2019年10月までの住宅ローンの金利推移を金利タイプごとに振り返り!今もっともおトクな住宅ローンの金利タイプを毎月更新【2019年10月版】
執筆者: 千日太郎 (オフィス千日合同会社 代表社員)
こんにちはブロガーの千日太郎です。ナビナビ住宅ローンでは、金利タイプ別の来月の金利予想を月の前半に公表しています。
この記事では、前月の予想に対して実績の金利がどうなったかと過去から今までの金利推移を分析し、現時点でのおススメ度を5段階評価で評価します。
※当記事の金利や情報は2019年11月時点のものを記載しております。最新の金利情報は、必ず金融機関の公式サイトをご確認下さい。
この記事を執筆・監修している専門家
ナビナビ住宅ローン編集部
住宅ローンを組む時に抱える「どうやって住宅ローンを選べば良いかが分からない」「金利の違いがよく分からない」「一番お得に借りられるローンはどれなの?」といった疑問・不安を解決できるように解説していきます。
この記事の目次
2019年10月までの予想に対する実績と金利推移
金利予想は2019年9月からスタートしたのですが、9月・10月と連続して的中しています。
ただこれは、わたしが予想記事を書いてから各行が行う意思決定までの間に、たまたま想定外の事象が発生しなかったということでもあるでしょう。
特に長期の固定金利タイプは9月に大きく金利を下げてからは横ばいで推移しています。
多くの銀行が金利を下げて価格競争となる金利タイプは集中する傾向がありますが、変動金利から長めの固定金利に移ってきているようです。
低金利が長引いていて既に住宅ローンでは儲けが取れなくなってきている影響が、商品価格である住宅ローンの金利に出ています。
金利タイプ別2019年の金利推移
では、直近2019年10月までの、住宅ローン金利タイプごとの前月予想の答え合わせとこれまでの金利推移、おススメ度について見ていきましょう。
30年超の超長期固定金利
30年超の超長期固定金利の代表はフラット35です。
住宅金融支援機構の証券化支援事業をもとに民間金融機関と共同で2003年から提供されている住宅ローンであり、民間銀行が金利を決める際にも参考になっています。
金利予想に対する実績は2か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 |
---|---|---|
千日予想 | まだ下がる | 下げ止まる or 上がる |
実績 | 前月比-0.06%下がった←的中!! | 横ばいだった←的中!! |
金利予想としては9月には「まだまだ下がる」10月は「下げ止まるor上がる」というもので、どちらも的中しています。
ちなみに11月の30年超の金利は「横ばいor上がる」と予想しています。
2019年10月までの推移とおススメ度
フラット35は、もともと金融市場の長期金利が低いため低金利で推移していたのですが、今のところ9月の水準が最低金利ですね。
長期金利は9月から10月にかけて若干上がったのですが、フラット35の金利は横ばいで推移しています
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、長期金利は住宅金融支援機構が販売する機構債の表面利率の発表日前日の新発10年国債利回りの終値としています。
<2019年度のフラット35(買取型)金利推移>
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
1.33% | 1.31% | 1.27% | 1.27% | 1.29% | 1.27% |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
1.18% | 1.17% | 1.11% | 1.11% |
ですから、長期の固定金利で借りたい人にとって、今のフラット35で借りるということは、最も低金利で借りることが出来るということになります。
★★★★★ オススメ度は5点満点で「5点」です! ★★★★★ |
20年固定金利
当初固定金利の中ではこれまで20年の固定金利はあまり目立つ位置づけではありませんでしたが、2019年7月を境に各行大きく金利を下げてきました。
金利予想に対する実績は2か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 |
---|---|---|
千日予想 | 0.8%台まで下がる | 下げ止まる |
実績 | 0.85%前後まで下がった←的中!! | 横ばい、一部上げた←的中!! |
金利予想としては9月には「0.8%台まで下がる」10月は「下げ止まる」というもので、どちらも的中しています。特に9月の予想はゼロコンマ単位で的中できたので嬉しかったですね!
