を返済するための借入金額は4,080万円程度
  3. 年収から算出できる「借入可能額」は8,000万円だが、安全に返せるとは限らない

いずれも重要なポイントですので、借入金額を設定するときは必ず見直してください。

各家庭の手取り収入を基準に考えれば、無理のない住宅ローンを借り入れしやすくなります。

借りすぎには十分注意し、素敵なマイホーム計画を立ててくださいね。
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