• 2021.08.12

2021年8月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
【毎月更新】2021年8月の金利推移を振り返り

こんにちはブロガーの千日太郎です。

ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。

この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?また、過去から今月までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。

執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

コロナ環境下でお勧めの金利タイプは?

金融市場の長期金利については、日米ともに金利の低下が一服したような状態になっており、住宅ローンの金利動向については、長期金利の低下に合わせて4月から8月まで連続して下がりつづけています。

こうした現在の状況に至るまでの金利動向を振り返り、今おトクな金利タイプを分析します。

金利タイプ別2021年8月までの金利推移

では、直近2021年8月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。

金利タイプごとの金利推移・おススメ度

30年超の超長期固定金利

30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。

住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。

フラット35の金利予想と実績

2021年 1月 2月 3月 4月
千日
予想
横ばい  0.02上がる 0.02上がる 0.02上がる
実績 0.02下がった! 0.03上がった
ほぼ的中 
0.03上がった
ほぼ的中 
的中!!
2021年 5月 6月 7月 8月
千日
予想
横ばい  横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
下がる
実績 0.01下がった!
ほぼ的中 
0.01下がった!
的中!!
0.02下がった!
的中!!
0.05下がった!
的中!!

2021年に入ってからのフラット35金利は長期金利の上昇に伴って上昇しましたが、4月から長期金利が下がり始めており、フラット35の金利も連続で下がり続けています。

2021年9月の予想は横ばいとしています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

コロナ前から2021年8月までの推移とおススメ度

2021年8月まで住宅ローン金利(フラット35と長期金利)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。

フラット35の金利は2021年4月から4か月連続で下がっていますが、このグラフを見ればむしろ下がる前の2021年3月の水準が高すぎたためであることが分かります。

また、フラット35の最低金利は2019年9月の1.11%であり、主にトランプ政権当時の米中対立や10年半ぶりのFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが原因です。

経済危機のスケールとしては、はるかに新型コロナウイルスの方が大きいのですが、それゆえに世界の中央銀行は大規模な金融緩和政策に舵を切り、巨額の財政出動を行いました。

それによって市中には大量の資金が供給されたのですが、消費や投資にはまわらず、株や不動産、投資信託などに投入されて株価が高騰しているのです。これがコロナバブルです。

コロナバブルによって、少し高めの金利になっているとはいっても、基本的には低金利が続くと予想しており『S』や『リノベ』などの補助金制度を利用することでさらに金利が引き下げられるため前月の4.0から横ばいとします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

民間金融機関の超長期固定金利は6月から8月にかけて大きく金利を下げてきています。

しかし、長期金利が底を打ったとすると年末にかけて上昇する可能性もあるためお勧め度は前月の4.5より少し下げてフラット35と同じ4.0とします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

20年固定金利

20年固定金利は、定年退職までの期間が約20年という人にお勧めです。

比較的低金利で20年にわたって金利を固定できるというメリットがあります。

さらに金利が1%未満のときに実行できれば、令和3年度の住宅ローン控除(控除率1%で最長13年)を利用することで逆に儲かります。

20年固定の推移

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
上がる 上がる
実績 銀行により対応が
分かれた
銀行により対応が
分かれた
的中!! 的中!!
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい 横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
実績 下がった! 下がった
的中!!
下がった
的中!!
下がった
的中!!

20年固定は比較的長期の固定金利であるため、フラット35ほどの連動性はありませんが、長期金利と似た動きをする傾向があります。

ただし民間金融機関の住宅ローンですので、金融機関の営業方針によっても上下することがあります。

2021年9月の20年固定は横ばいと予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

コロナ前から2021年8月までの推移とおススメ度

2021年8月まで住宅ローン金利(20年固定とフラット35)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

2019年6月ごろまでは20年の固定金利はあまり目立つ位置づけではありませんでしたが、2019年7月を境として、1%を下回る金利を出している金融機関が数社出てきており、住宅ローン控除によって確実に儲かる有利な住宅ローンとして高い人気を維持しています。

2021年8月の最低金利は0.8%台となっています。

そのため、20年固定金利は今が底の水準であり、お勧め度は最高ランクの5.0です。

しかし今が底であるだけに今後は上がる可能性もあることを想定しておきましょう。

10年前後の中期固定金利

主要銀行の10年固定金利のトレンドとしては長期金利が上下しても住宅ローンの金利に影響せず、最低金利は概ね下がる傾向で推移しています。

10年固定金利は再び下がった

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい
又は
下がる
上がる 横ばい
実績 横ばい
or
下がった
的中!!
銀行によって対応が
変わった
横ばい
or
下がった
ほぼ的中
銀行によって対応が変わった
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 下がった! 的中!! 的中!! 的中!!

