住宅ローン審査に落ちた! という人が必ずチェックするべき12の審査落ち理由と対処法
監修者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)
- 「住宅ローンの審査に落ちた……」という時は、何が原因で落ちてしまったのかをまず知ろう
- 理由を知って対策をすれば、住宅ローンの審査に通過できることも!
- 審査のポイントと流れをしっかり理解し、マイホームを手に入れよう
マイホームの購入目前で、住宅ローン審査に落ちてしまうとショックも大きいですよね。
ですが、実は住宅ローンの審査に落ちてしまうのは、そこまで珍しいことではありません。
自分が審査に落ちてしまった理由を知り、対策を取れば、別の金融機関の住宅ローン審査に通過してマイホームを手に入れられるケースも少なくないんです。
審査に落ちてしまう理由としてよくあるのが、以下のような点です。
住宅ローンの事前審査で落ちる理由
- 個人信用情報に「異動」の記載がある
- クレジットカードの保有枚数が多すぎる
- 他の借り入れがある
- 返済負担率ギリギリのローン
- 個人事業主などで収入が不安定
- 消費者金融系のカードを持っている
- 転職してからの勤続年数が短い
- 完済時の年齢が80歳以上
住宅ローンの本審査に落ちる理由
この中に思い当たる理由はありましたか?
この記事では、事前審査と本審査それぞれの審査に落ちてしまう理由と、その対策について解説していきます。
審査条件が比較的緩やかな住宅ローンについてもご紹介していますので、住宅ローン審査に落ちて悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。
この記事を執筆・監修している専門家
白坂大介
ジョインコントラスト株式会社 代表取締役
保有資格・検定
2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種
お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
- 住宅ローンの事前審査に落ちる8つの理由と対策
- 理由1:過去に返済の遅延などをしている
- 理由2:クレジットカードの保有枚数が多すぎる
- 理由3:他の借り入れがある
- 理由4:返済負担率ギリギリのローン
- 理由5:個人事業主などで収入が不安定
- 理由6:消費者金融系のカードを持っている
- 理由7:転職してからの勤続年数が短い
- 理由8:完済時の年齢が80歳以上
- 住宅ローンの本審査に落ちる4つの理由と対策
- 理由1:健康状態に問題がある
- 理由2:購入する担保の価値が低い
- 理由3:事前審査の申告内容と、本審査での提出書類の内容が異なる
- 理由4:本審査までに転職をした
- 住宅ローン審査の流れ
- 事前審査の申込み
- 本審査の申込み
- 審査に落ちた理由にあわせて申し込む住宅ローンを変えよう
- 勤続年数に制限を設けていない住宅ローン
- 団信に通らなかったならワイド団信を検討しよう
- ペアローンを利用できる住宅ローン
- 住宅ローン審査についてよくある質問
- まとめ
住宅ローンの事前審査に落ちる8つの理由と対策
まずは住宅ローンの「事前審査」に落ちてしまう理由を見ていきましょう。
事前審査とは、住宅ローンの申込者が自己申告した内容をもとにして、簡易的に行われる審査のこと。
簡易的な審査とは言え、申告内容が金融機関の要件を満たしていなかったり、本人の属性に問題があったりすれば、事前審査で落ちることもあります。
事前審査で落ちる主な理由は、下記の8つです。
住宅ローンの事前審査で落ちてしまう8つの理由
- 個人信用情報に「異動」の記載がある
- クレジットカードの保有枚数が多すぎる
- 他の借り入れがある
- 返済負担率ギリギリのローン
- 個人事業主などで収入が不安定
- 消費者金融系のカードを持っている
- 転職してからの勤続年数が短い
- 完済時の年齢が80歳以上
それぞれの具体的な審査落ちの理由と、対策について見ていきましょう。
理由1:過去に返済の遅延などをしている
個人信用情報に「異動」の記載がある場合は、基本的に住宅ローンの審査に通ることはありません。
個人信用情報とは、クレジットカードや奨学金、他のローン契約などの内容が登録されているデータベースのようなもの。
- 過去に支払いで遅延を繰り返したことがある
- 過去5年以内に債務整理をしている
などの金融事故歴があると、個人信用情報に「異動」という文字が登録されます。
いわゆる「ブラックリスト」と言われる状態のことですね。
住宅ローンの審査では、必ず個人信用情報をチェックされます。
そのため「異動」の記載がある状態では、残念ながら事前審査にはまず通らないのです。
稀に事前審査のタイミングでは個人信用情報を確認しない金融機関もありますが、本審査では必ずチェックされるため、審査に落ちてしまうことに変わりはありません。
対策:個人信用情報を取り寄せる
過去にカードや他のローンの返済を遅延・滞納したことがある場合は、個人信用情報に「異動」の記載がないかを確認しましょう。
