• 2021.06.15

2021年6月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
【毎月更新】2021年6月の金利推移を振り返り

こんにちはブロガーの千日太郎です。

ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。

この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?
また、過去から今月までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。

この記事を執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

コロナ環境下でお勧めの金利タイプは?

金融市場の長期金利については、2021年に入ってからは経済正常化への期待から一時的に急上昇しましたが、4月以降はいったん下がって5月から6月にかけてはおおむね横ばいで推移しています。

住宅ローンの金利動向についても、長期金利と似た傾向で動いていますね。

3月には全体的に金利が上がったのですが4月5月に連続して下がり、5月から6月にかけては下がったものの、その下がり幅が減ってきています。

こうした現在の状況に至るまでの金利動向を振り返り、今おトクな金利タイプを分析します。

金利タイプ別2021年6月までの金利推移

では、直近2021年6月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。

30年超の超長期固定金利

30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。

住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。

フラット35の金利予想と実績

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい  0.02ポイント上がる 0.02ポイント上がる 0.02~0.03ポイント
上がる
実績 0.02下がった! 0.03ポイント
上がった
ほぼ的中 
0.03ポイント
上がった
ほぼ的中 
0.03ポイント
上がった
的中!!
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい  横ばい
又は
下がる
実績 0.01下がった!
ほぼ的中 
0.01下がった!
的中!!

2021年に入ってからのフラット35金利は長期金利の上昇に伴って3か月連続で上昇を続けました。

4月から長期金利が下がり始めたため、フラット35の金利も少しずつ下がり始めています。

2021年7月の予想は横ばい又は期待含みで下がるとしています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

コロナ前から2021年6月までの推移とおススメ度

2021年6月住宅ローンの金利予想(フラット35と長期金利)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。

フラット35は今も歴史的な低金利ではあるのですが、こうしてグラフにしてみるとコロナ前の方がより低金利でした。

フラット35の最低金利は2019年9月(団信込み1.11%)です。

このころはトランプ政権当時の米中対立や世界経済への先行き不安と、10年半ぶりのFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げを受けて、投資家のマネーが安全な国債に集まったのが原因です。

その後の景気の回復とともに長期金利が上昇し2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大によるコロナショックが発生したのです。

一時的にフラット35の金利は下がっていますが、その後は上昇に転じて2020年度は概ね横ばいで推移しました。

2021年に入ってからはバイデン政権がスタートし、さらに新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったことで経済正常化への期待が膨らみ、3月にかけてはさらに長期金利が上昇し、フラット35の金利も上昇しています。

しかし、インドで感染力の強い変異株による感染拡大が確認され、国内でも第4波による緊急事態宣言の発出と延長によって景気回復への期待が萎み再び金利が下がる状況にあります。

経済正常化の期待が後退し、今後は低金利となっていく傾向にあることと『S』や『リノベ』などの金利引き下げを利用すれば今でも十分な低金利となるため前月の4.0から横ばいとします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

民間金融機関の超長期固定金利は4月から5月にかけて金利を下げてきていましたが、5月から6月にかけては概ね横ばいとなりました。

前月まではフラット35よりも下がる期待を持っていたのですが、民間住宅ローンは営業戦略として積極的に金利を下げない傾向が見てとれました。お勧め度はフラット35と同じ4.0とします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

20年固定金利

20年固定金利は、定年退職までの期間が約20年という人にお勧めです。

比較的低金利で20年にわたって金利を固定できるというメリットがあります。

さらに金利が1%未満のときに実行できれば、令和3年度の住宅ローン控除(控除率1%で最長13年)を利用することで逆に儲かります。

20年固定の推移

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
上がる 上がる
実績 銀行により対応が
分かれた
銀行により対応が
分かれた
的中!! 的中!!
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい 横ばい
又は
下がる
実績 下がった! 下がった
的中!!

20年固定は比較的長期の固定金利であるため、フラット35ほどの連動性はありませんが、長期金利と似た動きをする傾向があります。

ただし民間金融機関の住宅ローンですので、金融機関の営業方針によっても上下することがあります。

2021年7月の20年固定は横ばいか期待含みで下がると予想しています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

コロナ前から2021年6月までの推移とおススメ度

2021年6月住宅ローンの金利予想(20年固定とフラット35)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

2019年6月ごろまでは20年の固定金利はあまり目立つ位置づけではありませんでした。
グラフでもフラット35(買取型)の金利と50歩100歩という感じですね。

金利が同じくらいならば金利が固定されている期間の長いフラット35の方がおトクという位置づけでした。

しかし2019年7月を境として、1%を下回る金利を出している金融機関が数社出てきており、現在に至っています。

なお、2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大によるコロナショックが発生していますが、これによって20年固定金利が大きく下がる又は上がるということもなく、概ね横ばいで現在に至っています。

過去に当初20年の固定金利が1%を下回るということはありませんでしたので、長い目で見ると史上最も低金利で20年固定を借りることの出来るタイミングと言えそうです。

今後しばらくコロナ禍にも底堅い需要のある住宅ローンの獲得に意欲を出していると分析しています。

民間住宅ローンは長期金利が下がらなかった場合でも営業戦略として金利を下げる可能性がありますので、お勧め度は高い4.5とします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.5点★★★★☆

10年前後の中期固定金利

主要銀行の10年固定金利のトレンドとしては長期金利が上下しても住宅ローンの金利に影響せず、最低金利は概ね下がる傾向で推移しています。

10年固定金利は再び下がった

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい
又は
下がる
上がる 横ばい
実績 横ばい
or
下がった
的中!!
銀行によって対応が
変わった
横ばい
or
下がった
ほぼ的中
銀行によって対応が変わった
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい 横ばい
実績 下がった! 的中!!

