• 2021.03.11

2021年3月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
021年3月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新

こんにちはブロガーの千日太郎です。

ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。



この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったか?

また、過去から今月までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。

執筆・監修している専門家

執筆者

千日太郎

オフィス千日合同会社 代表社員

保有資格・検定

公認会計士

大阪で公認会計士を営みながら、オフィス千日合同会社 代表社員として、「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」では金利予想やプロの視点から推奨する住宅ローンの組み方を情報発信。「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」では一般の人からの匿名の相談に無料で乗って、そのコンサル内容をネットに公開している。

編集者

ナビナビ住宅ローン編集部

住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。

株価は下がるも長期金利が急上昇!?
お勧めの金利タイプは?

2020年末から2月まではコロナ対策として巨額の財政出動と金融緩和によって世界的に株価が上昇し続けていたのですが3月には上昇が止まる局面が見られるようになり、3月の日経平均株価は2万8千円台に下がっています。

一方で日銀が長期金利の変動幅を容認する発言から国債を売る動きが優勢になり、2月末にかけて債券価格が下落(利回りは上昇)し、日本の長期金利も0.1%台まで急上昇してきました。

こうした現在の状況に至るまでの2021年3月までの金利動向を振り返り、今おトクな金利タイプを分析します。

金利タイプ別2021年3月までの金利推移

では、直近2021年3月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。

30年超の超長期固定金利

30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。

住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。

フラット35の金利はおおむね横ばいで推移

2020年 9月 10月 11月 12月
千日予想 横ばい  横ばい  横ばい  横ばい 
実績 0.01上がった
ほぼ的中 
0.02下がった! 0.01上がった!
ほぼ的中 
横ばい
的中!!
2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい  0.02ポイント上がる 0.02ポイント上がる
実績 0.02下がった! 0.03ポイント
上がった
ほぼ的中 
0.03ポイント
上がった
ほぼ的中 

2021年に入ってからのフラット35金利は2月に0.03ポイント上がり、3月には0.03ポイント上がり、2か月連続で大幅上昇してきています。

2021年4月の予想は横ばい又は上がるとしています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

2021年3月までの推移とおススメ度

2020年3月のコロナショックの後はおおむね1.3%前後で推移してきましたが、2021年に入ってから急上昇してきました。

 2021年3月まで 住宅ローン 金利(10年固定)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。

2020年度のフラット35(買取型)金利推移
1月 2月 3月 4月 5月 6月
1.27% 1.28% 1.24% 1.30%  1.30% 1.29%
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1.30% 1.31%  1.32% 1.30%  1.31%  1.31%
2021年度のフラット35(買取型)金利推移
1月 2月 3月 4月 5月 6月
1.29% 1.32% 1.35%

千日太郎としてはコロナ不況下のフラット35の適正水準を1.3%と考えており、数か月先に実行を予定している人の住宅ローンシミュレーションを行う場合の金利は1.3%で行います。

その点、今はコロナバブルによって長期金利が高騰し3月のフラット35の金利は1.35%と高い水準です。

そして、さらに今後も長期金利は上昇傾向にあるため、フラット35には割高感があります。

しかし民間銀行と比較すると、フラット35の金利は前の月の20日前後に発表される機構債の表面利率でほぼ予想ができるため、民間金融機関とは違って何パーセント上がるか事前に把握できます。

また住宅金融支援機構は営利を目的としていないため、金利が急上昇する局面で金利上昇を抑えることがあります。

そのためフラット35については、オススメ度は基本的に高く、前月の4.0から横ばいとします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

これに対して、民間金融機関が固定金利を決めるタイミングは前月末であり、さらにその後の金利動向に対する銀行の予想に加えその銀行特有の営業方針によっても上下させることがあり予想が困難です。

特に今のように長期金利の上昇傾向があるときは、市場の金利上昇幅よりも大きく便乗値上げすることも多いのがデメリットです。

民間の超長期固定金利はフラット35と同じ4.0とします。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

