• 2021.04.14

2021年4月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
2021年4月まで 住宅ローン 金利

こんにちはブロガーの千日太郎です。

ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。

この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?

また、過去から今月までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

コロナ環境下でお勧めの金利タイプは?

コロナ対策による巨額の財政出動と金融緩和によって世界的な株価の高騰(コロナバブル)が続いています。

その一方で新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお不確実であるとの市場の共通認識から長期金利の上昇は止まり、4月上旬は横ばいで推移しています。

こうした現在の状況に至るまでの2021年4月までの金利動向を振り返り、今おトクな金利タイプを分析します。

金利タイプ別2021年4月までの金利推移

では、直近2021年4月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。

30年超の超長期固定金利

30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。

住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。

フラット35の金利は2021年に入ってから上昇

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい  0.02ポイント上がる 0.02ポイント上がる 0.02~0.03ポイント
上がる
実績 0.02下がった! 0.03ポイント
上がった
ほぼ的中 
0.03ポイント
上がった
ほぼ的中 
0.03ポイント
上がった
的中!!

2021年に入ってからのフラット35金利は2月に0.03ポイント上昇、3月には0.03ポイント上昇、4月には0.02ポイント上昇と、連続上昇していますが、全て予想を的中させています

2021年5月の予想は横ばいとしています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

2021年4月までの推移とおススメ度

2020年3月のコロナショックの後はおおむね1.3%前後で推移してきましたが、2021年に入ってから急上昇してきました。

2021年4月住宅ローンの金利予想(フラット35と長期金利)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。

2020年度のフラット35(買取型)金利推移
1月 2月 3月 4月 5月 6月
1.27% 1.28% 1.24% 1.30%  1.30% 1.29%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1.30% 1.31%  1.32% 1.30%  1.31%  1.31%
2021年度のフラット35(買取型)金利推移
1月 2月 3月 4月 5月 6月
1.29% 1.32% 1.35% 1.37%

千日太郎としてはコロナ不況下のフラット35の適正水準を1.3%と考えており、数か月先に実行を予定している人の住宅ローンシミュレーションを行う場合の金利は1.3%で行います。

その点、今はコロナバブルによって長期金利が高騰し4月のフラット35の金利は1.37%となり割高感があります。

しかし民間銀行と比較すると、フラット35の金利は前の月の20日前後に発表される機構債の表面利率でほぼ予想ができるため、民間金融機関とは違って何パーセント上がるか事前に把握できます。

2021年3月に長期金利が急上昇した局面においてはフラット35の金利上昇を抑える対応を行いました。

これは住宅金融支援機構が営利を目的としない非営利団体であるがゆえの対応です。

そのためコロナバブル下においてのフラット35のオススメ度は基本的に高く、前月の4.0から横ばいとします。

これに対して、民間金融機関が固定金利を決めるタイミングは前月末であり、さらにその後の金利動向に対する銀行の予想に加えその銀行特有の営業方針によっても上下させることがあり予想が困難です。

特にコロナバブル下においては、市場の金利上昇幅よりも大きく便乗値上げする可能性があるのがデメリットです。

民間の超長期固定金利はフラット35と同じ4.0とします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

20年固定金利

20年固定金利は、40代から住宅ローンをスタートする人によくお勧めしています。

また、金利が1%未満のときに実行できれば、住宅ローン控除を利用することで逆に儲かる上に20年にわたって金利を固定できるというメリットがあります。

しかし一方で20年固定金利は金融市場の動向だけでなく、銀行の営業方針によって変動する傾向が高いため金利予想の精度が低くならざるを得ないのが難点です。

20年固定の金利推移

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
上がる 上がる
実績 銀行により対応が
分かれた
銀行により対応が
分かれた
的中!! 的中!!

20年固定は比較的長期の固定金利であるため、フラット35ほどの連動性はありませんが、長期金利と似た動きをする傾向があります。

民間銀行が4月の金利を決定する3月末にかけて長期金利が上昇傾向にあり、民間銀行が4月に金利を下げるインセンティブが無いと推理し、金利を上げる可能性が高いという予想を行い、ほぼ的中しました。

そして2021年5月の20年固定は横ばいと予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

2021年4月までの推移とおススメ度

2020年は「住宅ローン控除で借入が多いほどおトクになる」1%のラインを下回る水準で推移してきたのですが、2021年に入って上昇し始め4月には全ての銀行で1%以上の水準になってしまいました(引き下げキャンペーンの適用を除く)。

2021年4月まで 住宅ローン 金利(20年固定とフラット35)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、20年固定金利は7月から金利を下げてきている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

2020年2月にはりそな銀行が0.945%で単独一位でしたが、3月には0.995%、4月には1.045%と連続上昇し、他のネット銀行なども1%以上の水準となっています。

お勧め度については前月から1%台に上がることを見込んで3.5という低い水準としていました。

今後金利が下がる要素が見えていない現段階においては、前月と同じく3.5とします。

☆☆★★★オススメ度は5点満点で3.5点★★★☆☆

10年前後の中期固定金利

主要銀行の10年固定金利のトレンドとしては長期金利が上下しても住宅ローンの金利に影響せず、最低金利は一貫して下がる傾向で推移してきました。

しかし、2021年4月にはそれまで最低金利を出していたPayPay(旧ジャパンネット)銀行が金利を上げており、低下にストップがかかりました。

10年固定金利は上がってきた

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい
又は
下がる
上がる 横ばい
実績 横ばい
or
下がった
的中!!
銀行によって対応が
変わった
横ばい
or
下がった
ほぼ的中
銀行によって対応が変わった