自身の信用情報は「信用情報機関」に500円~1,000円ほどの手数料を支払うことで、簡単に取り寄せられます。
信用情報機関は3種類あり、それぞれの取り寄せ方法と手数料は下記のとおりです。
【銀行系】
全国銀行個人信用情報機関(JBA)
- JBAのHP上から郵送請求可能。
- 請求手数料は1,000円(税込)
【カード系】
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 郵送、窓口、インターネット請求が可能
- 窓口の場合は手数料500円(税込)
- インターネットや郵送の場合は手数料1,000円(税込)
【消費者金融系】
株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 郵送、窓口、インターネットから請求が可能
- 窓口の場合は手数料500円(税込)
- インターネットや郵送の場合は手数料1,000円(税込)
個人信用情報が登録されている信用情報機関は「銀行系」「カード系」「消費者金融系」の3つがあるため、気になる方はすべて取り寄せておきましょう。
もし「異動」以外にも遅延歴がある場合には、前もって金融機関に伝えておくことで少し印象が良くなるケースもありますよ。
理由2:クレジットカードの保有枚数が多すぎる
クレジットカードの保有枚数が多すぎる場合、審査落ちのリスクに繋がるケースがあります。
多くのクレジットカードには「キャッシング枠」がありますが、返済負担率の計算にはキャッシング枠の限度額も含まれます。
※年収に占める、ローンの年間返済額の割合のこと。一般的に、住宅ローンの審査基準となる返済負担率は30~35%程度といわれている。
つまりクレジットカードの枚数が多くなると、それだけキャッシング枠の限度額の合計が大きくなり、住宅ローンを借り入れる余裕がなくなってしまうのです。
対策:不要なクレジットカードは解約する
利用していないクレジットカードがある場合は、審査に申し込む前に解約しておきましょう。
金融機関の貸付条件に「具体的に何枚以上が影響する」という基準があるわけではありませんが、「5枚以上」が1つの目安です。
またクレジットカードのキャッシング枠を0円にしておくことで、返済負担率を下げることも可能です。
下記の記事で詳しく解説されていますので、こちらも参考にしてみてください。
理由3:他の借り入れがある
住宅ローン以外の借り入れがあることが理由で、審査に通らないケースもあります。
具体的には、他の借り入れがあることによって、年収に対しての返済負担率が高くなってしまうことが原因です。
返済負担率を計算する際は、住宅ローンの返済額だけでなく
- クレジットカードのリボ払い
- 自動車ローン
- 奨学金
- カードローンやキャッシング
など他の借り入れ額と合わせて計算されます。
そのため他の借り入れの金額が高ければ高いほど、住宅ローンの返済に充てられる金額が少なくなるため、審査にも通りづらくなってしまうのです。
対策:他の借り入れは高利子のものから優先的に完済しておく
住宅ローン以外の借り入れがある場合は、できる限りすべて完済してから、審査に再申し込みしてみましょう。
なお、どうしても他の借り入れを完済させるのが難しい場合は、カードローンやリボ払いなど、高利子のローンから優先的に完済してください。
なぜかというと、社会人になってから高利子の借り入れを多数行っている場合、本人の信用力を疑われる可能性があるからです。
逆に言えば、日本学生支援機構の貸与型奨学金などは、無利子~低利子で、学生時代に背負ったやむを得ない借金ですよね。したがって、奨学金の場合は残高が少なければ、それほど印象が悪くなることはありません。
住宅ローン以外の借り入れがある方は金額だけでなく、どのような種類の借金なのかも気をつけた上で、完済の優先度を考えましょう。
理由4:返済負担率ギリギリのローン
年収に占めるローン返済額の割合がギリギリの住宅ローンを申し込もうとすると、事前審査で落ちやすい傾向があります。
「返済負担率が高すぎないか」は、審査において非常に重要な要素。
国土交通省が行った住宅ローンに関する調査では、90.7%の金融機関が「返済負担率を重視する」と回答しています。
※参考:「平成30年度(2018年度)民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
あらかじめ金融機関に返済負担率の目安を確認しておき、上限ギリギリではなく、余裕をもった返済負担率になるように審査に申込みましょう。
返済負担率を下げるための具体的な方法としては、下記の2つがおすすめです。
対策1:頭金の割合を多くする
返済負担率を下げるのに、もっとも有効な対策は「頭金の割合を多くする」という方法です。
頭金を多めに用意することで、金融機関の審査担当者に対して、資金に余裕がある印象を与えられます。
そのため、審査結果にプラスの影響を与えられるのです。
具体的な頭金の割合は、「物件価格の1割以上」を目安にしておくと良いでしょう。
金融機関によっては、頭金を入れることで金利が優遇されることがあるのもポイントです!
