ジャパンネット銀行住宅ローンって実際どうなの?金利やメリット・デメリットを解説
監修者: 白坂大介 (ジョインコントラスト株式会社 代表取締役)ジャパンネット銀行住宅ローンは、ヤフーグループのジャパンネット銀行が提供している住宅ローンです。
しかし新しい商品ということもありネット上には情報が少なく、「ジャパンネット銀行住宅ローンって良さそうに見えるけど、自分には合ってるのかな?デメリットとかないの?」など気になることも多いですよね。
そこで、この記事ではジャパンネット銀行住宅ローンの金利や団体信用生命保険の内容、メリット・デメリット、申込みの流れについて解説していきます。
【結論】ジャパンネット銀行が向いている人
- 変動もしくは10年固定で、とにかく金利の低いローンを利用したい人
- 今の銀行口座をそのまま使いたい人
- ネットだけで手続きを完結したい人
ジャパンネット銀行住宅ローンの一番の魅力は金利の低さです。数あるネット銀行の中でもトップクラスの金利の低さとなっています。
一般的に住宅ローン返済は、ローンを借りている銀行の口座からの引き落としとなるため、メインバンクを変更する人が多いのですが、ジャパンネット銀行の住宅ローンであれば、メインバンクとして現在利用している銀行口座を変えずに済むサービスがあります。
住宅ローンを借りる際には多くの手間がかかるので、給与振込の口座を変えたり、その他の自動引き落としの口座を変更する手間が省けるのは、とても助かりますよね。
一方で団信においては、ジャパンネット銀行では、がん団信など幅広い保障の団信を利用する場合には0.1%〜0.3%の金利上乗せが必要だという点には、注意してくださいね。
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この記事を執筆・監修している専門家
白坂大介
ジョインコントラスト株式会社 代表取締役
保有資格・検定
2級ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員1種
お客様と一生涯のお付き合いができる仕事に憧れ、大学卒業と同時にハウスメーカーに就職。 2008年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。 2013年にはジョインコントラスト株式会社を設立し、webサイト「家計教師.com」を運営。 主にマイホーム購入や住宅ローン、生命保険、資産運用など、一般家庭向けのコンサルティングや講演会を行なっている。
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
ジャパンネット銀行住宅ローンの金利
ジャパンネット銀行住宅ローンの商品では、変動金利と固定期間選択型の2種類の金利タイプが取り扱われています。
<ジャパンネット銀行住宅ローンの金利一覧(新規借り入れ)>
金利タイプ | 適用金利 |
---|---|
変動金利 | 0.380% 2021年04月適用金利 |
当初10年固定金利 | 0.599% 2021年04月適用金利 |
当初20年固定金利 | 1.340% 2021年04月適用金利 |
当初35年固定金利 | 1.550% 2021年04月適用金利 |
なかでも特に注目すべきは、変動金利と当初10年固定金利の適用金利の低さです。
一般的にネット銀行の住宅ローンは金利が低く設定されていますが、ジャパンネット銀行は特に金利が低く設定されているため、少しでも金利の低いローンを利用したい方にとって魅力的です。
他の銀行の住宅ローンとの金利の違いは、記事後半の「ジャパンネット銀行住宅ローンのメリット」で詳しく解説しますね。
ジャパンネット銀行住宅ローンの団体信用生命保険
団体信用生命保険(以下、団信)とは、ローンの契約者が死亡した場合や所定の高度障害状態になった場合などに、以降の住宅ローンを返済しなくて良いという保険のことです。
ジャパンネット銀行住宅ローンの団信には、上記の一般団信への加入が必須となっています。
また、より保障を充実させたい方には「がんと診断されると住宅ローン残高が50%になる」「生活習慣病で180日以上続けて入院すると、住宅ローン残高が0円になる」などの特約もあるため、幅広い選択肢の中から保障内容を選べるのも魅力のひとつです。
