2019年12月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新【2019年12月版】
執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
こんにちはブロガーの千日太郎です。
ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。
この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったかと過去から今までの金利推移を分析し、現時点でのおすすめ度を5段階評価で評価します。
※当記事の金利や情報は2019年12月時点のものを記載しております。最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認下さい。
この記事を執筆・監修している専門家
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
2019年12月までの予想に対する実績と金利推移
住宅ローンの金利は、長期金利の低下傾向を反映して7月~10月まで低金利を更新しつづけてきたのですが、11月から上昇に転じ12月はさらに上がりました。
そして、住宅ローンの金利予想については2019年9月から4か月連続して的中記録を更新中です。
金融機関にとっての住宅ローンの金利が商品の価格のようなものであるとするなら、その原価は金融マーケットの長期金利です。
長期金利の動向を読むことである程度は前月から予想が出来るのです。
銀行ごとの営業方針によって住宅ローンの金利が動く場合もあり、それも予想に反映させています。
これまでの予想が的中しているということは、銀行の営業方針と千日の読みがマッチしているということですから、今後もこれを軸に予想していけば良さそうですね。
金利タイプ別2019年の金利推移
では、直近2019年12月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
金利予想に対する実績は4か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | まだ下がる | 下げ止まる or 上がる |
横ばい or 上がる |
上がる |
実績 | 前月比-0.06%下がった←的中!! | 横ばいだった ←的中!! |
上がった ←的中!! |
上がった ←的中!! |
金利予想としては、上記のように4か月連続で的中しています。
ちなみに2020年1月の30年超の金利は「横ばいor上がる」と予想しています。
2019年12月までの推移とおススメ度
フラット35は、もともと金融市場の長期金利が低いため低金利で推移していたのですが、10月から12月にかけて上昇しています。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
<2019年度のフラット35(買取型)金利推移>
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
1.33% | 1.31% | 1.27% | 1.27% | 1.29% | 1.27% |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
1.18% | 1.17% | 1.11% | 1.11% | 1.17% | 1.21% |
フラット35の金利は2019年11月から上がってきてはいるものの、長期金利のマイナスを反映した超低金利であることに変わりはありません。
また、長期金利が上がっているとはいえ、まだまだ本格的に金利が上がっていく局面ではありませんから、再び下がる可能性もあります。
長期の固定金利で借りたい人にとって、今のフラット35は依然としておトクな住宅ローンですし「S」や「子育て支援」など、利息の一部を国や自治体が肩代わりしてくれる補助金制度も充実しています。
★★★★★ オススメ度は5点満点で「5点」です! ★★★★★ |
20年固定金利
当初固定金利の20年については、10月を境として徐々に上げる金融機関が増えてきています。
金利予想に対する実績は4か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 0.8%台まで下がる | 下げ止まる | 横ばい or 上がる |
横ばい or 上がる |
実績 | 0.85%前後まで下がった ←的中!! |
横ばい、一部上げた ←的中!! |
横ばい、一部上げた ←的中 |
上がった ←的中 |
金利予想としては上記のように、4か月連続で的中しています。
ちなみに2020年1月の20年固定は「上がる」と見ています。
20年固定金利は各金融機関の営業方針によって対応が変わる金利タイプです。
2019年11月までの推移とおすすめ度
6月まではフラット35(買取型)とあまり変わらない水準で推移していたのですが、2019年7月を境として金利が下がり、「住宅ローン控除で借入が多いほどお得になる」1%を下回る金利水準で推移してきています。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、20年固定金利は7月から金利を下げてきている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
住宅ローン控除との絡みでは金利が1%を超えるか超えないかがポイントになるのですが、ほとんどの金融機関で1%を超える金利にまで上がってきています。
