2024年4月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新
最終更新日:
- 編集者
このページにはPRリンクが含まれています
また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧
こんにちは公認会計士の千日太郎です。イーデスでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。
そして前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?また、過去から今月までの金利推移を分析しています。
そして下表は前月と今月のオススメ度を5段階評価で評価したものです。
3月の日銀政策決定会合ではマイナス金利政策が解除されましたが、マイナス金利政策の解除後もしばらくは金融緩和政策が続くという日銀植田総裁の発言によって、市場にはほぼ混乱なく受け入れられており、住宅ローン金利への影響もほとんどありませんでした。
下表は日銀の利上げを踏まえた上での住宅ローンのおススメ度です。3月の時点ですでに利上げを織り込んでスコアを付けていることから、4月にかけて変更はありません。
変動金利 | |
---|---|
3月:3.7点 4月:3.7点 | 3月利上げ後も横ばいで推移しているが、次の利上げでは上昇する可能性がある。 |
30年超の固定金利 | |
(フラット35) 3月:5.0点 4月:5.0点 | 3月から4月にかけて長期金利は上昇したが、フラット35は逆に金利を下げた。 加えて子育てプラスで金利が下がる。 |
(民間) 3月:4.0点 4月:4.0点 | 利上げ後もしばらくは緩和政策が継続される観測だが上昇傾向となっている。 |
20年固定金利 | |
3月:3.0点 4月:3.0点 | より固定期間の長い30年固定やフラット35の方が低金利だが、特定の銀行グループで低下が始まった。 |
10年前後の中期固定金利 | |
3月:3.5点 4月:3.5点 | 3月利上げ直後の動向は銀行によって大きく分かれており、様子見が必要。 |
株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
「ユーザーが信頼して利用できるWEBメディア」を目指す編集部チーム。実際のユーザーの声や業界知識の豊富な専門家の協力を得ながら、コンテンツポリシーに沿ったコンテンツを制作しています。暮らしに関するトピックを中心に、読者の「まよい」を解消し、最適な選択を支援するためのコンテンツを制作中です。
■書籍
初心者でもわかる!お金に関するアレコレの選び方BOOK
■保有資格
KTAA団体シルバー認証マーク(2023.12.20~)
■許認可
有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可・許可番号:23-ユ-302788)
気になる内容をタップ
金利タイプ別2024年4月までの金利推移
では、直近2024年4月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について詳しくお話します。
金利タイプごとの金利推移・
おススメ度
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
フラット35の金利予想と実績
2024年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 1.85%前後に下がる | 下がるか 横ばい | 上昇が抑えられる | 上昇が抑えられる |
実績 | 1.87%に低下 | 1.82%に低下 的中!! | 1.84%に小幅な上昇 的中!! | 1.82%に低下 的中!! |
2024年4月のフラット35金利は日銀の利上げに伴い長期金利が上昇する中で逆に金利を下げて1.82%となりました。長期金利と逆の動きをすることは、かなり珍しいことです。
なお今後の詳しい予想については下記2024年5月金利予想の記事を読んでみてください。
2024年4月までの推移とおススメ度
(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
2023年の前半は黄色のフラット35がオレンジ色の長期金利を大きく上回りましたが、その後政府が子育て世帯に対してフラット35の金利を引き下げる方針(子育てプラス)が公表されるとフラット35金利が再び下がり始めました。
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除すると、長期金利の上昇とは逆にフラット35の金利は下がりました。
