平屋を建てるときに後悔しがちな6つのポイントと対策をわかりやすく解説!
執筆者: よしだゆき (ライター)
平屋住宅というと、昔ながらの日本家屋をイメージする方もいますが、最近では開放的でおしゃれな平屋住宅が人気を集めています。
しかし、いざ平屋住宅に住むとなるとデメリットについても気になりますよね。
実際、平屋住宅に住んでいる方のなかには
「防犯面が心配」
「プライベート空間がなくて嫌」
という不満を抱えている方も。
しかし、これらのデメリットは、プランニング段階で知っておけば、ある程度対策することが可能です。
そこで本記事では、平屋住宅の注意点とそれぞれの対策方法をわかりやすく解説します。
平屋住宅を検討している方は参考にしてみてくださいね。
この記事を執筆・監修している専門家
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
平屋で後悔するポイントと対策
平屋で後悔しやすいポイントとして、主に以下の6つが挙げられます。
それぞれ後悔しないための対策とあわせて解説します。
土地代や建築コストが高くつく
2階建ての住宅と異なり、平屋住宅はワンフロアで十分なスペースを確保する必要があるので、広めの土地が必要になります。
そのため、平屋住宅のほうが土地代が高くなるというデメリットがあります。
さらに、平屋住宅は2階建て住宅と比べて、屋根の部分と基礎の部分の面積が大きくなるため、建築コストも高額です。
一般的に、平屋住宅の建築費用は2階建て住宅よりも2~3割高くなるといわれています。
対策
土地代が安いエリアを選べば、平屋住宅でも土地代を抑えることが可能です。
また、廊下などのデッドスペースを少なくすることで、床面積を減らすことも有効でしょう。
ただし、廊下などを減らすと、プライベート空間を確保しにくくなるので、家族と相談しながら間取りを決めることが大切です。
また、土地代の安さにこだわるあまり、駅からの距離などの立地条件で後悔することのないよう注意しましょう。
日当たりや風通しが良くない
平屋住宅は2階建て住宅よりも高さがないため、外から光が入りにくい傾向があります。
とくに、建物の中心部は日が当たりにくいため、暗くなったり寒くなったりすることも。
また、ワンフロアである平屋住宅は、防犯上の観点から、夜間などにはすべての窓を閉めなければいけません。
まわりの建物よりも高さが低いと、風通しが悪く、カビや結露の原因になる可能性があります。
対策
平屋住宅の日当たりや風通しは、周辺環境に大きく影響を受けます。
土地を選ぶときには、まわりに高い建物がないか、将来的に建築する可能性がないかを確認するようにしましょう。
また、日当たりや風通しは間取りや設計で改善することが可能です。
- 南側の部屋に大きな窓をつくる
- L字型の平屋住宅にして、複数箇所から光が入るようにする
- 天井を高くとって天窓をつけ、風通しをよくする
など、工夫次第で快適な平屋住宅になるでしょう。
水害が不安
近年、日本ではゲリラ豪雨や台風などによる水害が増えています。
平屋住宅の場合、浸水したときに上の階に避難ができないため、不安を感じる方も多いでしょう。
マンションや2階建て住宅よりも水害のリスクが高いことは、平屋住宅のデメリットといえます。
対策
水害の不安を払拭するためには、土地選びのときにしっかりリスクを調べておくことが大切です。
調べる際に便利なのが、ハザードマップです。
国土交通省のホームページから、住所を入力すれば簡単に調べることができます。
洪水や津波、土砂災害などのリスクは、土地を購入する前に把握しておくことが大切です。
防犯面が不安
1階しかない平屋住宅は、マンションなどと比べると侵入が簡単です。そのため、防犯面の不安から平屋の購入を悩む人も多いでしょう。
とくに夜中寝ているときなど、侵入されないか不安に感じるかもしれません。
対策
平屋住宅の防犯対策は、間取りや設備、外構の工夫でおこなうことができます。
たとえば、間取りに中庭を組み込むことです。
中庭があれば、外側に面する外壁に窓をつくる必要がなくなります。
中庭から光や風も取り込むことができるので、防犯性を高めつつ快適に暮らせる間取りのひとつです。
また、設備やインテリアで防犯対策をすることもできます。
- 窓には雨戸を設置する
- カーテンは遮光のものを選び、室内の様子を見えなくする
- 家に近づくと点灯するセンサー付きライトを設置する
などは、平屋住宅に住むのならぜひ採用したい工夫です。
さらに、家のまわりには、踏むと音がなる砂利を敷き、「侵入したくない家」にすることが大切です。
収納が少ない
ワンフロアのみの平屋住宅では、土地によほど余裕がない限り、収納スペースが少なくなりがちです。
物が多い人や、大家族にとっては不便に感じることもあるでしょう。
また、将来的に家族構成が変わり、収納が手狭に感じることもあるかもしれません。
対策
平屋住宅で収納スペースを確保したいときにおすすめなのが、屋根裏収納です。
屋根裏収納をつくれば、居住スペースを減らすことなく、すっきりと暮らすことが可能です。
