• 2021.01.13

バイデン政権スタート2021年2月の住宅ローン金利動向を予想します

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
【2021年2月最新】千日太郎の金利予想

こんにちはブロガーの千日太郎です。

この記事では、執筆時点で公開されている「金融市場の動向」と千日太郎が公認会計士として培ってきた金融ビジネスに対する知見をもって推理する「銀行の営業方針」から2021年2月の住宅ローン金利動向を予想します。

今までのところ、ほぼ予想を的中しており、これまでの金利推移についても公開しています。

2021年1月6日の米上院選挙はバイデン氏の民主党が過半数を獲得し、NYダウは3万ドルを超え米長期金利も1%を超える水準まで上がってきています。その影響で日本国債も売られ始めました。

これまでは、株価が上がって日本国債の価格が下がると、その割安感に注目したリスク回避型の投資家により即座に買いが入り、日本の長期金利は逆に下がって推移してきましたが、ここへきて日本の長期金利も上がり始めました。

※当記事の金利や情報は2021年1月11日時点のものを記載しております。
最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認ください。

執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

金融市場の動向:2021年2月バイデン政権スタートに期待する金融市場

2020年11月の米大統領選挙でバイデン氏が勝利した後の米国長期金利の振れ幅は小さく、かなりフラットになってきていました。

上昇のきっかけは2021年1月6日、米上院選挙で民主党が多数派を奪還したことでインフラ投資拡大への期待などから米長期金利は上昇し、去年の3月以来の1%超えとなっています。

2021年2月住宅ローンの金利予想(日米長期金利)

金融市場の長期金利は住宅ローンの金利に大きな影響を与えます。

長期金利とは金融市場で取引される10年国債の利回りをいいます。

利回りとは投資した元本に対する成果として得られる利益が年に何パーセントかという割合です。

そして、債券の価格と利回りは逆に動くのです(負の相関関係)。早い話が以下のような法則です。

✓債券の価格が上昇すると利回りが下落する
✓債券の価格が下落すると利回りが上昇する

米国の長期金利が上がったのは、民主党が上院下院ともに過半数を獲得したことで議会のねじれが解消し、バイデン氏による大型の経済政策実現が可能という期待があるためです。

投資家のセオリーとして、経済の先行きが明るいと値上がりを見込める株式を購入するために、国債などの安全資産を売ります。

このため債券価格が下がり、利回りが上昇するのがセオリーなのです。

バイデン政権の日経平均株価と長期金利への影響

2020年11月2日~2021年1月8日までの長期金利と日経平均株価の動向をグラフにしました。

2021年2月住宅ローンの金利予想(長期金利と日経平均株価の推移)

青の折れ線グラフの日経平均株価は右肩上がりに上がっています。

特に11月の後半からは、90%超の予防効果があるというファイザー社の新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から、債券を売却し株式を購入する流れへ移行しました。そして、2021年1月6日からは米上院選挙による米株価の上昇が波及してさらに上昇しています。

そして同じタイミングで長期金利を示すオレンジの折れ線グラフが上昇しています。

一般的な法則として、株価が上がるということは、株式を購入するために債券が売られ、長期金利も上がります。

しかし、上がったとはいえその水準は2021年11月の初めのころの水準よりも低いですね。

これは新型コロナウイルスの感染拡大から安全資産の債券を買う動きもあったことを意味します。

安全資産としての日本国債への需要が根強く、債券価格が下がると即座に買いが入り、債券価格が高く維持されているのです(債券価格が上がると利回りは下がる)。

主に日本国債を購入する国内の機関投資家は慎重姿勢を崩しておらず日本国債を買い支える傾向があります。

そのため、バイデン政権への期待から米国の株価が上がり、日本の株価も上昇していくとしても、長期金利はそれほど上がらないだろうと予想しています。

銀行の営業方針:コロナ禍に住宅を購入する優良顧客の争奪戦

基本的に1月から2月は決算月の3月に住宅ローンの実行を予定している顧客を獲得するために低金利をアピールする傾向があります。

3月は新築マンションの完成引き渡しが集中する時期だからです。

そして2021年3月期のトピックとしては、この時期に住宅の引き渡しを受ける人は新型コロナウイルスの感染が拡大し、初めての緊急事態宣言で経済活動が大幅に自粛した時期に住宅の契約をした人が多く含まれるということです。