対策2:購入する物件を見直す
返済負担率を下げるもう一つの対策は、「購入する物件の価格を見直して、借入金額を低くする」という方法です。
当然のことですが、購入する物件の価格が低くなれば、年収に対しての返済負担率も自然と低くなります。
住宅購入時は「どうしてもこの住宅が良い!」とこだわりがでるものですが、審査に通らなければそもそも購入できません。
また返済負担率が高すぎると、家計への負担が大きくなり、住宅ローン破綻に繋がる可能性も高くなります。
そのため住宅ローンの審査に通るかどうかだけを考えるのではなく、「身の丈にあった住宅を購入する」というポイントも大切にしましょう。
おすすめできない返済負担率の下げ方
ここまで解説してきた方法以外にも、返済負担率を下げる方法として
- 返済期間を長くする
- 変動金利にして金利を低くする
といった方法もありますが、これらの方法で返済負担率を下げるのはおすすめしません。
返済期間を長くすれば、「完済時年齢」の審査項目に影響してしまいますし、総返済額も増えてしまいます。
また変動金利を選択して金利を低くするのは、その場しのぎに過ぎず、将来的な金利上昇リスクに繋がります。
そのため住宅ローンの返済負担率を下げるには、「頭金の割合を多くする」「購入する物件を見直す」という2つの方法から検討してみましょう。
理由5:個人事業主などで収入が不安定
個人事業主の方など、収入が不安定な方も住宅ローン審査で不利になりがちです。
個人事業主は、会社員に比べて景気の影響を受けやすく、「収入が不安定で、信用度が低い」と金融機関から判断されやすいことが理由です。
契約者の返済能力を重点的にチェックされるため、個人事業主の方は審査の基準が厳しくなるケースが多いのです。
「収入も返済負担率も適正なのに審査で落ちた」という場合は、職業が審査にほぼ影響しない「フラット35」の利用を検討しましょう。
対策:個人事業主の場合は、フラット35を利用する
民間の金融機関とは違い、フラット35では職業が審査に影響することはほとんどありません。
そのため個人事業主であっても、比較的審査に通りやすくなっています。
ただし前の章でも触れたように、フラット35は変動金利と比べて、適用される金利は高めです。
フラット35で借りると毎月の返済額がいくらになるのか、は必ず確認しておきましょう。
理由6:消費者金融系のカードを持っている
消費者金融系のカードは所持しているだけでも、審査にマイナスの影響を与えることがあります。
消費者金融系のカードは、基本的に「緊急時にお金を借りるためのカード」です。
また消費者金融系のカードを持っているということは、いつでもお金を借りられる状態にあるということでもあります。
「緊急時にお金を借りるためのカードを持ち続けていて、いつでもお金を借りられる状態を維持している…」と聞くと、お金にルーズな印象を与えてしまうのも想像できますよね。
必ずしも審査結果にマイナスになるものではありませんが、審査担当者への心証に悪影響を及ぼしてしまうこともあるのです。
対策:消費者金融のカードはすべて解約する
消費者金融系のカードは、住宅ローンの審査に申し込む前にすべて解約しておくのが無難です。
個人信用情報を、徹底的にクリーンにしておくことが審査通過の近道ですね。
またクレジットカードのキャッシング枠も、審査に影響することがあるため「理由2:クレジットカードの保有枚数が多すぎる」も併せて対策をしておくことをおすすめします。
理由7:転職してからの勤続年数が短い
勤務先での勤続年数が短い方は、住宅ローンの審査に不利になりがちです。
国土交通省が行った住宅ローンに関する調査では、95.7%の金融機関が「勤続年数を考慮する」と回答していて、この比率は年々上昇してきています。
平成30年度 | 95.7% |
---|---|
平成29年度 | 92.8% |
平成28年度 | 76.3% |
※出典:平成30年度「民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(平成31年3月付)」
しかし転職したての人は必ず審査に落ちてしまうということではなく、転職して数ヶ月後に住宅ローンを契約できているケースも珍しくありません。
もし勤続年数が短いのであれば、
のどちらかを利用しましょう。
対策1:勤続年数に制限がない銀行の住宅ローンを利用する