ちなみに11月の20年固定の金利予想は「横ばいor上がる」と見ています。
2019年10月までの推移とおススメ度
6月まではフラット35(買取型)とあまり変わらない水準で推移していたのですが、2019年7月を境として金利が下がり、8月から9月にはさらに下がり9月から10月にかけては横ばいとなっています。
35年固定金利のフラット35とシンクロした動きになっていますね。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、20年固定金利は7月から金利を下げてきている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
※FRB:米連邦準備制度理事会
20年固定金利では、最も低金利を付けている「auじぶん銀行」の2019年10月適用の金利は0.841%(当初20年固定、当初期間引下げプラン)で、9月と比較して横ばいとなりました。
また、他行では0.05%~0.1%ほど金利を上げた銀行が混在した状況です。逆に下げた銀行はありませんでした。
※auじぶん銀行の最新金利はこちらから確認してください。
各行で7月から大きく下げたものの、基準となるフラット35の金利が9月から10月にかけて横ばいだったのでお互いに様子を見ているような状態です。
フラット35の金利が9月が底になるとすると、今後さらに20年固定が下がることは期待しにくいです。
とは言え、今のところ1%未満で20年間固定されているというのは大きなメリットです。
当初の10年(13年)は住宅ローン減税で年末住宅ローン残高の1%を上限として税金が還付されますので、逆に儲かってしまうのですね。
もしも今後20年固定が上がって1%を超えたらどうなるでしょうか?逆に儲かるという状態ではなくなってしまいます。
金利が1%未満の今ならばおススメ度5点ですが、今後1%以上に上がってしまうと、オススメ度は下がります。今現在、20年固定を第一希望にしている人はフラット35や10年固定も審査に出しておいた方が良いでしょう。
★★★★★おススメ度は、「5点」or「4点」 ★★★★ |
10年前後の中期固定金利
主要銀行の住宅ローンは10年固定をメインとして価格競争となってきたのですが、既に下がりきって、今はあまり動きの無い状況です。
金利予想に対する実績は2か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 |
---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい ←的中!! | 横ばい上下が混在←的中!! |
金利予想としては9月には「横ばい」10月は「横ばい」というもので、どちらも的中しています。
8月から9月は全くの横ばいであり、9月から10月には横ばいに加え上げた銀行、下げた銀行が混在していました。
ちなみに11月の10年固定の金利も「横ばい」と予想しています。
2019年10月までの推移とおススメ度
7月を境としてフラット35の金利が下がっているのですが、10年固定については横ばいで推移しています。
(注)グラフのフラット35の金利は買取型の最低金利としており、10年固定金利は過去から低金利で主力商品としている金融機関の2019年初頭から直近までの金利推移を模式的に表したものとなっています。
2019年10月適用の金利を下げた銀行は「auじぶん銀行」で、当初10年固定・当初期間引下げプランで0.59%から0.57%に下げています。過去にはもっと低い金利を付けていた時代もありますので、概ね横ばいの水準で推移しているといえます。
※auじぶん銀行の最新金利はこちらから確認してください。
なお、auじぶん銀行は20年固定においても、金利を上げる銀行があった中で業界最適金利を維持しているので、今後も低金利を続ける可能性が高いです。
また、フラット35取り扱い件数1位の「アルヒ株式会社」と業務提携を決めたというニュースもあり、今後も積極的に住宅ローンに取り組んでいくものと思います。
歴史的に見て最低金利ではなくなっているのですが、未だ低金利ではありますので、
★★★★ オススメ度は5点満点の4点 ★★★★ |
といったところでしょう。
変動金利
ネット銀行を中心に変動金利が最低金利を争ってきています。数年単位で少しずつ刻むように下がっているという感じです。
ネット銀行が強いということもあって、住宅ローンをインターネットで検索していて、まず目につくのが変動金利だと思います。数値としては最も低金利になるので、各行が最も目立つところに金利を表示しています。
金利予想に対する実績は2か月連続的中!
2019年 | 9月 | 10月 |
---|---|---|
千日予想 | 横ばい | 横ばい |
実績 | 横ばい ←的中!! | 横ばい←的中!! |
金利予想としては9月には「横ばい」10月は「横ばい」というもので、どちらも的中しています。
ただしほとんど動きの無い状況での的中なので、さほど誉められたことではないかなと思います。
ちなみに11月の金利予想も「横ばい」と見ています。
2019年10月までの推移とおススメ度
住宅ローンの変動金利は銀行間で資金の融通を行うと市中金利に連動し、これは中央銀行(日銀)が民間銀行に融資する政策金利の影響を受けます。なので、ここでは政策金利の推移を見ておきましょう。
2019年7月にFRB(米連邦準備制度理事会)が10年半ぶりに政策金利を0.25%下げ、9月には刻むように0.05%下げています。
日銀もさらに利下げが必要な局面か?と言われていて、日銀の黒田総裁もその可能性があることを言及していますが、これによってさらに変動金利が下がるということはあまり期待できないでしょう。変動金利をこれ以上下げても銀行に儲けは無いからです。
ただし現時点で最も低金利ではありますので、
★★★★ オススメ度は5点満点の4点 ★★★★ |
といったところでしょう。
まとめ~固定金利に下げ止まりの兆候か?
住宅ローンの金利は金融市場の金利の影響を受けます。
今は金利が下がっている状況で、基本的にどの金利タイプについても低金利だと言えますがフラット35の金利が9月から10月にかけて横ばいだったことで、下げ止まりの兆候が出ています。
まとめると以下のようになります。
金利タイプ | オススメ度 | コメント |
---|---|---|
30年超の固定金利 | 5点 | フラット35が団信込みで史上最低金利にまで下がっている。9月が底でこれ以上は下がらない? |
20年固定金利 | 5点or4点 | 史上最低金利にまで下がっていたが、下げ止まりの可能性あり。1%未満なら5点、1%以上なら4点。 |
10年固定金利 | 4点 | 低金利ではあるが、2019年度内は基本的に横ばい。 |
変動金利 | 4点 | 低金利ではあるが、ここ数年は横ばい。 |
ぜひ参考にしてください。