コロナ禍にあって収入を減らさない高年収の人たちや、先行きの不透明な時期でも住宅を購入できる資金力のある人たちです。

銀行としては、なんとか顧客として囲い込みたいと思う属性の人が多いということです。

また今のコロナ不況下にあって、企業向けの事業融資は、コロナ不況による倒産で取りはぐれる危険性が高まっています。

これに対して、住宅ローンは銀行にとって貸し倒れる可能性が低い超優良債権です。

住宅ローンは生活の基盤であるマイホームに第一順位の抵当権を設定します。

そして債務者は家を取られないように死に物狂いで返済にコミットしますから、コロナ不況の環境下で積極的に獲得していきたい債権なのです。

特に銀行から見て属性の高い人の住宅ローンは、これまで以上に積極的に獲得していきたいと考えるでしょう。

低金利でも融資できる属性の高い顧客をターゲットにした低金利競争は、通常の年よりもさらに激化する傾向があるのです。

金利タイプ別2021年2月の金利予想

では、金利タイプ別に2021年2月の金利がどうなっていくのか予想していきます。

1月11日までの公開情報を前提とした予想になります。

30年超の超長期固定金利は横ばい

こちらは、30年超の超長期固定金利の代表であるフラット35(買取型)の金利と長期金利の推移を2020年10月から2021年1月までとったものです。

2021年2月住宅ローンの金利予想(フラット35(買取型)と長期金利)

フラット35の金利は前月の20日前後に決まりますので、その時点に青い棒グラフのフラット35(買取型)金利を立てています。

これは直近4か月の機構債の表面利率が発表される日が16日か18日となっていて、ちょうどその時の長期金利によって決まっている部分が大きいことを示しています。

2020年10月から2021年1月までの4か月間の長期金利は0.01%~0.04%で推移しており、ちょうど機構債の表面利率が決まるタイミングで0.02%または0.03%となっています。

今月の機構債発表のタイミングに長期金利がどのあたりになるのか?

ピタリと予想することは難しいですが、前述の予想どおりにおおむね横ばいの0.03%あたりで推移していけば、1.31%くらいに上昇するでしょう

なお、民間住宅ローンの30年超の超長期固定金利も、フラット35と似た動きになる傾向がありますのが、今後低金利競争が過熱していくならば民間住宅ローンの30年以上の超長期固定金利については、横ばい又は期待含みで下がると予想しています

20年前後の長期固定金利は横ばいor下がる

主要銀行の2020年1月の20年固定は金利を下げた銀行、横ばいとした銀行、上げた銀行と各行の営業方針によって分かれました。

現時点の最低金利はりそな銀行の0.895%であり、最低金利は下がっています。

上げた銀行があったのは予想外でしたが基本的に下がる傾向に変わりはないと考えており、2021年2月も引き続き横ばい又は期待含みで下がると予想しています。

10年前後の中期固定金利は横ばいor下がる

主要銀行の2021年1月の10年固定金利は横ばい又は下がるという予想が的中しました。

さらにPayPay銀行が0.499%と0.4%台の低金利を付けています。

2位グループは0.53%となっており住信SBIネット銀行やSBIマネープラザ、三井住友信託銀行など複数の銀行が金利を下げてきています。

今の時点でもかなりの低金利ですのでさらに大幅な下落は期待できませんが、2021年2月も引き続き横ばい又は期待含みで下がると予想しています。

変動金利は横ばい

変動金利は、長期金利ではなく中央銀行の政策金利に影響を受けます。

政策金利とは、中央銀行が民間銀行に融資するときの金利です。

景気後退時には政策金利を下げ、好景気時には政策金利を上げます。

日本銀行には、今のところ政策金利について新たな政策情報はありません。

また、米連邦準備理事会(FRB)は6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2022年末までゼロ金利政策を維持する見通しを表明しており、8月27日には、物価上昇率が一時的に目標の2%を超えるのを容認する新たな政策方針を導入しています。

また、前述のように日本のコロナ不況からの回復ペースはかなり遅いと見込まれています。

そのため、しばらくの間は変動金利が上がることは無いと予想しています。

2021年2月の変動金利は横ばいで推移するでしょう。

まとめ~全体的に横ばいor下がる傾向だが想定外への準備が必要

民主党が上院下院ともに過半数を獲得したことで議会のねじれが解消し、バイデン氏による大型の経済政策実現が可能という期待からNYダウは3万ドルを超え、米長期金利も1%を超えてコロナショック前の水準に戻ってきています。

しかし、今のところ日本の長期金利への波及は抑えられているようです。

このまま行けば月末まで日本の長期金利はそれほど上がらず、2月の住宅ローンの金利も横ばいか下がると予想しています。

ただし、これはあくまでこの記事の執筆時点で千日太郎個人が予想していることにすぎません。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。

引き続き、日々の金利動向に目を配っておくことをお勧めします。

また、できるだけ複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておき、想定外の事態に対する保険としてください。

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