会社員の場合、メガバンクや地方銀行では、勤続1年~3年以上といった申込要件が設けられています。
したがってこれらの金融機関で審査に通過するのは非常に難しいでしょう。
そこで、勤続年数が短くて審査に落ちてしまった場合には、勤続年数の要件がないネット銀行系の住宅ローンを選ぶのがおすすめです。
例えば、『auじぶん銀行住宅ローン』では、職歴書を提出することで、転職3年未満でも申込み可能です。
Q.【住宅ローン】転職したばかりでも、住宅ローンは利用できますか。
A.お申込みいただけますが、転職後3年未満の場合は、職歴書をご提出いただきます。
auじぶん銀行公式ページ から引用
また、お勤め先以外の情報も含め審査いたします。
また『新生銀行住宅ローン』でも、勤続年数に関わらず申込みが可能です。
Q.転職したばかりですが、住宅ローンの申し込みは可能か教えてください。
A.お申し込み可能です。
新生銀行公式ページから引用
これらの金融機関であれば、転職したてで金融年数が短くても問題なく審査に申込みできるため、ぜひ検討してみましょう。
勤続年数に縛りのない住宅ローンについては、記事の後半「勤続年数に制限のない住宅ローン」で解説しています。
対策2:フラット35を利用する
フラット35は、申込み条件に勤続年数の制限がなく、転職したての方でも問題なく利用できます。
職業や年収に対しての要件もないため、申込者に対する審査条件が比較的緩やかです。
ただしフラット35は固定金利タイプのため、変動金利や10年固定タイプと比べると、金利が高くなる点には注意しましょう。
フラット35のおすすめ銀行については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:フラット35のおすすめを住宅ローンアドバイザーが解説!金利だけじゃない比較のコツ
理由8:完済時の年齢が80歳以上
住宅ローンの審査で、「借入れ時の年齢」や「完済時年齢」は重要な項目です。
年齢で引っ掛かって事前審査に落ちる方もいるので、申込要件は必ず確認しておきましょう。
ローン申込時の年齢が高齢で、完済時年齢が申込要件に引っ掛かってしまう場合は、「親子リレーローン」を利用することも検討しましょう。
対策:親子リレーローンを利用する
親子リレーローン(リレー返済)とは、親子2世代にわたって住宅ローンを返済していく方法です。
親子リレーローンであれば完済時年齢による不利を回避することができるので、完済時年齢が80歳以上の方でも、審査に通る可能性があります。
一般的な住宅ローンでは、借入れ時の年齢が60歳の場合、住宅ローンは80歳になるまでの19年間で返済しなければなりません。しかし親子リレーローンを利用すれば、子どもの年齢にあわせて返済期間を決められます。
つまり子どもが30歳なら、最長35年返済も可能になるということです。
親子リレーローンはローンが二世代にわたるため、親子間でトラブルにならないようしっかり話合った上で契約するようにしてくださいね。
住宅ローンの本審査に落ちる4つの理由と対策
住宅ローンの本審査で落ちてしまった際、考えられる主な理由は下記の4つです。
住宅ローンの本審査に落ちる4つの理由
もう少しでマイホームを購入できるというタイミングで、本審査に落ちてしまうとショックも大きいもの。
本審査に落ちる理由と対策を詳しく解説していますので、しっかりと事前準備をしておきましょう。
理由1:健康状態に問題がある
住宅ローンの本審査では、団体信用生命保険の加入診査があります。
団体信用生命保険はほとんどの金融機関で加入することが求められているため、健康状態に問題があれば本審査も通りません。
健康状態に問題があり診査に落ちてしまった場合は
といった対策を取るようにしましょう。詳しく解説しますね。
対策1:ワイド団信を利用する
ワイド団信とは、病歴がある方でも加入しやすくなっている団体信用生命保険です。
加入条件が緩和されていることから、「引き受け基準緩和型団信」とも言われます。
ワイド団信であれば、通常の団信に加入できない健康状態でも、加入診査に通りやすくなっていますよ。
ただ、ワイド団信は住宅ローンの適用金利に年0.3%程度の金利上乗せが必要です。住宅ローンの金利が高くなるので、コストの面だけ注意してくださいね。
対策2:フラット35を利用する
フラット35は団体信用生命保険の加入が任意です。そのため、団信を付けずに申込むこともできます。