団信に特約を付帯させるには借り入れる金利に上乗せする必要があるため、下記表を確認しておいてくださいね。
団信保障プラン | 上乗せ金利 | 保障の内容 |
---|---|---|
一般団信 | なし | 下記の状態になった場合に、住宅ローン残高が0円になる。 ・死亡 ・所定の高度障害状態 ・余命6ヶ月以内と判断 |
がん50%保障団信 | +0.10% | ・一般団信の保障内容 ・がんと診断確定されると住宅ローン残高が半分になる。 |
がん100%保障団信 | +0.20% | ・一般団信の保障内容 ・がんと診断確定されると住宅ローン残高が0円になる ・がん診断給付金に100万円の保障 ・上皮内がん診断給付金/皮膚がん診断給付金に50万円の保障 |
11疾病保障団信 | +0.30% | ・がん100%保障団信の内容 ・10種類の生活習慣病で180日以上継続して入院した場合に、住宅ローン残高が0円になる ・入院一時給付金で10万円の保障 ・初回入院給付金/継続入院給付金で毎月返済額が保障 |
ワイド団信 | +0.30% | ・健康上の理由で一般団信に加入できない方でも申込み可能 ・一般団信と同一の保障内容 |
ジャパンネット銀行住宅ローンの諸費用・手数料
住宅ローンを借りる際には事務手数料などの諸費用が必要になります。
ジャパンネット銀行住宅ローンの手数料は、他のネット銀行と大きな違いはなく、一般的な金額となっています。
諸費用の項目 | 費用 |
---|---|
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 借入金額×2.20%(税込) |
一部繰り上げ返済手数料 | Web受付:無料 |
電話受付:有料 | |
全額繰り上げ返済手数料 | 33,000円(税込) |
金利タイプの変更手数料 | Web受付:無料 |
ひとつ気をつけるとすれば、一部繰り上げ返済の手数料。
Web受付と電話受付で繰り上げ返済をする際の手数料が違うので、Webから申込むのがおすすめです。
ここまではジャパンネット銀行住宅ローンの金利や団信、諸費用などの基本的なスペックを紹介してきました。
ではジャパンネット銀行住宅ローンは他の銀行と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?
次の章ではジャパンネット銀行住宅ローンのメリットを見ていきましょう。
ジャパンネット銀行住宅ローンのメリット
金利の低さについてはここまでも説明してきましたが、ジャパンネット銀行住宅ローンには他にも多くのメリットが存在します。
ジャパンネット銀行住宅ローンのメリット |
---|
ネット銀行の中でも特に低金利 |
書類の提出がスマホの写真でOK |
いつも銀行口座から引き落とし可能 |
審査完了までの期間が短い |
他の銀行との金利比較も含めて、それぞれ詳しく解説していきますね。
ネット銀行の中でも特に低金利
繰り返しにはなってしまいますが、ジャパンネット銀行住宅ローンは変動金利と10年固定金利が、特に低金利に設定されています。
当サイトで紹介している住宅ローンの中でも、もっとも低い金利が設定されているため、変動金利もしくは10年固定金利を検討している方にとって有力な選択肢となりますね。
他の住宅ローンと比べて、実際にどれくらいの金利差があるのかを見てみましょう。
<他のネット銀行との変動金利の違い>
※すべて新規借り入れの場合の金利
変動金利 | 10年固定金利 | |
---|---|---|
ジャパンネット銀行 | 0.380% 2021年04月適用金利 |
0.599% 2021年04月適用金利 |
住信SBIネット銀行 | 0.410% 2021年04月適用金利 |
0.630% 2021年04月適用金利 |
新生銀行 | 0.450% 2021年04月適用金利 |
0.900% 2021年04月適用金利 |
auじぶん銀行 | 0.310% 2021年04月適用金利 全期間引下げプラン au金利優遇割の場合 審査結果によっては異なる金利となることがあります。 |