2019年12月適用金利では、20年固定金利で最も低金利を付けている「auじぶん銀行」だけが1%未満の0.901%(当初20年固定、当初期間引下げプラン)となっています。
※auじぶん銀行の最新金利はこちらから確認してください。
金利が1%未満で今後も推移するという前提でおすすめ度5点としていた時もあったのですが、今のペースでいくと遠からず1%を超えそうですね。
★★★★★ オススメ度は5点満点の5点から「4点」に下げましょう。★★★★★ |
10年前後の中期固定金利
主要銀行の住宅ローンは10年固定をメインとして価格競争となってきたのですが、既に下がりきって、今はあまり動きの無い状況です。
変動金利に近い低金利の水準で10年間金利が固定されるので人気の金利タイプですね。
金利予想に対する実績は4か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい or 上がる |
実績 | 横ばい ←的中!! |
横ばい上下が混在 ←的中!! |
横ばい ←的中!! |
横ばいと 上昇が混在 ←的中!! |
金利予想としては、これも4か月連続の的中となりました。
ちなみに2020年1月の10年固定の金利も「横ばいor上がる」と予想しています。
2019年12月までの推移とおすすめ度
長期金利と連動するフラット35の金利は11月を境として上がってきており、20年固定もつられて上がっているのですが、10年固定については基本的に横ばいで推移しています。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、10年固定金利は過去から低金利で主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
2019年12月適用金利で、最も低金利を付けているのは、auじぶん銀行の0.57%(当初10年固定、当初期間引下げプラン)ですが、長期金利は上昇していても、主力商品としてあえて金利を上げていないor上げ幅を抑えている金融機関が多いです。
※auじぶん銀行の最新金利はこちらから確認してください。
金利の上昇局面においては、どの銀行も住宅ローンの金利を上げるのですが、今のところ10年固定については戦略的にあえて金利を据え置いているのではないか?と見ています。
10年固定よりは20年固定の方が固定期間が長いのでお勧めしたいところですが、20年固定の方は金利上昇でもろに金利が上がっていますので、おすすめ度を4点に下げました。
金利上昇局面で上がりにくいという点を評価し、おススメ度は5点満点の4.2点といったところでしょう。
★★★★ オススメ度は5点満点の「4.2点」 ★★★★ |
変動金利
ネット銀行を中心に変動金利が最低金利を争ってきています。
数年単位で少しずつ刻むように下がっているという感じです。
ネット銀行が強いということもあって、住宅ローンをインターネットで検索していて、まず目につくのが変動金利だと思います。
数値としては最も低金利になるので、各行が最も目立つところに金利を表示しています。
金利予想に対する実績は4か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい ←的中!! |
横ばい ←的中!! |
横ばい ←的中!! |
横ばい ←的中!! |
金利予想としては4か月連続で的中していますが、ほとんど動きの無い状況での的中なので、さほど誉められたことではないかなと思います。
ちなみに2020年1月の金利予想も「横ばい」と見ています。
2019年12月までの推移とおススメ度
住宅ローンの変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けます。
なので、ここでは政策金利の推移を見ておきましょう。
2019年7月にFRB(米連邦準備制度理事会)が10年半ぶりに政策金利を0.25%下げ、9月10月には刻むように0.25%ずつ下げ、2019年12月現在では1.75%で止まっています。
FRBが政策金利を下げた直後からは、日銀もさらに利下げが必要な局面か?との声もあり、日銀の黒田総裁もその可能性があることを言及していますが、2019年12月においてその利下げ観測は後退し、長期金利は上昇していますね。
ただ、これから金利が上がるムードでもなく、あくまで一時的な上昇です。
変動金利の見方に変更を加えるような事象はなく、オススメ度は5点満点の4点といったところでしょう。
★★★★ オススメ度は5点満点の「4点」 ★★★★ |
まとめ~低金利で狭いレンジでの上昇局面
住宅ローンの金利は金融市場の金利の影響を受けます。
12月は金利上昇局面ではありますが、例によって低金利の狭いレンジでの上昇にとどまっています。
引き続き取引材料となる要素に乏しく、先行きとしては不安定ですね。まとめると以下のようになります。
金利タイプ | オススメ度 | コメント |
---|---|---|
30年超の固定金利 | 5点 | 長期金利が上がったことでフラット35の金利も上がっている。ただしここ1年の中でも十分に低金利の水準である。 |
20年固定金利 | 4点 | ここ最近の長期金利上昇局面で金利を上げる銀行が多数派。 1%超となっており住宅ローン控除でのうま味が減っている。 5点から4点に減点。 |
10年固定金利 | 4.2点 | ここ最近の金利上昇局面で据え置く銀行があり、低金利を維持する期待が持てる。3.8点から4.2点に加点。 |
変動金利 | 4点 | 低金利ではあるが、ここ数年は横ばい。 |
ぜひ参考にしてください。