団信を付帯しなければ健康状態を問う加入診査も必要ありませんので、本審査に通過することができます。
したがって、病歴がある方は団信なしでフラット35に入り、健康状態がよくなってから民間生命保険などに別途加入して、リスクに備える方法もありますよ。
理由2:購入する担保の価値が低い
住宅ローンの本審査では、物件に関するさまざまな書類を提出し、担保価値に関してもしっかり審査されます。
担保価値の審査とは、「融資内容に見合った価値のある物件かどうか」を確認するための審査です。
万が一契約者が返済不能状態になった場合、担保物件は抵当権を設定している保証会社等によって売却処分されます。
つまり万一の際に売却して貸付金を回収できるだけの「価値のある物件」でないと保証会社の審査に通らないのです。
一般的に、築古の中古戸建物件や、特殊な敷地に建つ物件などは担保価値が低くなりやすいです。
もし担保価値の低さが原因で審査に落ちた場合は、「借入金額を少なくするか、金融機関を変える」という対策になります。こちらもわかりやすく解説しますね。
対策:借入金額を少なくするか、金融機関を変える
中古物件や敷地の問題で担保価値が低い場合は物件の問題ですから、担保価値自体を上げることはできません。
ただ、担保価値というのはあくまで「融資内容に見合った価値のある物件かどうか」という視点でチェックされるものです。
つまり、審査に通らない場合は、その物件の担保価値に見合った融資内容に減額すれば、審査も通る可能性があります。
また担保評価は金融機関によって基準が異なり、独自の担保評価基準を持っている金融機関もあります。
金融機関によっては担保価値をもう少し引き上げることができるかもしれませんので、別の金融機関で相談するのも一つの方法だといえますね。
理由3:事前審査の申告内容と、本審査での提出書類の内容が異なる
事前審査で申告していた内容と、本審査で提出した書類の内容が異なっているケースでは、高い確率で本審査に落ちてしまいます。
最初の申告内容と書類の整合性が取れないと、「事前審査で虚偽の申告をしていた」と見なされる可能性があるためです。
本審査に落ちる理由として、よくあるケースなので注意が必要です。
対策:書類の記載内容は事前審査と一致させる
対策は、本審査時に提出する書類の記載内容を、事前審査の申告(入力)内容にしっかり一致させることです。
事前審査で書類提出を求められることは基本的にありません。
だからといって収入や職業の申告を適当にすませてしまうと、証明書類を提出した際に内容がかみ合わなくなって、審査に落ちることになります。
このような事態を防ぐため、事前審査の時点から必要な証明書類はしっかり用意しておき、内容に整合性を取れるようにしましょう。
住宅ローン審査では、ささいな記入間違い&ちょっとした嘘が命取りになります。
事前審査を通すために仕事の勤続年数をごまかしても、本審査時に提出する健康保険証で勤続年数はすぐバレます。
たとえ出来心でも嘘の申告は絶対にやめ、整合性のある申告内容になるように気をつけてくださいね。
理由4:本審査までに転職をした
事前審査に通った後でも、本審査が始まるまでに転職すると、審査に落ちる可能性があります。
先ほどお伝えしたように本審査に通るためには、事前審査の申告内容と本審査の内容がかみ合わなければならないからです。
したがって、事前審査で申告した内容が変わるような行為(転職・退職・事業の廃業)は原則NGだと思っておきましょう。
対策としては「転職は融資実行後まで控える」という方法になりますので、簡単にご説明しておきます。
対策:転職は融資実行後まで控える
当然ながら、住宅ローン契約は事前審査・本審査が終わってもまだ完了ではありません。
なぜならば、融資実行が終わってようやく借入れがスタートするからです。
融資実行前に転職や退職などをすれば、審査時の信用力とは大きく変わりますよね。最悪の場合、金融機関から審査結果そのものを無効にされてしまいます。
たとえ良い転職話があったとしても、無事に融資が実行されるまでは転職しないようにしてください。
住宅ローン審査の流れ
住宅ローンの審査は、下記の流れで進みます。
住宅ローン審査の流れ
事前審査の申込み
↓
事前審査の結果確認
(即日~1週間ほど)
↓
本審査の申込み
↓
本審査の結果確認
(3日~3週間ほど)
↓