なお2021年9月の10年固定金利についても横ばいと予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

コロナ前から2021年8月までの推移とおススメ度

2021年8月まで住宅ローン金利(10年固定)

(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。

2020年3月のコロナショックによっても10年固定金利については全くといっていいほど変動はありませんでした。

そして長期金利が上昇し始めた2021年にも金利は下がりつづけて今に至ります。

これは主要銀行が10年固定を目玉商品としており、価格競争の様相を呈しているためです。

なお2021年6月から8月において、金融市場の長期金利が下がっていますが、10年固定の最低金利を出している1位グループの主要行の10年固定金利は横ばいとなっています。

今後しばらくは金融市場の長期金利が今の低金利であれば、10年固定も低金利が維持されるでしょうが1位グループの銀行においてはさらなる低下は期待できません。

基本的なおススメ度は高いですが前月と同じ4.5点を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.5点★★★★☆

変動金利

各行が名目上の最低金利を競っているような状態ですが、変動金利についてはどの銀行も僅差です。

変動金利はおおむね横ばい

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 的中!! 的中!! 的中!! 的中!!
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 一部下げた! 的中!! 的中!! 的中!!

変動金利はおおむねどの銀行も0.5%を下回る水準です。

ベースの金利が低いため、実際に毎月の返済額や総支払額で比較すると、変動金利同士では有意な差にならないことが多いです。

あまり金利の低さだけに注目しても意味がありません。

なお、2021年9月の金利予想は「横ばい」としています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

リーマンショックから2021年8月までの推移とおススメ度

変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。

リーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。

2021年8月まで住宅ローン金利(日米政策金利の比較)

リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げています(ゼロ金利政策)。

その後米国の景気が回復して米国の政策金利は2016年あたりから順次引き上げられていきましたが、日本は全く上げることが出来ずマイナス金利政策を継続しています。

その後2020年3月にはコロナショックによって米国でも0.25%と実質ゼロ金利政策に突入しました。

これに対して日本は既にマイナス0.1%となっているのでさらなる引き下げもできず今に至っています。

直近ではこれまで米中央銀行のパウエル議長は景気の先行きは不透明だとして金融緩和政策を継続する姿勢を強調してきましたが6月の会合では一転して2023年末までに2回の利上げ可能性を示唆しています。

米国の利上げについてはかなり現実味を帯びてきましたが日本についてはまだ利上げの議論が出てくるような状況にはありません。

なお、変動金利は6か月ごとに金利を見直し、銀行の判断で上げることのできる金利タイプです。

主要行が変動金利を下げているのは、最も早く金利を上げることのできる金利タイプだからです。

コロナ収束後の急激な経済のV字回復で金利が上がる可能性もゼロとは言えません。

おススメ度は前月の4.0を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

まとめ~もし金利が上がった場合にどう動くか?

この記事の執筆時点において千日太郎の考えるおススメの住宅ローンは以下の通りです。

コメントには今後の金利動向に伴う予想も含むものとなっています。

直近の4か月は金融市場の長期金利が下がりつづけており、それを反映して金利タイプによっては史上最低金利となっています。

しかし今が底の水準であるとすれば、年度末(2021年3月)にかけては上がる可能性もあります。

9月よりも少し先に住宅ローンの実行を予定している人は、上がる可能性があることも想定しておく必要があるでしょう。

金利タイプ オススメ度 コメント 変動金利 4.0点 もともと低金利で、今後さらなる下がり代は少ない。

現在の低金利の背景には、コロナ収束後に適用金利を上げる可能性がある。

金利タイプ オススメ度 コメント
変動金利 4.0点 もともと低金利で、今後さらなる下がり代は少ない。
現在の低金利の背景には、コロナ収束後に適用金利を上げる可能性がある。
30年超の
固定金利
フラット35
4.0点 
フラット35の金利はコロナ不況下の割には高い水準。
民間
4.0点
年末にかけて長期金利が上がると金利も上げる可能性がある。
20年
固定金利
5.0点 20年固定では底の水準であるが、年度末にかけては上がる可能性もある。
10年
固定金利
4.5点 コロナショック前後で変わらず低金利で推移している。
長期金利の上昇にかかわらず低金利を維持する傾向がある。

予想についての記述ついては、あくまで執筆時点の公開情報に基づき千日太郎個人が予想していることです。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。

複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておくことが、想定外の事態に対する保険となります。

面倒がらずにぜひ実践してくださいね!

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