2019年11月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新【2019年11月版】
執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
こんにちはブロガーの千日太郎です。ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を毎月公表しています。
この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったかと過去から今までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。
※当記事の金利や情報は2019年12月時点のものを記載しております。最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認下さい。
この記事を執筆・監修している専門家
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
2019年11月までの予想に対する実績と金利推移
金利予想は2019年9月からスタートしたのですが、3か月連続して的中記録を更新中です。
金融機関にとっての住宅ローンの金利が商品の価格のようなものであるとするなら、その原価に注目して予想することで前月から概ね予想が出来るのですね。
その原価というのが金融マーケットの長期金利であり、住宅ローンの固定金利は長期金利の影響を強く受けます。
その長期金利は10月までは低い水準で推移してきたのですが、11月からは米中貿易協議の進展期待から上昇に転じてきています。
ただし、本格的に景気が上向いているということではありません。
それ(米中貿易問題)以外の取引材料が無く決定打に欠ける状態であり、今後しばらくは上がったり下がったりの不安定な動きとなりそうです。
金利タイプ別2019年の金利推移
では、直近2019年11月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
金利予想に対する実績は3か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
千日予想 | まだ下がる | 下げ止まる or 上がる | 横ばい or 上がる |
実績 | 前月比-0.06%下がった←的中!! | 横ばいだった←的中!! | 上がった←的中!! |
金利予想としては9月には「まだまだ下がる」、10月は「下げ止まるor上がる」、11月は「横ばいor上がる」というもので、3か月連続で的中しています。
ちなみに12月の30年超の金利は「上がる」と予想しています。
2019年11月までの推移とおススメ度
フラット35は、もともと金融市場の長期金利が低いため低金利で推移していたのですが、10月から11月にかけて上昇しています。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
<2019年度のフラット35(買取型)金利推移>
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
1.33% | 1.31% | 1.27% | 1.27% | 1.29% | 1.27% |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | |
1.18% | 1.17% | 1.11% | 1.11% | 1.17% |
9月10月が2019年の最低金利であり11月から上がってきてはいるものの、それでも2019年の前半と比べると低金利を維持しています。
また、冒頭でも述べましたとおり本格的に金利が上がっていく局面ではありませんから、再び下がる可能性もあります。
長期の固定金利で借りたい人にとって、今のフラット35で借りるということは、まだまだ低金利で借りることが出来るということになります。
★★★★★ オススメ度は5点満点で「5点」です! ★★★★★ |
20年固定金利
当初固定金利の中ではこれまで20年の固定金利はあまり目立つ位置づけではありませんでしたが、2019年7月を境に各行大きく金利を下げてきました。
特に低金利の商品では1%を下回る水準なので、住宅ローン減税を加味すると借入額が多い程トクをする状態になっています。
金利予想に対する実績は3か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
千日予想 | 0.8%台まで下がる | 下げ止まる | 横ばい or 上がる |
実績 | 0.85%前後まで下がった ←的中!! |
横ばい、一部上げた←的中!! | 横ばい、一部上げた←的中 |
金利予想としては9月には「0.8%台まで下がる」10月は「下げ止まる」11月は「横ばいor上がる」というもので、3か月連続で的中しています。
ちなみに12月の20年固定の金利予想も「横ばいor上がる」と見ています。
20年固定金利は各金融機関の営業方針によって対応が変わる金利タイプです。
2019年11月までの推移とおススメ度
6月まではフラット35(買取型)とあまり変わらない水準で推移していたのですが、2019年7月を境として金利が下がりました。
35年固定金利のフラット35とシンクロした動きになっていますね。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、20年固定金利は7月から金利を下げてきている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