0.425% 2021年04月適用金利 当初期間引下げプラン au金利優遇割の場合 審査結果によっては異なる金利となることがあります。 |
イオン銀行 | 0.520% 2021年04月適用金利 |
0.670% 2021年04月適用金利 |
表を見ると、変動金利・10年固定金利のどちらを見てもトップクラスの金利の低さとなっていることが分かりますね。
しかし下記表のとおり、20年固定金利や35年固定金利では高めの金利が設定されています。
<他のネット銀行との長期固定金利の違い>
※すべて新規借り入れの場合の金利
20年固定金利 | 35年固定金利 | |
---|---|---|
ジャパンネット銀行 | 1.340% 2021年04月適用金利 |
1.550% 2021年04月適用金利 |
住信SBIネット銀行 | 1.260% 2021年04月適用金利 |
■フラット35(保証型) 1.290%
2021年04月適用金利 団信加入 |
新生銀行 | 1.100% 2021年04月適用金利 自己資金10%以上 |
1.450% 2021年04月適用金利 自己資金10%以上 |
auじぶん銀行 | 0.905% 2021年04月適用金利 当初期間引下げプラン au金利優遇割の場合 審査結果によっては異なる金利となることがあります。 |
1.440% 2021年04月適用金利 当初期間引下げプラン au金利優遇割の場合 審査結果によっては異なる金利となることがあります。 |
イオン銀行 | - |
■フラット35 1.630%
2021年04月適用金利 自己資金10%未満 借入期間21年~35年の場合 |
長期間の固定金利を利用したい方の場合は、ジャパンネット銀行以外のローンを検討しましょう。
完済までの35年間ずっと金利を固定しておきたいなら、「住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)」や「三井住友信託銀行のリレープランフレックス(30年)」などが金利が低く、安心感と低金利の両方のメリットを受けられますよ。
書類の提出がスマホの写真でOK!ネットだけで申込が完結
ジャパンネット銀行住宅ローンでは、契約に必要な書類の提出はスマホの写真をWeb上でアップロードするだけでOKです。
手軽に書類提出ができるため、忙しい方でもスムーズに手続きを進められますよ。
他のネット銀行の住宅ローンでは来店は不要でも、書類だけは郵送しなければいけない銀行がほとんどです。
郵送のデメリットは、書類に不備があった際の手戻りに時間がかかってしまうこと。
手戻りが発生したことによって、予定していたよりも融資実行が遅れてしまう事があるのです。
ジャパンネット銀行住宅ローンでは郵送の手間や時間のロスが少ないため、書類の不備があった場合でもスムーズに進められるのが嬉しいですね。
いつもの銀行口座から引き落とし可能
住宅ローンの返済は、ローンを借りている銀行の口座から引き落とされるのが基本です。
その場合、ローン返済の引き落とし漏れを防ぐために、多くの方は給与振込や口座振替などでこれまでにメインバンクとして利用していた銀行口座を変更したりと、手間がかかる事になります。
いろいろなサービスの引き落とし口座をすべて変更すると考えると、正直かなり面倒ですし、変更忘れがあって何かの料金が支払えていなかった…なんてことになってしまうと最悪ですよね。
それに対してジャパンネット銀行住宅ローンでは、今使っているメインバンクから自動的にジャパンネット銀行の口座に対して、ローン返済額を自動的にチャージするサービスがあります。
簡単に説明すると、ジャパンネット銀行のローン返済日の数日前に、現在メインバンクとして利用している他の銀行口座から自動的に、必要な金額を移動させてくれるサービスですね。
ただでさえ住宅購入時には膨大な手続きや準備などが必要となり、かなりの手間がかかってきます
その中でメインバンクを変更する手間が省けるのは、ジャパンネット銀行住宅ローンの利便性の良さのひとつです。
審査完了までの期間が短い
ジャパンネット銀行住宅ローンの審査期間は、
- 事前審査は最短30分
- 本審査は最短3営業日