契約手続き
↓
司法書士との面談
↓
契約完了
住宅ローンの審査は、「事前審査」と「本審査」の2段階で行われるのが基本です。
ここでは、事前審査と本審査それぞれについて、簡潔に解説していきましょう。
事前審査の申込み
事前審査では、申込者が自己申告した情報に基づいて「簡易的な審査」が行われます。
あくまでも自己申告のため、事前審査の段階では収入や勤務状況を証明する書類の提出は求められるケースは、ほとんどありません。
ハウスメーカーや不動産会社を経由して申し込む場合には、書類提出を求められることもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
事前審査に必要な期間は、
- メガバンクでは、3日~1週間
- ネット銀行では、最短当日~1週間
となっていて、基本的にはネット銀行のほうが審査期間は短めに設定されていることが多くなっています。
本審査の申込み
住宅ローンの事前審査に通過したら、次はいよいよ"本番"である本審査へと進みます。
本審査では、収入や勤務状況を証明するための書類を提出される他、団体信用生命保険の加入審査も行われます。
基本的には必要書類を郵送する必要がありますが、ネット銀行のなかにはスマートフォンで撮影したデータを送るだけで良い金融機関も存在します。
本審査に必要な期間は、数日~3週間ほどと金融機関によって差があります。
書類の提出が遅れてしまうと、審査結果が分かるまでの日数ももちろん長くなってしまうため、滞りなく書類を提出できるように準備をしておきましょう。
審査期間については、下記の記事で詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてみて下さいね。
関連記事:住宅ローンの事前・本審査の期間を解説! 即日審査の金融機関も紹介
審査に落ちた理由にあわせて申し込む住宅ローンを変えよう
「審査が甘い住宅ローンはあるのか?」という疑問は、誰しもが感じることだと思います。
ただ結論からいえば、審査が甘い住宅ローンというのは基本的にありません。
なぜかというと、住宅ローンは大きな金額を貸し出すローンなので、どんな金融機関でも返済破綻リスクを回避しようとしているからです。
ただし勤続年数に制限がない等、審査落ちの理由に対策できる住宅ローンも存在しています。
つまりわかりやすくいえば、審査に落ちた理由にあわせて申し込む住宅ローンを変えれば、審査に通る可能性があるということです。
ここでは、
のおすすめサービスをそれぞれご紹介しておきますね。
勤続年数に制限を設けていない住宅ローン
勤続年数に制限のない住宅ローンとは、申込要件に「勤続○○年以上」などの制限を設けていない住宅ローンのことです。
ただし制限がないからと言って、必ず審査に通るわけではありません。
勤続年数に制限のない住宅ローンであれば、勤続3か月以上~1年未満のケースでも申し込みしやすくなっていますよ。
勤続年数に制限のない住宅ローン
転職したての方は、参考になさってくださいね。
auじぶん銀行住宅ローン
auじぶん銀行住宅ローンでは、職歴書を提出することで転職3年未満でも、申込み可能です。
他の銀行と比べて、変動金利が特に低く設定されていることが特徴です。
適用金利(新規借り入れ) | |
---|---|
変動金利 | 0.310% 2021年01月適用金利 全期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始) |
固定10年 | 0.430% 2021年01月適用金利 当初期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始) |
固定20年 | 0.934% 2021年01月適用金利 当初期間引下げプラン au回線とじぶんでんきのセット利用の場合(au金利優遇割の内、auモバイル優遇割は2021年3月1日開始) |
フラット35 | 取り扱いなし |
また審査完了までのスピード感も重視していて、
- 事前審査は最短当日
- 融資完了までは最短2週間
となっており、少しでも早く審査を通して、住宅ローンを借りられる状態にしたい方におすすめです。
もちろんauユーザー以外の方でも申し込めるため、早く審査を通しておきたい方は、ぜひ検討してみましょう。
auユーザー以外も申込みできる!