長期の固定金利で借りようと思っている人は、フラット35と民間の超長期固定金利の両方で本審査を通しておくことをお勧めします。

20年固定金利

20年固定金利は、40代から住宅ローンをスタートする人によくお勧めしています。

定年退職までの期間と金利の固定期間が近似しているので、定年までに完済する計画とマッチするためです。

20年固定金利は、金融市場の動向だけでなく、銀行の営業方針によって変動する傾向が高いため金利予想の難度が上がります。

20年固定の金利推移

2020年 9月 10月 11月 12月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい
or
下がる 
横ばい
or
下がる 
実績 銀行により対応が
分かれた  
下がった! 銀行により対応が
分かれた
横ばい
or
下がった
的中!!
2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい
又は
下がる
横ばい
又は
下がる
上がる
実績 銀行により対応が
分かれた
銀行により対応が
分かれた
的中!!

20年固定については、民間銀行が3月に金利を下げるインセンティブはありませんので、金利を上げる可能性が高いという予想は的中しました。

2021年4月の20年固定は横ばい又は長期金利の上昇に伴い上がると予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

2021年3月までの推移とおススメ度

直近の1年で「住宅ローン控除で借入が多いほどおトクになる」1%のラインを下回る水準で推移しています。

 2021年3月まで 住宅ローン 金利(20年固定とフラット35)

(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、20年固定金利は7月から金利を下げてきている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。

2020年2月にはりそな銀行が0.945%で単独一位でしたが、3月には0.05ポイント上昇で0.995%となり、他のネット銀行などと並びました。もう少しで1%を超えてしまいそうな状況です。

長期金利が今後上昇傾向にあり、それに伴って金利が上がる傾向にあることを鑑みると、お勧め度は前月の4.0よりもダウンし3.5とします。

☆☆★★★オススメ度は5点満点で3.5点★★★☆☆

10年前後の中期固定金利

主要銀行の10年固定金利のトレンドとしては長期金利が上下しても住宅ローンの金利に影響せず、9月までの10年固定金利は一貫して横ばいで推移してきました。

しかし、2021年3月の決算月に向けて多くの主要銀行が金利を下げてきています。

10年固定金利は横ばいが多かったが下がってきた

2020年 9月 10月 11月 12月
千日予想 横ばい 横ばい  横ばい
or
下がる
 横ばい
or
下がる
実績 横ばい
的中!!
下がった! 横ばい
or
下がった
的中!!
横ばい
or
下がった
的中!!
2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい
又は
下がる
上がる
実績 横ばい
or
下がった
的中!!
銀行によって対応が
変わった
横ばい
or
下がった
ほぼ的中

1月から2月にかけては一部のネット銀行が金利を下げたものの、2位グループの住信SBIネット銀行とSBIマネープラザは長期金利の上昇に伴い、金利を上げて0.56%としました。

そして2月から3月にかけては横ばいとした銀行が多かったのですが、三井住友信託銀行が0.05ポイント上昇させて0.6%としました。

ただし最低金利のPayPay銀行は変わらず0.499%を維持しています。

固定金利については上がるトレンドが出てきていますが、なお2021年4月の10年固定金利についてはおおむね横ばいと予想しています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

10年固定金利の推移とおススメ度

コロナショック後、ほとんど横ばいで推移してきましたが、2020年10月から下がり始め、2021年1月にさらに下がり、3月まで横ばいとなっています。

35年の超長期固定金利や20年固定は上がったり下がったりしてきているのですが、10年固定の主要銀行の最低金利については、ここ2年と3か月は一貫して下がり続けていると言えます。

 2021年3月まで 住宅ローン 金利(10年固定)

(注)グラフは過去から10年固定金利を主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの最低金利の推移を模式的に表したものとなっています。

2月から3月の長期金利の上昇に伴い一部で金利を上げた銀行があるものの、年間を通して10年固定を主力としている銀行が多く、他の固定金利よりは上がり幅は小さくなると考えています。

おススメ度は依然として高く前回の4.5点を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.5点★★★★☆

変動金利

各行が名目上の最低金利を競っているような状態ですが、変動金利についてはどの銀行も僅差です。

利用者の我々としては金利だけに引っ張られず、実際の支払額(毎月の返済額や総支払額)で比較すべきです。

期間限定のキャンペーンを除きおおむね横ばい

2020年 9月 10月 11月 12月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい
実績 横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
2021年 1月 2月 3月 4月
千日予想 横ばい 横ばい 横ばい
実績 横ばい
的中!!
横ばい
的中!!
横ばい
的中!!