2月から3月にかけては横ばいとした銀行が多く、最低金利のPayPay銀行(旧PayPay銀行)も変わらず0.499%を維持していました。

しかし3月から4月にかけては0.599%へ一気に0.1ポイント上昇させており、ネット銀行としてはそれほど低い金利と言えなくなっています。

固定金利については3月あたりから金利を上げる銀行が散見されるようになってきました。

なお2021年5月の10年固定金利についてはおおむね横ばいと予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

10年固定金利の推移とおススメ度

コロナショック後、ほとんど横ばいで推移してきましたが、最低金利についてはここ2年と3か月は一貫して下がり続けてきました。

しかし2021年4月には最低金利を出していたPayPay銀行(旧PayPay銀行)が金利を上げたことにより最低金利が上昇しています。

2021年4月まで 住宅ローン 金利(10年固定)

(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。

2021年4月に最低金利が上がったものの、年間を通して10年固定を主力としている銀行が多く、他の固定金利よりは低金利が維持されるものと考えています。

おススメ度は依然として高く前回の4.5点を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.5点★★★★☆

変動金利

各行が名目上の最低金利を競っているような状態ですが、変動金利についてはどの銀行も僅差です。

利用者の我々としては金利だけに引っ張られず、実際の支払額(毎月の返済額や総支払額)で比較すべきです。

期間限定のキャンペーンを除きおおむね横ばい

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!

変動金利はどの銀行もおおむね0.5%台かそれを下回る水準です。
PayPay銀行など一部のネット銀行では0.3%台に突入しています。

ただしベースの金利が低いため、実際に毎月の返済額や総支払額で比較すると、変動金利同士では有意な差にならないことが多いです。

そうした場合は無料で付帯する疾病保障の手厚さなどが決め手になると思います。

なお、2021年5月の金利予想は「横ばい」としています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

2021年4月までの推移とおススメ度

住宅ローンの固定金利は長期金利が上昇傾向にあると金利が上がる可能性がありますが、変動金利の場合は長期金利の影響で上がるということはありません。

住宅ローンの変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。

ただし、日銀の政策金利はすでにマイナスとなっており、現時点ではその影響力を失っていると考えています。

むしろ前述のように銀行間の駆け引きによって上がったり下がったりする傾向にあります。

こちらはリーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしたものです。

2021年4月住宅ローンの金利予想(日米政策金利の比較)

米連邦準備理事会(FRB)はコロナショックの2020年3月にゼロ金利政策を導入しており、少なくとも2022年末までという長期間にわたりマイナス成長が続くとの見通しを表明しています。

2021年に入ってからコロナバブルにより株価と金利が高騰した2021年4月においても「新型コロナウイルスの感染流行が終息した後にインフレが制御不能になるリスクは懸念していない」とのメッセージを発信し続けており、現時点の市場の共通認識となりつつあります。

日銀が政策金利を上げるということは考えにくいでしょう。

しかし、変動金利は6か月ごとに金利を見直し、銀行の判断で上げることのできる金利タイプです。

主要行が変動金利を下げているのは、最も早く金利を上げることのできる金利タイプだからです。

コロナ収束後の急激な経済のV字回復で金利が上がる可能性もゼロとは言えません。

おススメ度は前月の4.0を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

まとめ~3月から4月にかけておススメ度に変化なし

この記事の執筆時点において千日太郎の考えるおススメの住宅ローンは以下の通りです。

各金利タイプのお勧め度は現時点のみならず今後の動向も含むものとなっています。3月から4月にかけては、今後の見通しに変化はなくおススメ度に変化はありません。

金利タイプ オススメ度 コメント
変動金利 4.0点 変動金利 4.0点 もともと低金利で、今後さらなる下がり代は少ない。
現在の低金利の背景には、コロナ収束後に適用金利を上げる可能性がある。
30年超の
固定金利
フラット35
4.0点 
フラット35の金利はコロナ不況下の割には高い水準。
民間
4.0点
 長期金利の上昇に伴い、銀行の営業方針によっては大きく上がる可能性がある。
20年
固定金利
3.5点 当初固定金利として1%を超える水準に上がっており、相対的にお勧め度は下がる。
10年
固定金利
4.5点 コロナショック前後で変わらず低金利で推移している。
長期金利の上昇にかかわらず低金利を維持する傾向がある。

予想についての記述ついては、あくまで執筆時点の公開情報に基づき千日太郎個人が予想していることです。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。

複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておくことが、想定外の事態に対する保険となります。面倒がらずにぜひ実践してくださいね!

またこの4月には、千日太郎の著書「住宅破産」が発売となっています。
コロナ時代に住宅を買う人が家を喪失しないための住宅ローンの組み方、長期的な返済計画を立てるノウハウを分かりやすく解説した本です。ぜひお手に取って読んでください。

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