新生銀行 住宅ローン
新生銀行の住宅ローンも、勤続年数の要件を設けていないので、申し込みしやすくなっています。
新生銀行の大きな特徴は、固定期間選択型の諸費用が非常に低く抑えられている点です。
金利は下記表の通りで、住宅ローンの事務手数料が11万円(消費税10%込み)と破格の安さです。
適用金利(新規借り入れ) | |
---|---|
変動金利 | 0.450% 2021年01月適用金利 |
固定10年 | 0.700% 2021年01月適用金利 自己資金10%以上 |
固定20年 | 0.900% 2021年01月適用金利 自己資金10%以上 |
フラット35 | 取り扱いなし |
特に固定20年では、金利も諸費用も安いため、住宅ローンにかかるトータルコストを抑えやすくなっています。
ただし変動金利タイプの場合は、「借入金額×2.2%(税込)」の事務手数料が必要になるため注意しましょう。
関連記事:新生銀行で住宅ローンを借りる前に必ず読もう!注意点と口コミ調査
住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)
「住信SBIネット銀行」のフラット35(保証型)は、勤続年数の要件がありません。そのため、転職したてでも申込みしやすくなっています。
フラット35(保証型)は頭金の額によって金利が低くなる、「全期間固定金利」の住宅ローンです。
金利が変わらない安心感に加えて、下記表のように金利の低さが大きな魅力ですよ。
フラット35(保証型)の金利 | |
---|---|
頭金なし | ー |
頭金1割以上 | 1.190% 2021年01月適用金利 自己資金10%以上 団信加入 |
頭金2割以上 | 1.130% 2021年01月適用金利 自己資金20%以上 団信加入 |
団信に通らなかったならワイド団信を検討しよう
健康状態が理由で、通常の団信による診査に落ちてしまった場合は、引き受け基準緩和型のワイド団信を検しましょう。
ソニー銀行の住宅ローンに付帯できるワイド団信は、上乗せ金利が低くおすすめですよ。
ソニー銀行 住宅ローン
ソニー銀行のワイド団信は、他金融機関水準よりも安い「年0.2%」の金利上乗せで加入できるのが大きな特徴です。
ワイド団信で年0.2%という上乗せ金利は、なかなかありません。
「健康状態に不安はあるけど、金利上乗せ負担が気になる」という方でも、気軽に利用できるのがうれしいですよね。
2021年01月適用金利 変動セレクト 新規購入で自己資金10%以上 2021年01月適用金利 固定セレクト 新規購入で自己資金10%以上 2021年01月適用金利 固定セレクト 新規購入で自己資金10%以上 2021年01月適用金利 住宅ローン 新規購入で自己資金10%以上 2021年01月適用金利 住宅ローン 新規購入で自己資金10%以上
変動金利
変動セレクト住宅ローン 0.457% 当初10年固定
固定セレクト住宅ローン 0.550% 当初20年固定
固定セレクト住宅ローン 1.039% 当初25年固定
住宅ローン 1.418% 当初35年固定
住宅ローン 1.418%
保証料 事務手数料 繰上げ返済
手数料 無料 1. 固定金利:44,000円(税込) 2. 変動金利:借入額×2.20%(税込) 無料
審査期間 返済方法 来店 4週間程度 元利均等返済 不要 固定期間 借入可能額 対応地域 2~35年 500万円以上2億円以下(10万円単位) 全国
ペアローンを利用できる住宅ローン
借入金額や返済負担率が原因で審査に落ちた場合は、1つの物件に対し夫婦2人で住宅ローンを組める「ペアローン」がおすすめです。
「1人だけの所得では返済負担率が高くなり、審査に落ちてしまった……」という方もいるでしょう。
ペアローンは夫婦2人でそれぞれ住宅ローンを組むので、借入金額を大きくすることができます。
ただ、諸費用が2倍かかったり、2人それぞれの審査が必要になったりといった注意点もあるので、これらの注意点をふまえたうえで検討してくださいね。
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンは、低金利でかつペアローン可能になっていますので、ご紹介しておきますね。
三菱UFJ銀行 ネット専用住宅ローン
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンなら、夫婦がそれぞれ債務者になり、住宅ローンを2つ組む形の「ペアローン」でも申し込むことができます。
もちろん、住宅ローンの適用金利は変わりません。
「固定20年プレミアム住宅ローン」なら1.140%という格安の金利で、20年間金利も固定されますよ。