変動金利はどの銀行もおおむね0.5%台かそれを下回る水準です。PayPay銀行など一部のネット銀行では0.3%台に突入しています。

ただしベースの金利が低いため、実際に毎月の返済額や総支払額で比較すると、変動金利同士では有意な差にならないことが多いです。

そうした場合は無料で付帯する疾病保障の手厚さなどが決め手になると思います。

なお、2021年4月の金利予想は「横ばい」としています。

詳しくは下記記事を読んでみてくださいね。

2021年3月までの推移とおススメ度

住宅ローンの固定金利は長期金利が上昇傾向にあると金利が上がる可能性がありますが、変動金利の場合は長期金利の影響で上がるということはありません。

住宅ローンの変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けると言われます。

ただし、日銀の政策金利はすでにマイナスとなっており、現時点ではその影響力を失っていると考えています。

むしろ前述のように銀行間の駆け引きによって上がったり下がったりする傾向にあります。

こちらはリーマンショックから直近までの日米の政策金利の動向をグラフにしたものです。

 2021年3月まで 住宅ローン 金利(日米政策金利)

米連邦準備理事会(FRB)はコロナショックの2020年3月にゼロ金利政策を導入しており、少なくとも2022年末までという長期間にわたりマイナス成長が続くとの見通しを表明しています。

コロナバブルによって株価は高値を維持していますが、実体経済は間違いなく最悪の状況です。

中央銀行が政策金利を上げる要素は皆無と言えます。

しかし、変動金利は6か月ごとに金利を見直し、銀行の判断で上げることのできる金利タイプです。

主要行が変動金利を下げているのは、最も早く金利を上げることのできる金利タイプだからです。

コロナ収束後の急激な経済のV字回復で金利が上がる可能性もゼロとは言えません。

おススメ度は前月の4.0を維持します。

☆★★★★オススメ度は5点満点で4.0点★★★★☆

まとめ~長期金利の上昇に伴って固定金利のおススメ度はダウン

この記事の執筆時点で、ということですが千日太郎の考えるおススメの住宅ローンは以下の通りです。

長期金利は上昇傾向にありますので、長期金利の影響を受けやすい長期の固定金利のおススメ度は少しダウンしています。

金利タイプ オススメ度 コメント
変動金利 4.0点 もともと低金利で、今後さらなる下がり代は少ない。
現在の低金利の背景には、コロナ収束後に適用金利を上げる可能性がある。
30年超の
固定金利
フラット35
4.0点 
フラット35の金利はコロナ不況下の割には高い水準。
民間
4.0点
長期金利の上昇に伴い、銀行の営業方針によっては大きく上がる可能性がある。
20年
固定金利
3.5点 長期金利の上昇に伴い、1%を超える水準に上がる可能性が高い。
10年
固定金利
4.5点 コロナショック前後で変わらず低金利で推移している。
長期金利の上昇にかかわらず低金利を維持する傾向がある。

なお予想についての記述ついては、あくまで執筆時点の公開情報に基づき千日太郎個人が予想していることにすぎません。

実際の金利動向はその通りにならない可能性は大いにあり得ます。

いずれにしても、複数の金融機関、異なる金利タイプで本審査を通しておくことが、想定外の事態に対する保険となります。

審査に出すのにはいろいろな書類が必要になりますが、そうした作業によって、百万円くらいの支払い額の違いが出てくることもあります。

面倒がらずにぜひ実践してください。

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