なお2021年7月の10年固定金利についても横ばいと予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

コロナ前から2021年6月までの推移とおススメ度

2021年6月住宅ローンの金利予想(10年固定)

(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。

2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大によるコロナショックが発生していますが、これによって10年固定金利が大きく下がる又は上がるということもなく、長期金利が上昇し始めた2021年にはむしろ金利を下げています。

ただし2021年3月から4月にかけて金利を上げており、これは経済正常化への期待から長期金利が急上昇したタイミングと重なっていますが、その後5月には再び金利を下げています。

歴史的には10年固定の最低金利は日銀がマイナス金利政策をスタートした2016年の0.35%ですがわずか1か月だけでした。

その時を除けば十分に低金利で借りることのできるタイミングです。
10年固定金利は年間を通して主力商品としている銀行が多く、今後しばらくは低金利が維持されるものと考えています。

もともと低金利であるため、さらなる低下は期待できませんがおススメ度は依然として高く前回の4.5点を維持します

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.5点★★★★☆

変動金利

各行が名目上の最低金利を競っているような状態ですが、変動金利についてはどの銀行も僅差です。

変動金利はおおむね横ばい

2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
2021年 5月 6月 7月 8月
千日予想 横ばい 横ばい
実績 一部下げた! 横ばい
的中!!

変動金利はおおむねどの銀行も0.5%を下回る水準です。

ベースの金利が低いため、実際に毎月の返済額や総支払額で比較すると、変動金利同士では有意な差にならないことが多いです。そうした場合は無料で付帯する疾病保障の手厚さなどが決め手になると思います。

なお、2021年7月の金利予想は「横ばい」としています。
詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

リーマンショックから2021年6月までの推移とおススメ度

変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。

リーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。

2021年6月住宅ローンの金利予想(日米政策金利の比較)

リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げています(ゼロ金利政策)。

その後米国の景気が回復して米国の政策金利は2016年あたりから順次引き上げられていきましたが、日本は全く上げることが出来ずマイナス金利政策へと突入しています。

そして2020年3月には新型コロナウイルスの感染拡大リスクから、米国では3日に1.5ポイントの緊急利下げを決定し、これにより0.25%と実質ゼロ金利政策に突入しています。

これに対して日本は既にマイナス0.1%となっているので引き下げることはできず今に至っています。

2021年に入ってからはワクチン接種が進むことで経済が正常化し、米政策金利の利上げが近いのではないかという見方も出ていますが、パウエル議長は景気の先行きは依然として不透明だとして金融緩和政策を継続する姿勢を強調しています。

当分の間金利が上がる可能性は低いと言えます。

しかし、変動金利は6か月ごとに金利を見直し、銀行の判断で上げることのできる金利タイプです。

主要行が変動金利を下げているのは、最も早く金利を上げることのできる金利タイプだからです。

コロナ収束後の急激な経済のV字回復で金利が上がる可能性もゼロとは言えません。おススメ度は前月の4.0を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

まとめ~しばらくは住宅ローンの低金利が続く

この記事の執筆時点において千日太郎の考えるおススメの住宅ローンは以下の通りです。

各金利タイプのお勧め度は現時点のみならず今後の動向も含むものとなっています。

金融市場の低金利に加えて再び銀行間の住宅ローン争奪戦が激化していく兆候があり、今後は民間の(当初)固定金利が下がるのではないか?と見ています。

金利タイプ オススメ度 コメント
変動金利 4.0点 もともと低金利で、今後さらなる下がり代は少ない。
現在の低金利の背景には、コロナ収束後に適用金利を上げる可能性がある。
30年超の
固定金利
【フラット35】
4.0点 
フラット35の金利はコロナ不況下の割には高い水準。
【民間】
4.5点
5月から6月にかけて横ばいとなっており、積極的に下げる傾向にはない。
20年
固定金利
4.5点 民間銀行の間で住宅ローンの低金利競争がスタートする兆候があり、今後下がっていく可能性がある。
10年
固定金利
4.5点 コロナショック前後で変わらず低金利で推移している。
長期金利の上昇にかかわらず低金利を維持する傾向がある。

予想についての記述ついては、あくまで執筆時点の公開情報に基づき千日太郎個人が予想していることです。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。
複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておくことが、想定外の事態に対する保険となります。

面倒がらずにぜひ実践してくださいね!

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