となっていて、審査完了までの時間がかなり早いです。
購入したい住宅を決めてから慌ててローンの借り入れ先を探している方も多いかと思いますので、審査結果が早く分かるのは助かりますね。
ここまでジャパンネット銀行住宅ローンのメリットについて解説してきましたが、もちろんデメリットもあります。
次の章では借り入れ前に知っておくべき、ジャパンネット銀行住宅ローンのデメリットについて解説していきます。
ジャパンネット銀行住宅ローンのデメリット
金利や審査期間、利便性などメリットの多いジャパンネット銀行住宅ローンですが、下記2つのデメリットもあります。
ジャパンネット銀行住宅ローンのデメリット |
---|
団信の疾病保障を充実させるには金利の上乗せが必要 |
融資事務手数料は一般的 |
どちらも致命的なデメリットと言うわけではなく、他の銀行と比べて考えると少し惜しい…という内容ですね。
それぞれ詳しく解説していきます。
団信の疾病保障を充実させるには金利の上乗せが必要
ジャパンネット銀行住宅ローンの弱点とも言えるのが、全疾病保障などの特約が標準付帯ではないこと。
団信の章でも触れましたが、ジャパンネット銀行住宅ローンに付帯する団信は、一般団信のみです。
ネット銀行のなかには、全疾病保障が差額0円で標準付帯となる住宅ローン商品も多くあるので、この団信に関してはジャパンネット銀行住宅ローンのデメリットのひとつになります。
無料での特約付帯がないからこそ、この金利の低さが実現できているということですね。
金利の低さを取るか、団信特約の無料付帯をを取るか、優先度を決めてローンを選択しましょう。
融資事務手数料は一般的
こちらは大きなデメリットではないのですが、ジャパンネット銀行住宅ローンの融資事務手数料は「借入金額×2.20%(税込)」となっていて、一般的なネット銀行と同じです。
一方で楽天銀行の住宅ローンなど融資事務手数料が低く設定されている商品もあるため、それらの商品と比べると若干のデメリットになります。
しかしジャパンネット銀行住宅ローンは金利が特に低いため、融資事務手数料が一般的だったとしても、トータルコストでは安くなるケースも多くあります。
次の章では実際に借り入れた場合の返済額や、トータルコストをシミュレーションしてみましょう。
ジャパンネット銀行住宅ローンの借り入れシミュレーション
ここでは借り入れ金額ごとに、毎月返済額・諸費用・トータルコストを見てみましょう。
シミュレーションをする上で注意するべきは、トータルコストと毎月の返済額です。
- 毎月の返済額は無理なく返済していける金額なのか
- トータルコストは他の銀行の住宅ローンより安いのか
という2点を忘れずにチェックしてくださいね。
複数の銀行の住宅ローンを比較するには、「住宅ローン一括シミュレーションツール」が便利です。
先程の2点を踏まえた上で、ツールを活用してくださいね。
ジャパンネット銀行住宅ローンへの申込みの流れ
ジャパンネット銀行住宅ローンへ実際に申し込む際の流れは、下記の通りです。
①住宅ローン申込ナビへの登録
↓
②事前審査(最短30分)
↓
③本審査(最短3営業日)
↓
④契約手続き
↓
⑤融資完了
特徴的なのは「住宅ローン申込ナビ」というサービスへの登録をすること。
住宅ローン申込ナビでは、審査や団信への申し込み、審査に必要な書類の提出、契約書の作成などが、すべてWeb上で手続き可能です。
仕事が忙しい方や、まとまった時間が作れない方でも手続きをスムーズに進められますよ。
また契約手続きをするまでにジャパンネット銀行の口座を開設する必要があるので、こちらも忘れないようにしましょう。
まとめ
この記事ではジャパンネット銀行住宅ローンについて解説してきました。
ジャパンネット銀行住宅ローンは、金利の低さと返済や審査の利便性が魅力の住宅ローンです。
振り返りとして、どのような人に向いているのかを記載しておきますので、ジャパンネット銀行で借り入れるのかどうかの判断に利用してくださいね。
【結論】ジャパンネット銀行が向いている人
- 変動もしくは10年固定で、とにかく金利の低いローンを利用したい人
- 今の銀行口座をそのまま使いたい人
- ネットだけで手続きを完結したい人
- 審査完了までの期間が短いローンが良い人