また、物が多い方は、引っ越しを機に物を減らすのもよいでしょう。
プライベート空間がない
壁や仕切りを最小限にしたり、廊下などのゆとりを削ったりすると、プライベート空間を確保しにくくなってしまいます。
家族を身近に感じられる一方で、子供が成長すると「一人の時間が欲しい」と不満を抱くこともあるでしょう。
また、家族の生活リズムが異なる場合、物音が気になることもあるようです。
対策
平屋住宅でプライベート空間を確保するためには、間取りの工夫が必要です。
リビングやキッチンと寝室などを離すことで、物音が気になることは減らせます。
また、広さを確保したくても、ある程度はプライベートスペースを確保できる間取りにしたほうがよいでしょう。
平屋ならではのメリット
ここまでは平屋住宅のデメリットを紹介しました。
ここでは、以下の6つのメリットをご紹介します。
バリアフリーに対応しやすい
ワンフロアですべての空間がつながっている平屋住宅は、バリアフリーに対応しやすいことが特徴です。
2階建て住宅だと老後は階段の上り下りが大変になり、大掛かりなリフォームが必要になりますが、平屋住宅ならその必要がありません。
メンテナンスしやすい
平屋住宅は、2階建て住宅などよりもメンテナンスしやすいのが特徴です。
戸建ての場合、屋根や外壁などの修繕を定期的におこなう必要があります。
平屋住宅なら高い足場を組む必要がないので、将来メンテナンスやリフォームをする際の費用を抑えることが可能です。
家族のコミュニケーションがとりやすい
平屋住宅なら、家族を常に身近に感じられるので、コミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。
例えば、2階建て住宅で「リビングが1階、子供部屋が2階」というような間取りの場合、子どもが学校から帰ってきても気付きづらかったり、コミュニケーションがとりづらくなったりといったことも。
子どもが部屋にこもってなかなか顔をあわせられない、ということがないのはうれしいですね。
生活動線がスムーズ
平屋住宅はワンフロアで完結するので、2階建て住宅よりも家の中の移動がスムーズです。
階段を上り下りせずに、家事ができるため時短にもつながります。
間取りを決めるときには、生活動線をシミュレーションすることが大切です。
太陽光パネルをたくさん設置できる
環境のために、太陽光パネルを検討している方は、平屋住宅が向いています。
平屋住宅は2階建て住宅よりも屋根の面積が大きいため、太陽光パネルを多く設置することが可能です。
地震に強い
建物は、重心が低いほど地震に強い傾向があります。
平屋住宅は建物が低く、どっしりとした構造のため、2階建て住宅よりも耐震性は強いといわれています。
また、面積が広く高さが低いため、台風などの影響も受けにくいのもメリットです。
平屋住宅で後悔しないためのチェックポイント
メリットもデメリットもある平屋住宅。
では、平屋住宅を建てるときに、後悔しないためにはどうしたらよいのでしょうか。
事前にしっかり確認しておきたいチェックポイントをご紹介します。
平屋住宅向きの土地か
まずは、土地選びのポイントです。
- ワンフロアでも十分な広さを確保できるか
- 水害が起こりやすい地域ではないか
- 日当たりや風通しはまわりの環境で制限されないか
などのポイントをおさえ、土地を選ぶようにしましょう。
家族間で合意がとれているか
平屋住宅は、2階建て住宅よりもプライベートスペースを確保しにくくなります。
間取りを決めるときには家族で話し合い、合意を取ることが大切です。
途中で意見がブレないように、家族でこだわるポイントは絞っておきましょう。
長く暮らしていくことを見据えているか
家を建てるときには、現在の生活ばかり考えてしまいがち。
しかし、大切なのは将来も住みやすい家であるかどうかです。
子供が大きくなったときや、夫婦2人になったときのことも考えておくことで、長く快適に暮らすことができるでしょう。
実際に生活するイメージがつかめているか
設計図を見ているだけでは、実際に生活するイメージを掴めないこともあります。
生活動線をしっかりシミュレーションし、家族にとって暮らしやすい家かどうかをイメージしてみましょう。
おすすめなのは、平屋住宅のモデルハウスを見学すること。
実際の広さや天井の高さと比較でき、暮らしのイメージがつきますよ。
まとめ
本記事では、平屋住宅の注意点とそれぞれの対策方法をご紹介しました。
ワンフロアの平屋住宅は、生活動線がスムーズで家族を身近に感じられます。
しかし、一方で建築費の高さや防犯性の不安、プライバシースペースが確保しにくいというデメリットもあります。
平屋住宅のデメリットは、間取りや設備、土地の選び方などである程度は解決が可能です。
そのため、後悔しないようにデメリットをしっかり把握しておき、土地選びの段階から工夫を取り入れていくことが大切になります。
今現在の生活だけでなく、将来の生活、自分だけでなく家族の生活もシミュレーションして、暮らしやすい家づくりを目指しましょう。