2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 2021年01月適用金利 三菱UFJ銀行の住宅ローンはご利用額13年連続No.1。 全国766店舗ある大手金融機関です。 全国に店舗がありますので、無料相談会などを利用して対面で相談することができます。 ※全期間固定25年と全期間固定35年は、ネット専用住宅ローンでは取扱なし。
変動金利
ネット専用住宅ローン 0.475% 当初10年固定
ネット専用住宅ローン 0.640% 当初20年固定
プレミアム住宅ローン 1.140% 全固定25年
プレミアム住宅ローン 1.440% 全固定35年
プレミアム住宅ローン 1.760%
保証料 事務手数料 繰上げ返済
手数料 一括前払い型と利息組込み型により変動 借入金額×2.20%(税込) インターネット無料
審査期間 返済方法 来店 4週間程度 元利均等返済/元金均等返済 不要 固定期間 借入可能額 対応地域 1~35年 30万円~1億円(10万円単位) 全国
住宅ローン審査についてよくある質問
最後に、住宅ローン審査についてよくある質問をまとめました。
住宅ローンの審査は金融機関ごとに異なるため、今回の回答がすべての審査傾向に当てはまるわけではありませんが、参考になれば嬉しいです。
金融機関によって異なりますが、保有枚数5枚以上だと不利になりやすいです。加えてキャッシング枠の大きいクレジットカードを所有している場合も、不利になるケースがあります。
民間の住宅ローンのほとんどは、団信加入が必須条件です。健康上の理由で団信に入れない場合は、フラット35で団信に加入せず申し込むか、引き受け基準緩和型のワイド団信を利用しましょう。
フラット35は質の高い住宅普及を目指し、公的ローンと民間ローンの性質を併せ持つ住宅ローンです。
そのため、民間金融機関の住宅ローンとは審査基準が異なります。「物件検査」と呼ばれる独自の住宅検査がある他、職業選別しない、団信未加入でも借り入れできる、といった特徴があります。
2019年現在は、非正規雇用の方でも年収や返済負担率などの条件を満たしていれば、申込可能な住宅ローンが増えています。ただし現実的なところでは、メガバンクなど金融機関によっては、審査に通りにくいのが現状です。
非正規雇用で住宅ローンを借りる場合は、雇用形態を利用条件にしていない、フラット35の利用がおすすめです。
奨学金が残っているというだけで審査に通らない、なんてことはありません。
返済遅延などなく残高が順調に減っていて、頭金をしっかり入れて返済負担率も低い状況なら、審査に通る可能性は高いです。ただし当然ではありますが、奨学金にしても他の借入れにしても完済しているほうが、審査では断然有利ですね。
外国人の方でも、日本国籍を取得しているか、永住許可等を受けている方であれば、ほとんどの金融機関で借り入れ可能です。
事業年数が長く収入も安定していれば、民間の金融機関でもフラット35でも借り入れ可能です。ただ、審査の通りやすさを重視するなら、職業選別をしないフラット35のほうが借りやすくおすすめですよ。
まとめ
住宅ローンの審査に落ちた場合は、必ず何かしらの理由があるはずです。
一度審査に落ちると、「もうマイホーム購入をあきらめないといけないのかも」と不安になる人もいるでしょう。
ですが、審査に落ちた理由を冷静に分析して適切な対策を取れば、今度はスムーズに審査通過できるかもしれません。
審査に落ちてしまった場合は、特に以下のポイントを意識してみてくださいね。
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個人信用情報に問題があれば一発で審査落ちの可能性が高い
→ 他の借入れは高利子のものからできる限り完済する、不要な消費者金融系カードやクレジットカードは清算するといった対策で、信用情報を徹底的にクリーンにしておこう。 -
事前審査と本審査で情報の整合性が取れないと、審査に落ちやすい
→ 申告内容に漏れや間違いがないよう、内容をしっかり一致させることが大切。 -
個人事業主や勤続年数が短い場合は、審査に通りやすい金融機関を検討する
→ 審査に落ちた理由と項目を特定し、ご自身が審査に通りやすい金融機関を探して申し込むこと。
当記事でご紹介した対策を参考にしつつ、今度こそ審査に通るよう、最適な住宅ローンを申し込んでくださいね。
他の金融機関、特に店舗型の金融機関と比べ、金利が低く魅力的です。一定以上の頭金を準備することでさらに金利が低くなります。他にはあまりない特徴として、変動金利型を選択中、一部を固定金利型に変更でき、固定金利型の割合と期間も自由に決めることができます。