長期金利との比較でお得な水準に下がっており、マイナス金利政策の解除後もしばらくは金融緩和政策が続くことに加え、子育てプラスの恩恵からフラット35は依然として有利であるため、お勧め度はMAXの5を維持しています。
フラット35のオススメ度
5.0点満点の5.0点(先月:5.0点)
民間住宅ローンの超長期固定金利については、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行というメガバンクが参入しています。
日銀がマイナス金利政策を解除した3月から4月にかけてはこれら主要銀行で対応が分かれています。
三菱UFJ銀行は1.91%から1.81%に金利を下げ、みずほ銀行は1.77%から1.80%に金利を上げ、りそな銀行は1.485%から1.585%に金利を上げています。
なお、2024年1月からの推移でみると三菱UFJ銀行は金利を下げており、みずほ銀行とりそな銀行は金利を上げています。このような対応の差は銀行によって今後の金利予想が異なることから発生するものです。
4月時点で最低金利を付けているりそな銀行を含め、多数派の銀行で若干の金利上昇が見られており、日銀による利上げを織り込んで上昇傾向に入ったと見ています。
民間の超長期固定金利はフラット35と比較して子育てプラスを鑑みると少し高いうえ、上昇傾向が観測されるため、前月のお勧め度を維持し4.0としました。
民間住宅ローンの超長期固定金利のオススメ度
5.0点満点の4.0点(先月:4.0点)
20年固定金利
米国のインフレ抑制のための利上げを契機として、主要銀行の20年固定金利の適用金利は軒並み1%を超え、主要銀行で主力商品からも外れる傾向が続いていました。
20年固定の金利予想と実績
2024年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 下がる | 若干の低下又は | 上昇が抑えられる | SBIは下がる傾向 |
実績 | 下がった! 的中!! | 上がった | SBIが下げた | SBIは下げたが他行は対応が分かれた 的中!! |
3月から4月にかけては、住信SBIネット銀行が金利を下げており、同じSBIグループのSBI新生銀行は横ばいで低金利を維持しています。
他行は超長期固定金利と同様に銀行によって対応が分かれる結果となりました。
今後の詳しい予想については下記2024年5月金利予想の記事を読んでみてください。
2024年4月までの推移とおススメ度
(注)グラフのフラット35の金利は買取型としており、20年固定金利は低金利を出している金融機関の金利で直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
20年固定金利は一時35年全期間固定のフラット35(買取型)よりも高い金利にまで上がっていました。
そして2024年に入ってからは徐々に下がり、2024年2月から3月にかけては、フラット35が上昇したのに住信SBIネット銀行の20年固定が下がり、潮目が変わってきています。
なお3月から4月にかけては、フラット35も金利を下げてお勧め度が上がってきているので、相対的にお勧め度に変動はありません。
今のところ20年固定を下げているのはSBIグループのみとなっており、主要銀行としては住信SBIネット銀行とSBI新生銀行ですが、今後は他の銀行にも波及してくる可能性があります。
現時点では子育てプラスの金利引き下げを利用したフラット35の方が低金利ですが、子育て世帯にあたらない人にとって低金利で長期間固定できる住宅ローンとしてメリットが出てきており、前月のおススメ度を維持し3.0としました。
20年固定金利のオススメ度
- 5.0満点の3.0点(先月:3.0点)
10年前後の中期固定金利
主要銀行の10年固定金利は2023年の後半から上昇傾向となっていますが、各行が主力商品としていることもあり、長期の固定金利タイプと比べて上昇は抑えられる傾向があります。
10年固定金利の金利予想と実績
2024年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 下がる | 下がる | 上がるが抑えられる | 上昇が抑えられる |
実績 | 下がった! 的中!! | 下げた銀行(三菱UFJ)と上げた銀行 | 上げた銀行(三菱UFJ)と下げた銀行 | 上げた銀行と下げた銀行 |
今年の1月から2月にかけては主要銀行が金利を上げる中で三菱UFJ銀行が金利を下げ、2月から3月にかけては逆に主要銀行が金利を下げる中で三菱UFJ銀行が金利を上げています。
このように書くと三菱UFJ銀行が独自路線を行っているように見えるかもしれませんが、まず先んじて三菱UFJ銀行が動き、他行がそれに追随していると見ています。
2024年4月までの推移とおススメ度
(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。