2019年11月適用の20年固定金利では、auじぶん銀行は0.861%(当初期間引下げプラン)に金利を上げています。金利を下げた銀行はありませんでした。
※auじぶん銀行の最新金利はこちらから確認してください。
上昇傾向ではありますが、今のところ1%未満で20年間固定されているというのは大きなメリットです。
当初の10年(13年)は住宅ローン減税で年末住宅ローン残高の1%を上限として税金が還付されますので、逆に儲かってしまうのですね。
金利が1%未満の今ならばおススメ度5点ですが、今後1%以上に上がってしまうと、オススメ度は下がります。
今現在、20年固定を第一希望にしている人はフラット35や10年固定も審査に出しておいた方が良いでしょう。
★★★★★おススメ度は、「5点」or「4点」★★★★ |
10年前後の中期固定金利
主要銀行の住宅ローンは10年固定をメインとして価格競争となってきたのですが、既に下がりきって、今はあまり動きの無い状況です。
金利予想に対する実績は3か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい ←的中!! | 横ばい上下が混在←的中!! | 横ばい←的中!! |
金利予想としては9月には「横ばい」10月11月は「横ばい」というもので、これも3か月連続で的中しています。
9月から10月にかけては横ばいに加え上げた銀行、下げた銀行が混在していましたが、10月から11月は全くの横ばいです。
ちなみに12月の10年固定の金利も「横ばい」と予想しています。
2019年11月までの推移とおススメ度
長期金利と連動するフラット35の金利は上下してきているのですが、10年固定については基本的に横ばいで推移しています。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、10年固定金利は過去から低金利で主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
10月から11月にかけては横ばいです。
歴史的に見て最低金利ではなくなっているのですが、未だ低金利ではあります。
2019年10月の消費増税後に居住を開始する人の中には住宅ローン減税の期間が13年に延長される人も居ます。
そうなると、10年固定ではなく、13年間金利を固定する商品があれば嬉しいところですよね。
10年固定は住宅ローン減税の期間とほぼ同じであり、その期間に1%未満で固定されるのがメリットだったのですが、住宅ローン減税が13年間の人にとっては、少し使いにくい金利タイプになってしまいました。
★★★★ オススメ度は5点満点の3.8点 ★★★★ |
変動金利
ネット銀行を中心に変動金利が最低金利を争ってきています。数年単位で少しずつ刻むように下がっているという感じです。
ネット銀行が強いということもあって、住宅ローンをインターネットで検索していて、まず目につくのが変動金利だと思います。
数値としては最も低金利になるので、各行が最も目立つところに金利を表示しています。
金利予想に対する実績は3か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 | 11月 |
---|---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい ←的中!! | 横ばい←的中!! | 横ばい←的中!! |
金利予想としては9月から11月まで「横ばい」というもので、3か月連続で的中しています。
ただしほとんど動きの無い状況での的中なので、さほど誉められたことではないかなと思います。
ちなみに12月の金利予想も「横ばい」と見ています。
2019年11月までの推移とおススメ度
住宅ローンの変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けます。
なので、ここでは政策金利の推移を見ておきましょう。
2019年7月にFRB(米連邦準備制度理事会)が10年半ぶりに政策金利を0.25%下げ、9月10月には刻むように0.25%下げています。
日銀もさらに利下げが必要な局面か?と言われていて、日銀の黒田総裁もその可能性があることを言及していますが、これによってさらに変動金利が下がるということはあまり期待できないでしょう。
変動金利をこれ以上下げても銀行に儲けは無いからです。
ただし現時点で最も低金利ではありますので、
★★★★ オススメ度は5点満点の4点 ★★★★ |
といったところでしょう。
まとめ~低金利で狭いレンジでの上昇局面
住宅ローンの金利は金融市場の金利の影響を受けます。
今は金利が上昇している局面となっていますが、基本的には低金利の狭いレンジでの上昇にとどまっています。
今後の金利動向については、取引材料となる要素に乏しく、先行きとしては不安定ですね。まとめると以下のようになります。
金利タイプ | オススメ度 | コメント |
---|---|---|
30年超の固定金利 | 5点 | 長期金利が上がったことでフラット35の金利も上がっている。ただしここ1年の中でも十分に低金利の水準である。 |
20年固定金利 | 5点or4点 | 史上最低金利にまで下がっていたが、下げ止まりの可能性あり。1%未満なら5点、1%以上なら4点。 |
10年固定金利 | 3.8点 | 低金利ではあるが、2019年度内は基本的に横ばい。 住宅ローン控除が13年受けられる人にとっては使いにくい金利タイプとなった。 |
変動金利 | 4点 | 低金利ではあるが、ここ数年は横ばい。 |
ぜひ参考にしてください。