10年固定金利は日銀総裁が植田氏に決まった2023年2月から金融政策の正常化が意識され始めると徐々に上昇傾向となっています。
そして2024年3月に日銀がマイナス金利政策の解除を決めた直後の3月から4月については、これを織り込んだ後ということで大きな動きはありません。
ただし2023年6月ごろの水準と比較すると、上のグラフのように最低金利が上昇している状況となっています。
日銀の追加利上げの観測に敏感に反応して上がる可能性があり、これ一本で行くのはリスクがあるため、様子見すべきということでお勧め度を3.5としています。
おススメ度の高いフラット35や後述する変動金利でも審査を通しておくことをお勧めします。
10年固定金利のオススメ度
5.0点満点の3.5点(先月:3.5点)
変動金利
大規模な金融緩和政策下で変動金利は低金利で推移してきましたが、3月のマイナス金利政策の解除後も低金利で横ばいとなっています。
これは日銀が利上げ後も当分の間は金融緩和政策を継続すると発信していることが、市場に受け入れられているためです。
変動金利はおおむね横ばい
2024年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい 的中!! | 横ばい 的中!! | 横ばい 的中!! | 横ばい、一部に下げる銀行 ほぼ的中!! |
変動金利は概ね横ばいの水準ですが、ジリジリと下げながら推移しています。特に3月のマイナス金利政策解除後の4月には三井住友信託銀行とSBI新生銀行が変動金利を下げています。
これは基準金利を変えずに引き下げ幅を増やして金利を下げる、従来型の金利引き下げです。
おそらく唯一、楽天銀行は変動金利を上げました。ただし、楽天銀行は基準金利をTIBOR連動としており、従来から小刻みに上がったり下がったりを繰り返していました。そのため、日銀が金融緩和政策を継続している間は、大幅な上昇は見込まれません。
住宅ローンの金利については、3月の利上げは「ノーカウント」として銀行は対応しているようです。
詳しくは、下記2024年5月金利予想の記事も読んでみてください。
リーマンショックから今までの推移とおススメ度
変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。
リーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしました。
リーマンショックのときには、日米ともに政策金利を引き下げています(ゼロ金利政策)。その後米国では2016年あたりから順次引き上げられていきました。
2020年のコロナショックで0.25%まで下げましたが2022年3月からはインフレ抑制のため大幅利上げを断行して2024年4月現在では政策金利は5.5%、およそ22年ぶりの高水準となっています。
2024年中には利下げへ転換することが予想されています。
日本では政策金利を上げることなく金融緩和政策が続いてきましたが、植田氏が日銀総裁に就任してから1年足らずの2024年3月会合でマイナス金利政策が解除され、22年ぶりに利上げを行いました。
次回の利上げで変動金利が上がる可能性がありますが利上げペースはゆるやか、かつ小幅と予想しており、お勧め度は前月の3.7を維持します。
変動金利のオススメ度
5.0点満点の3.7点(先月:3.7点)
まとめ:日銀の利上げを熱望する民間銀行
3月に決定された日銀の利上げはインフレ抑制のためにドンドン金利を上げていく欧米型の金融引き締めではなく、マイナス金利という異常な緩和政策を正常化し、緩和的でありながらも「金利のある世界」に戻すことが主眼です。
3月の会合前から日銀はこうした発信を行っており、それが市場に前向きに受け入れられたことで、大きな混乱なく大規模緩和政策の幕引きに成功したと言えます。
変動金利で借りている人の金利が短期的にドンドン上がるということは無いので安心してよいのですが、日銀の植田総裁はこれからは短期政策金利を操作することで物価の安定を図っていきたいと発言しており、そのためにはあと複数回の利上げが必要になります。
つまり次回以降の利上げからは、いよいよ変動金利が上昇していくことが予想されます。
住宅ローンは35年の長期にわたるものです。変動金利を選ぶということは、金利が上がるたびに、毎月の返済にいくら影響するか?そして総額ではいくら増えるのか?というチェックをその都度行うことが必要になってくるのです。
植田総裁の考える日銀の金融政策下では、短期政策金利の操作によって住宅ローンの変動金利も上下することが前提になってくるでしょう。
▼各金融機関の金利タイプごとの金利増減は、下記記事で紹介しています。
2024年最新版
おすすめ住宅ローン
金利比較
最新金利や
住宅ローンの選び方まで!
たった
1分
まずはシミュレーションで
住宅ローンを一括比較